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Short story

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また読みたいなと思える、お気に入りの小説を集めています。
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#ショートショート

『愛情は時々、薔薇の蔦の様に。』

愛情は時々、依存と束縛という形になる。 「自分のため」のはずなのに、「相手のため」という理由が行動する力となり、 それが失敗した時には、過度に自分を責めてしまう。 彼が、私の言葉や態度に振り回されてしまうことが分かると、 私は、彼ができるだけ安定していられるよう、言葉や態度に気を付けた。 「これでいいのだろうか‥。」と思いながらも、 彼が悲しむ姿を予想して、メッセージの最後には いつも笑顔の顔文字を付けた。 そんなことを続けていたある日、それは起こった。 彼は、仕事で

『ディスタンス―距離―』

生まれる前、私は母の中にいた。 生まれてから、父と母は私の手を握り、私たちは繋がっていた。 外の世界が、不思議で満たされていると知ると、私は両親の手を離し、外の世界へ腕を伸ばした。 それでも、二人と手を繋ぎたくて、二人を探した。 弟が生まれる前、私は祖母に預けられた。 いつも、祖母が手を繋いでいてくれた。 弟が生まれると、私の手はクレヨンを握っていることが増えた。 一人でできることが、えらいのだと知った。 小学生になると、学校に行き、習い事も始まった。 テストの点数