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文字に想いを託す

遥か遠い未来を想像した時に、何が残っているか、残って欲しいか考えてみた。

あらゆるものは諸行無常であるという教えの通り、形あるものは全て壊れてしまう。
僕が住んでいる家も、僕が通っていた学校も、東京タワーも、そして僕の命も。

「やり方」だって古くなる。テクノロジーは凄まじい勢いで進化していく。
僕が未来に残したいのは「在り方」の方だ。

昨年社長になるにあたり、手当たり次第に本を読み漁った。
それこそ、「やり方」の本も含めて。
一番参考になり、勇気をもらったのは、祖父や父が残した書物や会社の社史だった。
中には直筆のメモもあったし、手紙もあった。

どんな想いで事業を始めたのか。
大切にしたいことは何なのか。
何を捨て、何を残すべきなのか。

全て具体的に書いてあったわけではない。
でも、何となく輪郭くらいは理解できたような気がする。

前社長である叔父に、会社の存在意義は、永続することだと教わってきた。
永続するということは、時代が変わっても、顧客や社会から必要とされ、信頼されてきた証だからだ。

ドラッガーの言葉で「企業文化は戦略に勝る」という言葉がある。
優れた会社は、文化を大切にしている。そして文化を大切にしながら、常に新しい挑戦をし続けている。
企業の文化は、灯台のように会社の行き先を照らす光になる。
決して光の先に何があるのかを恐れず、突き進んできた会社には優れた企業文化があるのだ。

経営者の仕事は「決断」することだとよく聞く。
だとしたら僕は、変わり続けるという事を「決断」すべきなんだと思う。
文化を大切にしながら、絶え間ない挑戦の先にしか、永続はないのだから。

そう教えてくれたのは、曽祖父から続く先祖達、お客様を含め会社を長年支えてくれた全ての方々達だ。
そして、今僕がこうしていられるのは、彼らが紡いでくれた「文字」たちのおかげだ。
人間は、文字が読めるスキルのおかげで、進化を遂げてこれた。
文字が読めるおかげで、千年以上も前の教えも学ぶことが出来る。
そして、これからも「文字」はずっと先の未来でも相変わらず存在していると信じたい。

だから僕が未来のために出来る事は、こうして文字を紡ぎ続ける事だと思う。
自分が書く文字達が臍を曲げないように、書くことも忘れないようにしよう。

現代に生きる僕たちの想いが、遠い未来で生きる人達に届くと嬉しい。
人生は素晴らしい。
今日もいい一日になりますように。

#未来のためにできること

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