小説を書くようになったきっかけ

 ぼけーっとパソコンの前に座っているのだけど、なんとなく「書かなきゃ」って思い続ける。気持ちよく書いてみて一時間後に読み返してみると読めたものではない。なんで読めたものではないのだろう、心の中の梶井基次郎に聞いてみる。ビー玉ばっかコロコロ舐めていやがる
 小説を書くようになったのは三年前のこと。

 元々、小説をいっぱい読んでるわけでもなかった。コンビニ人間はこの前やっと読んだし、蜜蜂と遠雷は読んでる最中やし、神様のボートは昔に読んだけど内容を忘れた。だけど、書こうと思うに至った。

 三年前。もう、私の世界はしっちゃかめっちゃかに引き裂かれて壊れた。弟が死んでしまった。弟は、突然に死んだもので、私は未だにいつか会えるものだと信じてしまっている。あまりにも突然であったのだから、どこかで取り返せる、と。
 
 埃っぽいアパートの二階で、茫然としている日々の中で、徐々に自分に沸き起こってきたのは創作への意欲だった。何かを残さなきゃいけない、というような必死な想いというよりも、むしろ淡泊なもので「暇やからなあ」という気持ちでのスタート。
 なんとなく書いた最初の話は二万字足らずで書けなくなった。書いてるうちに登場人物の名前が覚えられなくなった。あれぇ、あいつ誰やったっけなあ。読み返すのを繰り返して嫌になった。プロットを書く。というのを知ったのはしばらく経った後だった。

 小説を書くのは楽しい。なによりも、物語が始まる瞬間が楽しい。終わる瞬間も楽しい。終わった後は、もう自分の物じゃないから気にしなくていい。

 このnoteでも小説を書いていくし、アルファポリスにも書いていくし、新人賞にも応募していく。夢は自分の本名で本を出すこと。文字通り、冥土の土産が欲しいのだ。

 

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