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今週のTop Tier VCニュース！#92(2023/11/20週)

MA@Venture Capital

サンフランシスコの空室率の高さや治安の悪さが騒がれている一方、AIブームが後押しし、サンフランシスコ・ベイエリアのスタートアップへのVC投資額は2023年に過去最高を記録し$49.3Bとなっています。これは米国全体の約41％に相当し、ここ数年で最も高いシェアとなりました。この地域には、巨額の資金調達を成功させ、最近ではSam AltmanのCEO解任・復帰騒動でも騒がせたOpen AIや、Anthropic、Infection AIなどのAIユニコーンが拠点を構える他、創業間もないAIスタートアップも多数存在します。AI人材の豊富さに加えて、世界最大のTop Tier VCも近くにいることが起因しています。
今週は5件の投資案件をピックアップしました。全てSeedの投資案件ですが、VivodyneはSeedにも関わらず$38Mも調達しています。OpenAIへの初期投資家としても有名なKhosla Venturesがリードした案件であり、AIの活用により創薬プロセスの変革を目指すということで、将来が非常に楽しみなスタートアップの一つです。


今週の投資先ハイライト

■ 創薬のための次世代人間学習型プラットフォームを開発する"Vivodyne"がSeedで$38Mを調達

主な投資家

  • Khosla Ventures

概要

Vivodyneは、Khosla Venturesがリードし、Kairos Ventures、CS Ventures、MBX Capital、Bison Venturesが参加したSeedで$38Mを調達した。

創薬のための次世代人間学習型プラットフォームを開発するVivodyneのAIスタックは、新規治療標的を特定し、実験室で成長させたヒト臓器組織で直接テストすることにより、新薬に対する患者の反応を予測します。Vivodyneは、20種類以上のヒト臓器組織を生物工学的に作製し、本来のヒトの生理学と機能を模倣することで、新しい治療法の効果を正確に捉え、細胞、組織、臓器、全身のスケールで患者の転帰を予測してします。

医薬品開発における主なボトルネックのひとつは、現実的でスケーラブルかつ再現性のあるヒト予測データを収集できないことです。Vivodyneの創薬のための革新的なアプローチは、薬剤が臨床試験でテストされる前に、患者レベルのヒトの結果を生み出します。同社のプラットフォームは、ロボットによる自動化により、一度に1万以上のヒト組織を培養、投与、分析することができ、創薬のための次世代人間学習型AIを支える膨大なヒトデータセットの作成を可能にします。

重要なことは、ヒトデータを作成する彼らのプラットフォームの能力によって、AI主導の創薬における重要な障害である、AIトレーニングのための大規模で高品質なヒトデータセットが入手できないこと、そしてこの空白を埋めるために単純な細胞培養に過度に依存していることが克服されることです。

「治療薬が臨床試験に入る前に予測可能なヒトデータの生成を可能にする当社のAIプラットフォームの開発を加速させるこの資金調達ラウンドをKhosla Venturesがリードしてくれることに感激しています。オルガノイドと臓器オン・チップの原理を組み合わせることで、私たちは新しいクラスの本物そっくりの実験室で培養されたヒト臓器を創り出しました。私たちは、このような実験室で培養されたヒトの被験体を使って、ヒトの病気に対する新しい治療法を発見し、開発します。その結果、臨床試験で得られるデータよりも膨大な量の複雑なヒトのデータが得られ、私たちはこのデータに基づいてマルチモーダルモデルを訓練し、新薬の安全性と有効性を予測・改善します。このブレークスルーは、医薬品開発におけるAIの予測精度を高めるだけでなく、AIが生成した医薬品の成功率を大幅に向上させ、この分野における新たな基準を確立することを約束します。」とVivodyneのCEO兼共同創業者は説明しています。

治療薬開発の次のフロンティアは、薬が臨床試験に入る前に、より確実な前臨床試験を達成することにかかっています。バイオ製薬企業は、長年の研究と多額の資金投入が臨床試験結果の予測不可能性に直面したとき、極めて重要な課題に直面します。これはバイオテクノロジー最大の課題であり、Vivodyneの重要な焦点です。Vivodyneのプラットフォームは、動物実験よりはるかに早く、大規模で、ヒトの予測可能性をもって、早期発見から承認後まで、貴重なヒトデータの収集を可能にします。当初からヒトデータを収集することで、新規ターゲットを同定・検証し、臨床試験前のリスクを大幅に軽減することができます。承認された治療薬については、新たな適応症の発見や患者ケアの向上を通じて、その影響力を拡大しています。

Vivodyneは、そのAIプラットフォームを使って、低分子から、抗体や抗体薬物複合体を含む生物製剤、mRNAを含む脂質ナノ粒子、細胞療法に至るまで、多くの種類の薬剤を設計・改良してきました。同社は現在、大手製薬会社上位10社の大半と共同研究を行っており、共同設立者の研究は、Science、Nature Methods、Nature Medicineをはじめ、Vivodyne設立に至るまで、影響力の高い数多くの出版物に掲載されています。



■ 分散データ処理プラットフォーム「Bacalhau」を開発する"Expanso"がSeedで$7.5Mを調達

主な投資家

  • General Catalyst

概要

Expansoは、General CatalystとHetz Venturesが共同リードするSeedで$7.5Mを調達した。

シアトル拠点で分散処理によってデータを扱うより良い方法をチームに提供するExpansoは、調達した資金でデータ処理プラットフォーム「Bacalhau」の開発を加速させ、さらに多くの企業ユーザーに提供し、情報をその場で処理できるようにする計画です。

データは現代ビジネスの活力源ですが、その活用は容易ではありません。企業は、さまざまなソースから入ってくる情報を（すべてではないにせよ）最大限に活用するために、多くの手順を踏まなければなりません。

「たとえ世界中に分散していたとしても、データのある場所に対応するために構築されたインフラは、長い間待ち望まれていました。ExpansoがBacalhauで構築しているのは、ビッグデータの処理方法とグローバル・コンピューティング・ジョブの実行方法に革命を起こすと同時に、まったく新しいクラスのアプリケーションのロックを解除することを意図しています」と、同社の創設者兼CEOは声明で述べています。

現在の企業では、複雑なETLパイプラインを通じて膨大な量のデータをネットワーク経由で移動させ、すべてをクラウド・データ・プラットフォームに集中させることで、膨大な量のデータから価値を引き出しています。この(BI/AIアプリケーションを可能にする)アプローチはうまく機能するが、同時に多くの時間と財源を必要とします。

Kubernetesの最初の非創設プロダクト・マネージャーであり、Googleのリード・プロダクト・マネージャーでもあったExpansoの創設者兼CEOは、キャリアのさまざまな段階において、こうしたグローバルに分散されたワークロードの課題を指摘しています。

「顧客は、グローバルに分散したワークロードの問題を解決するために、自分たちで構築しなければならないソリューションを何度も何度も持ち出してきました。その上、ネットワークの成長に比べ、企業データの急速な爆発は、このケースを助けるものでもありません。最後に勤務したProtocol Lab社では、10エクサバイト（EB）を超えるデータがネットワーク全体に広がっていました。標準的な10GBpsのネットワークでは、これだけのデータをクラウドプラットフォームに移行するには数十億年かかります。」と彼は説明します。

この課題に取り組むため、データが保存されているローカルで計算ジョブを実行させるプロジェクトを立ち上げ、最終的にExpansoへと発展させました。

Expansonは、同社のオープンソースプロジェクトをBacalhauと呼んでいます。このプロジェクトは、組織がすでに導入している(あるいは導入予定の)分散システム上で実行され、データが存在する場所で、そのデータに対してコンピューティング・ジョブをスケジューリングします。Bacalhauエージェントをマシンにインストールし、パブリック／プライベート・クラウド・ネットワークに参加させるコマンドを実行するだけです。分析ニーズが高まるにつれて、Bacalhauノードを追加プロビジョニングすることで容量を増やすことができます。

この製品を使用すると、チームは既存のインフラと一緒にインストールされた軽量のBacalhauノードを使用して、ローカルデータを即座に分析することができます。データセンターの複製やクラウド間のデータ移動の管理といった運用上のオーバーヘッドが削減され、組織はアイドル状態のエッジ・コンピューティング・リソースを利用できるため、さらなるコスト削減につながります。最も重要なことは、データをその場で処理することで、セキュリティとスピードが向上し、規制による罰金のリスクが軽減されることです。

現在、Bacalhauは、ソースでのアプリケーション・ログのサニタイズと処理、リモート・デバイス間での分散MLトレーニングの実行から、ストレージやさまざまなリージョンに分散したファイル・データの処理、分散デバイス・フリートの管理まで、さまざまなデータ・タスクに対応しています。

今年初めに公開デモを開始して以来、Bacalhauはユースケース全体で200万以上のジョブを実行するために使用されています。同社は正確な収益の伸び率については明かしてませんが、米海軍、カリフォルニア工科大学、メリーランド大学、プレリンガー・ラボ、WeatherXMなどの大企業と協力していると説明しています。

今後、同社はこれまでの成果を基に、Bacalhauを進化させ、さらなる企業ユースケースをサポートし、主要な顧客ニーズに対応したいと考えています。また、現在月間5万件以上のCLIがダウンロードされている同プラットフォームのユーザーベースの拡大も計画しています。



■ 米国でホームサービスの仕事を簡単に計画・注文できるようにする"Craftwork"がSeedで$6Mを調達

主な投資家

  • General Catalyst

  • Y Combinator

概要

 Craftworkは、Forerunner Venturesがリードし、Y Combinator、General Catalystや著名なエンジェル投資家が参加したSeedで$6Mを調達した。

ノースカロライナ州シャーロットを拠点にする設立から1年足らずのCraftworkは、価格の透明性と品質を維持しながら、ペンキ塗りや家の修理といったホームサービスの仕事を簡単に計画・注文できるようにすることを目指しています。Craftworkのアイデアは、創業者兼CEOが家を所有する「喜び」と、家の修理や塗装の難しさを発見したことから始まった。

創業者達は、巨大だが非常に細分化された住宅サービス市場が、多くの人にとって明らかな痛手であるにもかかわらず、なぜ誰も近代化に成功していないのだろうと考えた。業界は常に変化しているため統計の検証は難しいが、推定によると米国には約250万社のホームサービス事業があり、年間5000億ドル以上の収益と約600万人の雇用を生み出している。

携帯電話から何でも注文できますが、質の高い修理や改装を手伝ってくれる便利屋を効率的に注文することはできません。そこで創業者達はは、この業界を研究し、市場を調査することにしました。彼らが発見した課題は、ソフトウェアだけでは問題を解決できないということでした。それは人材ビジネスであり、新しいソフトウェアとビジネスについての新しい考え方の両方が必要でした。

創業者達は説明します。「私たちは、この2つの間に妥協するチャンスがあることに気づいたのです。以前に創業したOdekoでの経歴から、垂直統合のコンセプトにたどり着きました。ソフトウェアを作るだけでなく、人を雇用し、品質とそれに付随するブランドの感覚を植え付けるモデルを構築すれば、本当に大規模なものをスケールさせることができると」

献身的でよく訓練された労働力を確保するため、同社は在宅サービス労働者を実際に雇用し、作業プロジェクトへの配属の有無にかかわらず、週40時間の労働に対して適正な賃金を支払い、医療保険と株式手当を支給しています。

同社は2023年1月にスタートし、その3ヵ月後に一般公開されました。Y Combinatorが資金提供した$4MのPre-Seedd資金と、経験豊富な創業者グループによって、開発をスピードアップし、スタッフを雇用することができました。立ち上げ以来、同社は急速に牽引力を増し、前月比50％～100％の成長を遂げ、現在では30人以上の従業員を抱えるまでになりました。

創業者兼CEOの妻はスタートアップでで人事とオペレーションを担当した際に24ヶ月で30人から400人へと規模を拡大した経験があります。現在、同社はシャーロット地区で事業を展開していますが、意欲的な拡大計画が米国全土に広がっています。現在はペイント・サービスが中心ですが、他のホーム・サービスにも拡大する計画です。「私たちのより広いビジョンは、国内最大のゼネコン会社のようなものを構築し、最終的にはカテゴリーを定義するブランドを構築することです」と創業者兼CEOは説明します。

同社は、ホーム・サービスの代名詞となるような、住宅所有者向けの消費者ブランドを構築する機会があると考えています。同社は、製品第一、技術第一のアプローチでこれに取り組んでいます。SEOやターゲット広告の配置など、現代的なものをすべて活用したウェブサイトを中心にブランドを構築することで、来店する人々をより大きなファネルで迎え入れることができるのです。そして、同社が構築している技術を使うことで、顧客に提示する価格設定が顧客にとっても満足のいくものであると確信できるような方法で、プロジェクトの範囲を広げることができます。価格設定とスケジューリングのプロセスをオンラインで行うことで、見積もりのために人を派遣する必要がなくなり、運営コストの節約に役立っています。

Craftworkは、ホームサービスで全国的なブランドを構築するだけでなく、高賃金で安定した雇用を提供し、職業にまつわる汚名を払拭し、人々に上昇志向の機会を与える、大規模なものを構築する計画です。



■ エンジニアリング・プロセス全体の効率を大幅に改善し強化する"Generative Engineering"がPre-Seedで€4Mを調達

主な投資家

  • EQT Ventures

概要

Generative Engineeringは、EQT Venturesがリードし、Join Capitalが参加したPre-Seedで€4Mを調達した。

ロンドンを拠点とし、物理工学の全体的な効率を大幅に改善することを使命とするソフトウェア会社であるGenerative Engineeringは、エンジニアが何千もの異なるエンジニアリング設計を生成・テストするモデルを作成・実行できるユニークなプラットフォームを提供します。同社が開拓したこのパラレル・エンジニアリングは、製品開発期間を根本的に短縮する可能性を秘めており、エネルギー、脱炭素、農業、モビリティなどの分野における革新的なソリューションを、より迅速に市場に投入することを可能にします。このプラットフォームは、最新のエンジニアリング・ソフトウェア・スタックの中核をなすものです。

自動車や航空宇宙産業のような複雑な物理的製品のエンジニアリングは、時間がかかり、非効率的で、資本集約的なプロセスです。エンジニアリング・ツールは、複雑化する現代製品に追いついておらず、製品開発に携わるエンジニアは、通常、1つの設計を数年にわたり、高度に手作業で行っています。これには通常、共同作業の問題、情報損失、ミス、手戻り、そしてしばしば失敗が伴います。迫り来る気候危機を含め、世界で最も差し迫った問題を解決するために、人類は再構築された、効果的で信頼性の高いエンジニアリング・プロセスを必要としています。そして、より効率的なエンジニアも。

Generative Engineering創業チームは、MITの博士号レベルの計算工学からGoogleの製品管理までの経歴を持ちます。チームは、英国の電気自動車メーカー、Arrivalを立ち上げ、その中核となる革新技術の多くに貢献し、その後、英国史上2番目の規模を誇る同社の上場を果たしたことで、一般的なエンジニアリングの複雑さを身をもって体験しました。この時点で、チームはGenerative Engineeringの設立へと進み、エンジニアリング・プロセスの強化が業界、そして世界に与える影響を理解しています。

2021年に設立されたGenerative Engineeringのプラットフォームは、個々の部品の設計から複雑なシステムの開発まで、コンセプト・エンジニアリングからシステム統合、コスト・エンジニアリングに至るまで、エンジニアリング・プロセス全体で機能します。何千もの設計を並行して生成し、テストすることができれば、エンジニアリング・チームはより良い情報に基づいた意思決定を行うことができます。さらに、同社は強力なコードファースト統合フレームワークを開発し、エンジニアが既存のツールをプラグインして、すぐに使える統合機能とともに使用できるようにしました。これらのことは、エンジニアが既存のソフトウェア・ツールへの投資を最大限に活用しながら、飛躍的に効率化できることを意味します。

エンジニアリング・ソフトウェアの市場は急速に成長しており、現在約300億ドルと評価されています。しかし、Generative Engineeringのプラットフォームは、数千億ドル規模の市場であるエンジニアリング業界全体に、大幅なコスト削減をもたらす可能性を秘めています。



■ LLMを活用し、英国と欧州の病院向けに手作業による管理業務削減ツールを構築するPhare HealthがSeedで£2.5Mを調達

主な投資家

  • General Catalyst

概要

Phare Healthは、General Catalystのほか、KHP Ventures、Bertelsmann Investmentsが参加したSeedで£2.5Mを調達した。

ロンドンを拠点とし、英国と欧州の病院向けにフィンテック・ツールを構築するPhare Healthは、大規模言語モデル(LLM)を活用して病院のデータ取得を支援し、より良いリソース管理とコスト回収を支援します。

同社は、病院が財務状況をより良く理解し、コストとキャッシュフローに関するより良いインテリジェンスを持つためのAI製品を開発しています。同社の最初の製品は、大規模言語モデルを活用して、病院が提供するケアに関する質の高いデータを取得し、病院がリソースをより適切に管理し、コストを効率的に回収し、NHS Trustsが業務に対して正確な報酬を得られるように支援します。

AIシステムは、臨床医が書いたすべての患者メモをレビューします。管理、運営、財務の各チームが構造化された使用可能なデータに変換し、臨床医と病院の運営方法とのギャップを埋めることで、病院のリーダーの可視性と透明性を高めるのに役立ちます。

その結果、管理者は医療システム全体のリソースをより効率的に割り当てることができ、患者の治療をより正確に把握することで、より良い医療水準を推進することができます。

Phare Healthの共同創業者兼共同CEOの2人は、乳がんAIスクリーニングや医療AIアシスタントのMedPalmなどのプロジェクトでNHSと協力しているDeepMind HealthとGoogle Healthのチームの一員であり、共同創業者兼CTOはスタンフォード大学とニューヨーク大学でAI科学の最先端にいました。DeepMind Healthに入社する前はオーストラリアで医師として働いていました。

臨床医に対するAIの潜在的な利用について多くの議論がある一方で、バックオフィスにおけるAIのニーズは、より緊急のものです。つまり、リスクの少ない手作業による管理業務を行うことで、臨床医は患者のケアにより多くの時間を割くことができるようになります。



投資環境

● AIブームが後押しし、San FranciscoのスタートアップへのVC投資シェアが約41%に相当し、ここ数年で最高値に

  • AIブームが後押しし、サンフランシスコ・ベイエリアの企業へのベンチャー資金調達額は今年、過去最高を記録した

  • この地域のスタートアップはSeedからGrowthまで合わせて$49.3Bを調達した。これは米国全体の約41％に相当し、ここ数年で最も高いシェアだ

  • 2023年の米国のスタートアップへの投資額は前年同期比で40％減少しているが、サンフランシスコ・ベイエリアの資金調達額は前年同期比で25％減と、全米平均を大きく上回っている

  • サンフランシスコには、AI領域で最大の資金調達者であるOpenAIがあり、主にマイクロソフトから今年$10.3B以上の資金を確保している。これだけでこの地域の資金調達の約5分の1を占めている。

  • 一方、サンフランシスコを拠点とするライバルのAIユニコーン、Anthropicは、アマゾンやグーグルを含む主要な投資家から、今年少なくとも$2.65Bの資金を調達した。また、パロアルトを拠点とし、大規模なAI言語モデルを開発するInflection AIは、マイクロソフトとNvidiaがリードした6月の資金調達で$1.3Bを調達した

  • ベイエリアがAIのイノベーションの中心地としての地位を固める中、資金調達が活発化している。特にサンフランシスコのヘイズ・バレー周辺はAIの人材が密集しており、「Cerebral Valley」とも呼ばれている。また、世界最大のベンチャーキャピタリストが近くにいることも後押ししている


● 欧州のベンチャー企業評価額は2023Q3に明るい兆し

  • 2023Q3時点の欧州のベンチャー企業評価額は、2022年時点と比較して軒並み低下したが、Pre-Seed、Seed、Late stageのカテゴリーでは中央値が上昇した

  • Early stageとVenture Growthは例外で、評価額中央値、ディールサイズともに前年比で最も減少した

  • Later stage企業がバリュエーション下落に対して最も回復力を示した

  • ダウンラウンドの割合は四半期ベースでほぼ横ばいであった


● Clean Energy Tech領域のスタートアップが2023Q3に総額$4.5Bを調達

  • Clean Energy Tech領域のスタートアップは2023Q3に調達したVCからの投資額は$4.5Bで、2022年の水準から若干減少した

  • これは2022Q4と2023Q1の2つの低水準(それぞれ$4.2Bと$3.4B)に続くもので、Clean Energy分野のVC投資額としては2021Q1以来最低の四半期

  • このディール活動減少の時期は、インフレ率の上昇、金利上昇、銀行破綻など、VC投資全体にとって厳しい経済状況に一部起因していた。2023Q2は、ディール額が2022年初頭の堅調な水準に戻っていた

  • 米エネルギー省は、カリフォルニア、太平洋岸北西部、中西部、メキシコ湾岸、北東部を含む全米7カ所の水素ハブの設立を支援するため、$7.0Bの資金提供を発表しました。この資金の多くは、上場企業、プライベート・エクイティ(PE)が支援する企業、研究機関に提供されるが、これらのハブのさらなる発展は、VCが支援する水素技術企業にとって好機となり得ます


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