クライアントに価値提供するために、するべきこと。

ビジネスは社会貢献です。

社会に価値を提供するものです。

しかし、価値は相対的なものでもあります。人によって、何に価値を感じるかは違います。西條剛央先生は、「価値は、欲望・関心・目的に応じて立ち現れる」と看破しました。

ですので、クライアントに価値提供をするには、クライアントがどのような欲望を持ち、何に関心を持ち、どのような目的を持っているかを知る必要があります。

反対から言えば、クライアントの欲望・関心・目的に応じるサービス提供をしなければ、価値提供にならないということでもあります。


では、そもそもなぜ、欲望・関心・目的を持つのかについて、構造構成主義では契機(きっかけ)に基づくと主張します。何かしらのきっかけに基づいて関心を持つようになるということです。

これは当たり前のことですが、社会貢献活動を行う人が忘れがちな部分でもあります。

パワハラを受けるというきっかけがあって、「加害者に仕返しをしたい」と欲望を持ったり、「どうして私がパワハラを受けるのか?」に関心を持ったり、「転職をしたい」という目的を持ったりするのです。

契機⇒関心⇒価値という流れがあります。その流れに乗るからこそ、本当に価値あるものが提供できます。


クライアントがどのような経験をし、そのきっかけを基に、どのような欲望・関心・目的を持つのかをしっかりと知ることが大切です。それが分かることで、クライアントが望む価値が分かるようになります。

そして、契機⇒関心⇒価値の繋がりの強さも、考えてみるようにしましょう。

同じ契機(きっかけ)があったとしても、同じものに関心を持つとは限りません。私は中学2年生のときに嫌がらせを受け続けたことで(契機)、法律と心理学に関心を持ち、同時にギターにも関心を持ちました。

多くの人にとって、嫌がらせ被害経験と法律・心理学は簡単に結びつくと思います。しかし、嫌がらせを受けた経験から、音楽は簡単には結び付かないでしょう。契機⇒関心のつながりが薄いのです。

契機⇒関心のつながりが薄いというのは、当然ですが、価値へのつながりも薄いということです。具体的には、いじめ・嫌がらせ経験者に向けた音楽教室というものを作ったとしても、そこに価値を感じる人はかなり少ないということです。当然ですが「いじめ 音楽教室」というキーワードで検索する人は、かなり少ないでしょう。ですが、「自己表現 音楽」ならばある程度つながりがあります。

また、関心⇒価値のつながりの強さも大切です。嫌がらせを受けたことをきっかけに法律に関心を持つからといって、会社法に価値を感じるようになるかといえばそうではありません。関心を満たす方法として、会社法は遠いのです。

いじめを受けている子どもに向けた刑法(法律)講座なら、おそらく高い価値提供が可能でしょう。しかし、いじめを向けている子どもに向けた会社法講座では、その価値を伝えることがかなり難しくなります。

クライアントに価値を届けるためには、この契機⇒関心⇒価値のつながりは大切です。この点にも注意して、クライアントが望む価値を探し、そして本当にそれを望んでいるのかを検証するようにしましょう。





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