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43話-後の祭り

私はまたやってしまった。

気を抜いていないつもりだった。

もちろんアマゾンさんを舐めてかかったなんて事はなかった。

しかし私は気負い過ぎた。

私が勝って日本で一番になると思っていた。

アマゾンさんに気を集中し過ぎて、周りが見えてなく、あの舞台に浮かれてしまったのだ。

私は痛めた腕を冷やしながら新幹線に揺られて帰った。

ボーッとしていて「あ、試合終わったんだ。」と何度も思った。

次の日には練習を再開した。

D練が月曜にはあるからだ。

すると大輔さんが更衣室に入ってきて

「何やってんだよ!」といきなり言われた。

みんなが慰めてくれた中であの人だけが何やってんだよと叱咤した。

私もそれで救われた。

たまには優しく「お疲れ様」と言われても「全然疲れてねーよ!」と心で腐ってる事もあった。

しかし、たまには叱咤してくれて救われる事もあると言う事を知った。

私はまた練習を開始した。

そしてアマゾンさんを倒す事を心に決めた。

憧れを超える強さを得る為に。

勝負とは心が勝敗に振れる時がある。

気が抜け過ぎてもダメだし、気を入れ過ぎてもダメ。

私は試合経験の少なさから、気持ちのコントロールの仕方を覚えなくてはダメだと感じた。

私は自分が完全無敵の存在ではない事を、この辺から理解し始めた。

しかし、必ずいつも努力で乗り越える事が出来ると信じていた。


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