普段の働きかけこそが大切。

1ヶ月に1回の働きかけよりも、日々の小さなコミュニケーションの中で私たちは変わっていきます。

言い換えると、その小さなコミュニケーションの中で、私たちは他の人をポジティブな方向に変えることができます。

具体的には、うつで休職していた人が転職できるようにしたり、英語が嫌いだった子どもが英語留学に行くようにしたりすることができます。

しかし、その人を操作しようとしても、こうはうまく行きません。その人が望む方向へと後押しするからこそ、スムーズに進むのです。

ただ、日々の働きかけは小さいものです。働きかける回数は多くても、その1つ1つの効果は小さくなってしまいます。

だからこそ、働きかけは効果的に行う必要があります。

そのための基本方針は2つあります。

1 自己概念(セルフイメージ)に働きかけること。

2 自然な働きかけをすること(不自然さを減らすこと)。


自己概念に働きかけるというのは、その相手が持っている「自分らしさ」に働きかけるということです。その人の信念、思考法、行動、環境に働きかけをするのではなくて、自己イメージに働きかけを行っていきます。

もっと簡単に言えば「私は生きている価値がある」「私ならできる」と思ってもらえるように働きかけます。”跳び箱を練習して、できるようになったからすごい”ではなくて、”すごい私が練習したら、やっぱり跳び箱ができるようになった”と思ってもらえるように働きかけをするのです。

しかし、その働きかけ方が不自然であれば、当然に抵抗をします。「あなたには生きている価値があるよ」といきなり言われたら、「えっ?」となるでしょう。そのような不自然な働きかけは意識に上るので、反論もしやすくなります。「生きている価値がないって思っていたの?」と思われる可能性があるのです。

そのような反論を生まないようにするには、自然な働きかけをすることが大切です。それはちょっとした言葉遣いであったり、表情であったり、身振り手振りであったりします。意識に上げさせないようにすることが大切なので、一気に同時に行うのが一番です。

言葉で、表情で、声のトーン・リズム・スピード、身体の向き、ジェスチャーなどをフル活用することで、短期間で強く働きかけをします。そうすることで、相手の意識の反発を受けることなく、ストンとポジティブな働きかけを落とし込めるのです。

相手に意識させないように自然に一気に働きかけをすることで、相手をポジティブな方向に後押しすることは可能です。

こういうことができる人が少し増えるだけでも、社会は変わっていくでしょう。そして、これは練習すれば誰でもできることです。

普段の働きかけこそが大切で、そういう働きかけをできる人が増えれば増えるほど、社会はよくなると信じています。






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