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農家の未来を現状維持には託せない。

はじめに台風19号で被災されて農家さん含むすべての人々に心からお見舞い申し上げます。

上記の言葉は何かを解決したり、励ましを贈る言葉ではなく出す側の社会的大人のポジションを守るための言葉になっている気がしてならない。

数十名の方が犠牲になり、数十年、数百年歴史のある多くの農家の生活やその糧となるものが数日で流されてしまった。

同じ人間として辛いに決まってる。
自分がその立場だったら嘆くこともできず、途方に暮れるだろう。

それでも生きていてほしい。生きてりゃ何とかなる。
使えるものは使えばいい。

でも、今回被災していない私たちも他人事ではない。

多くの犠牲と被災された地域から学ぶことを捨てて、行政の対応の悪さを批評しても被害を受けてからでは何も取り戻せない。

そんなのはぬるいスタジオですべて人のせいにしているコメンテーターに任せておけばいい。


そろそろ気づかなきゃいけない。
これからさらに同じか、それ以上のことが起こるのだと。

災害に負けない農業とはなにか?

それがわかればもう祈るしかない。
でも、同時にもう少しだけやれることがあるだろう。

自然の猛威に対して農家としての行動には三つの考え方がある。

①なぜ災害がこんなに起こっているのか、その答えを見いだして災害そのものを抑えるための活動を行う。

②災害が来ても影響を受けないよう施設や圃場、その他環境の強化や災害そのものが少ない、受けにくい場所へ移動する

③災害を受けても営農に影響を受けない、もしくは補填できるほどの収益性を普段から持っておく、もしくは農業とは違う角度の収益モデルを持っておく。

「災害に負けない農業」という視点であれば、その定義は災害が起きても営農し続けられることが負けない農業だと思う。

ただ、災害に負けないということであれば、農業をやめることも立派な選択肢なので農業から離れること自体が決して負けではない。

ただここで話しているのは未来の話。

今営農している僕たちが今後負けない為にどうしていくべきかを考える。


結論として、僕は①②③すべて行う必要があると考える。

①の環境問題
環境の話も両極にあったり、情報は選ぶしかできないので感覚論だけど地球環境はバグってきてるとは感じてる。

じゃあそれを変えるには?
そこからは数ある情報の中から自分にできることを選び取ればいいと思う。

僕にも方向性は分かるが答えは分からない。
ひとまず今はSDGsが流行りだ。

②強化や移動

これが今のベタな流れだと思う。
ハウスの強化もそうだけど、分かりやすいのは野菜工場だろう。
電気や物流も災害で止まるからもちろんリスクはあるけど、多少の気候変動では影響を受けにくく、効率化と安定供給のレベルで見れば今後の市場はそっちに流れていくのは間違いない。

これはこれで違った意味で農家の脅威ではあるけどね。

移動というのは海外も視野に入れておこう。
こんなに国内で人口減ってて働き手も減ってる中で国内需要を取り合ってる場合じゃない。移動しなくても販路としての海外もね。

③資本力と副業
大手が農業参入するのもこういうことだと思う。ちっとやそっとじゃ負けない資本力。当初投資だけで突っ込んできた大手の野菜工場は軒並み失敗してるようだけどみんなそんな馬鹿じゃないからいいものは残っている。

これからは大手じゃなくても勢いのある法人がどんどん大きくなって、現状維持以上の動きができない農家さんは続けられなくなる。

副業は全く違うことじゃなくても、例えば加工品や飲食とかだよね。
これには場所も関係するから②も同じだけど地域分散してリスクヘッジして勝てるとこで確実に勝っていくことだよね。

すぐに勝てなくても今のうちに経験積んで5年後10年後を勝ちにいくなどの未来への投資もだね。

明日が同じ風景とは限らない。

いい加減言いたくないが、現状維持で今後10年残る農家はいない。


災害だけじゃない。

インターネット時代はまだまだ始まったばかりだと言われてるのに、スマート農業や農業に関わるAIなどのテクノロジーのレベルが現状維持であるわけない。

重ねてになるが、人口も年齢も環境もすべてが常に変わっていくのに今シーズンの農業が来年通じるとは限らない。

物流も必ず変わる。
お金の形も変わる。
労働も変わる。
生きる価値観も確実に変わる。

もうすでに動き出した人はたくさんいる。
まだ遅くない、今動くしかないんだ。


昔は何でもできて百姓と言われた。
何にでも対処できた農家だから、必ず対応できる。

「百姓という多動力」を自覚して、今動いた農家だけが20年後生き残っているはず。

変わることではなく、自覚すること

だからと言って特別なことをする必要はない。

自分にできることを自覚し、需要のある所に身を任せてもいい。
生きることが目的なら長いものに巻かれてもいい。

ただ無駄なプライドで現状にしがみつくのではなく、このままではやばいかもっていう少しの危機感が必要なんだ。

大切なのは何があっても人のせいにしないこと。

あとは農家さん一人一人の趣味やキャラクター次第でいくらでも生き残るための武器を持てるはず。

農業だけじゃないと思うけど、みんなと同じでいることに安心したリ、人が違うことをしてるのを見て不愉快なる奴からこれから淘汰されていく。


ただもし突き抜けようと思うなら、一番簡単な考え方としては農家でだれも挑戦したことのない未知の世界に挑戦すること。

絶対苦労するけどね。


農家は保守的だ、閉鎖的だと言われるけど、これだけ災害や時代の変化が起きている中でそれでも動かないとすれば、それはただの臆病者なんだ。


困難な時代だからこそ、百姓の底力を見せてやろうよ。

あってもなくてもいいような商売に負けてる場合じゃないよ。


農業を国力にしていこう。

人数が減っても一騎当千の農家になればいいんだ。

自分が一騎当千になるんだ。
そう決めるしかないんだよ。




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