感覚
作業場に置いてあるお香が、
季節外れの空気感を仄めかしている
金木犀の香り。
香りは、自分の中でも
季節や記憶への刺激が大きいものだと
思っている。
だけれども、最近のそれは、
なんだか今までとは違うように感じる。
暖かくなってきて、
気温も、金木犀の香りが漂う季節と
似たような感じだとは思うのだけど、
ぎゅっと、その頃の記憶へとは
渡らせてはくれない。
だけどそれは、
悪いことではない。
例えば、
同じ20℃だとしても、
下がっていくときの温度と
上がっていくときの温度は
全く異なることだと
そう感じる。
良い意味で、五感が研ぎ澄まされてきているのかもしれない。
もっと、もっと深く、
そんな浅はかな感覚だけで、
そこに辿り着いてはいけない気がする。
きっと、
朝→昼
昼→夜
といった気温の変化でも、感じることが違うのだろう。
そして、後者の時に
それの感覚は近く訪れるのかもしれない。
もっともっと深く、
鋭くなる為には鈍感に感じてしまうことも
あるのかもしれない、
だけどそれは、
鈍感になっているのではなく、
当たり前になっているのだ。
そして、そのもっと先に、
些細なことでも、
気がつける感覚が生まれてくるのではないのだろうか。
うその感覚に惑わされないように。
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