ハーフガードの教科書

脇を差されたら死んだと思え

ハーフガードの攻防は基本接近戦なので脇の取り合いが最もキーになる。
もちろん接近戦の中で脇を差されてしまう可能性は少なからずあるのだが、ハーフガーダーである以上はそこを許してはいけない。
そもそもなぜ脇を差されてはいけないのか。
脇と言うのは上半身の重心が集まっている部位であり、そこに異物が入り込み肩を浮かされてしまうことで全重心をコントロールされてしまう。
厳密には脇を差されてしまうことが悪いのではなくて肩が上がり浮いてしまうことに問題があるのだ。
脇を差されたとしても十分に脇が閉まり力を残していたらこれは閂と言う形になり脇を差されてしまっている状況とは一線を画す。
例えばクローズガードの中から脇を差したとしても足を使い重心を押し下げることができるので差している方はコントロールしきれない。
バタフライガードも同じくだ。
しかしハーフガードにはその相手の重心を押し下げる能力はなくただただ密着線を強いてしまうので脇を差されると相手は上に体を移動させて来て脇をカチ上げてしまう。
そうなることで肩が死に、力が入らなくなり押さえ込まれてしまうのだ。

脇差から得られる特性

ハーフガードには重心を押し返す能力がない。ニーシールドであれば多少はカバーできるが足のタイトさは失われる。
ハーフガードにおいて手はとても重要なのだ。
押し返し、崩し、浮かす。
この全てを手で行うためには組手が必要になってくる。
この組手の中に技があり、ハーフガードの攻防を一体にすることができる。
なので脇の差し方一つとっても細やかな技術がありそこを怠ってはいけない。
相撲の言葉に『脇を差したら腕を返せ』と言う言葉がある。
脇を差しには小指を上にし相手の脇が閉まらないようにする技術がある。
そのハーフガードから行うものを動画にしたのでこちらを参考にしてもらえればと思う。


差し手は必ず肩から入り起き上がるのだが左右に肩を振ることによって相手を崩しながら懐に潜り込むことができる。

脇を差したら寝ろ

脇を起き上がりながら差したらそのまま突っ込んでしまうことが多々あるが実際はそれをやってしまうと効果が薄い。
脇を差した状態で相手に一番してほしい体勢はマットに手を着いてもらうことだ。
ここで分かっておきたいことはこの行動に一体どんな意味があるのか?と言うことだ。
ゴールのための通過点はしっかり把握しておかないと大事な場面でミスを犯してしまう。
相手がマットに手を着くと言うのは手を着いている間は手を無効力にすると言うことと同義語なのだ。
なので脇を差したら次にやることは、まず寝ることだ。
一番強い崩しとはマットに寝ることだ。柔術では「ぶら下がる」ともよく言う。
全体重を使い効率よく相手を崩すことができる。
手をついたら次にやることは足の組み替えだ。
ここでニーツイストと言うハーフガードの中で細分化されたガードの一つが出てくる。別名コヨーテハーフともよく言う。
これは世界的に有名なハーフガーダー「ルーカス・レイチ」が得意だったものでこの体勢は攻守ともに優れている。
起き上がったら次に起きるのはドッグファイトと呼ばれる体勢になる。
これはrスリングでは「ウィザードポジション」と言う形でスクランブルになりやすいポジションだが確実に下からより良い体勢を取っていくには避けては通れないポジションなのだ。
そしてこのポジションを制する鍵は脇差をどれだけ有効活用できるか?と言うことに尽きる。

https://youtu.be/dVSg6y_V46A

この時前から膝を触ってはいけない。動画内でも説明しているように内股の餌食になってしまうからだ。
この場合は後ろに回り込みプレッシャーをかけながら様子を見ることが基本だ。


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