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【翻訳】 ニューヨークのデザイン会社「Gretel」のインタビュー

画像・原文出典:The Design Kids "Gretel"

ニューヨークにある急成長中のデザイン会社「Gretel」。クリエイティブ・ディレクターのインタビュー記事(2018年12月)を見つけたので、自分の理解も兼ねて翻訳(スピード重視の意訳)をした。

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グレーテルはナイキ、ナショナルジオグラフィック、MoMAにネットフリックスといった著名なブランドとの協働してきた。異なる専門性を掛け合わせる彼らの仕事を評価している。クリエイティブディレクターのRyan Mooreにインタビューを行い、「良いデザイナー」の定義から、世界中で行ったインターンのこと、そして顧客のフィードバックを感情的に受け取らないことなどを伺った。

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大好きなデザイン会社はどこですか?

大好きという表現はあまり適切ではないかもしれないけど、リスペクトしているデザイン会社はある。

Atlas

- Heydays

- Manual 

- Saffron

- Spin

インターンシップについて、どうお考えですか?

シンシナティ大学でデザインプログラムを受講できたのは幸運だった。卒業までに、3ヶ月間のインターンを6社で行うというプログラムだ。国内も海外も、どこでもいいのである。色々な街や異なる会社を経験できる素晴らしいプログラムだった。デザイン会社の日々の仕事に触れられるし、自分の得意な領域や、好きではない領域を知ることができた。最も大切だったことは、様々な人に出会えたことだ。自分が目指している道ですでに活躍している人たちに、その道へファーストステップを踏み入れることを手伝ってくれた。

だから、僕はインターンシップ制度は良いと思っているし、実際にグレーテルでも2〜3人の学生を毎学期に受け入れているよ。様々な国からきていて、ストラテジー、デザインとプロジェクトマネジメントを担当してもらっている。もちろんインターンには給与をお支払いしていて、実際にクライアントワークに従事してもらっている。特定のタスクやプロジェクトだけに終始してもらうのではなく、会社全体で何が起こっているかをきちんと理解できるような体制にしている。これは大切なことだと思ってる。

素晴らしいポートフォリオとは、何だと思いますか?

自分にとって、良いデザイナーを決めるのは、構成("composition")だ。構成が良いかどうかは一瞬で分かる。心を掴まれるか、そうでないかだけだ。良い構成とは、デジタル領域、空間デザイン、モーショングラフィック、プリントといった媒体を超越するものだ。一つの領域で素晴らしい構成を残せる者は、他の領域でも同じように結果を残せる。

それ以外では、タイポグラフィー、(広義な意味の)言語、そして領域の広さが大切。タイポグラフィーがどのように扱われていて、それが何を伝達しているのか。言語は作品に焼き付けられるものだが、クリエイターがどのように書くかは、つまりどのように思考しているかと密接だ。だから、プロジェクトへのレビュー文章やEメールからですら、クリエイターの思考は分かる。このクリエイターは、プロジェクトがどんなに複雑でも、数行だけの簡潔な文章にまとめるスキルがあるのか。と。

領域の広さは、作品や技術のことでもあるが、その人の個性のことでもある。そこには、その人の視点がきちんとあるのか?この人は、自分自身へ弛まない挑戦を続けているのか、それとも同じことをただこなしているだけなのか。

今まで自身が受けたアドバイスで、印象に残っているもの?

あなたは、自分の悪いところ以上に優れることはできない。(つまり、自分の自分の最悪点以上に、高い点は取れないのである。)これは、自分のポートフォリオにも言えるし、日々の仕事にも言えることだ。常に改善が求められる... 大切なことは、できるだけ早い段階で、自分の作品への感情的な愛情を注がないこと。自分が作ったからといって愛着を持ち過ぎてはいけない。作品づくりが大変だったからといって、それをしてはいけない。逆に、クライアントが気に入っているからといって好きになってもいけない。常に、インプットと他者の意見を取り入れ続けること。そして、フィードバックを感情的に受け取らないように注意すること。特に自分のポートフォリオは、たった一つや二つの「ほぼ良い感じ」が、「素晴らしい」作品をそうではないものに思わせてしまう。

メンタリングやワークショップなどを自ら行われていますか?それは日々の実践にどのような影響をもたらしていますか?

ニューヨークにあるSchool of Visual Artsで、4年生の外学生にポートフォリオコースを教えたことがある。楽しかったよ。

誰かを教えることで、自分のプロセスやメソッドについて強制的に考えるきっかけになる。この仕事をしていると顧客へ提案するものに、ときに直感や偶然、たまたまの副産物などを伴うこともある。だからこそ、こうしたクリエイティブな仕事では、プロセスを因数分解して単純明快に設計することが大切だし、そのために何がうまく機能して、何が改善できるのかを真剣に考えることが大切なのだ。

僕にとっての学びだったことは、学生に答えを自ら探し出してもらうための仕掛けを考えることだった。とても難しい作業だった。4〜5件のプロジェクトを手がける15名の学生に対して、迅速で的確なフィードバックを常に提供し続ける。そのために十分な時間を必ず用意しなければいけない。まあ、クリエイティブディレクションそのものに近い作業だよね。

近々、大学を卒業する学生にアドバイスはありますか?

ハードワークに取って替わるものはないってことかな。特に、若いときはなおさらで、量をこなすこと以外の選択肢がないんだ。とにかく多くの人から学び、自分の好きな作品を作り続けること。自分がなぜデザインが好きなのかという初心を忘れずにね。失敗もたくさん繰り返しながら、たくさんの時間を費やそう。

「This American Life」の Ira Glass が、素晴らしい言葉を残している。よく学生にも聴いてもらったよ。今までに多くの徹夜、失敗に終わった挑戦、落第点、後悔を経験した。けれども、すべての作品は大きくなるポテンシャルを持っているのだ。そして、その気持ちを忘れずに毎回挑戦するのだ。もしうまくいかなくても、そこに学びが必ずあるのだ。古い格言だけど、「小さな役というものはない。小さな役者がいるだけだ。」ということだよね。