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「FORTUNE TOWN 」 〜楽曲制作話〜

アマネトリル New Single「FORTUNE TOWN feat.WODDYFUNK」が本日2021年11月19日(金)配信リリースされました。

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今回は2ヶ月連続のシングルリリースということで、12月3日にはミディアムバラード曲「Winter Cross」のリリースを控えております。

ラジオ各局では先行してOn Airして頂いたり、応援してくださる皆様には本当にありがたく思っています。

ずばり今回の2曲はウィンターソングであり、クリスマス/ホリデーソングです。

この2年間でのアマネトリルは主にサマーブリーズな楽曲を中心に制作しており、ジャケットビジュアルからもそういったイメージを持たれてきた方もきっと多いかと思います。

思えば、僕らのような音楽における「夏」は特にイメージしやすく、サウンドメイクにおいても、語弊を恐れずいえば「描きやすい」というのも確かです。
そこには元来のシティポップ観も当然強く影響しているとは思います。(シティポップとはなにか?みたいな原論はさておき)

1) プリプロ

そんな中、2021年の夏から今回の2曲の制作が始まりました。

楽曲会議の中でアマネスタッフ陣からまず放たれた言葉は「冬に踊れるパーティーソング」を作ってみては?という提案でした。

僕は随分と安直だな〜と疑心しつつでしたが(笑)
確かに今のアマネトリルのセットリストには補えきれていない一部分でもありました。

コロナ以前にビルボード東京に観に行った「アル・マッケイオールスターズ」の公演をふと思い出しました。その後ディスコで肩幅広めのジャケットを羽織って不確かなステップを刻んでるYujinがいた事もあったし、Gibson ES-335も手に入れてたことだし(?)

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よし、パーティーチューン、やろう。と。
「地球、風、そして炎」でいこう。と。

大枠のイメージが固まったところでプリプロが始まりました。Yujinが土台となるデモ「Groovin Night(仮)」を打ち込んでいたので、原曲となる型はわりとスムーズに進み、その後メロディと歌詞もデモの段階でほぼほぼ出来上がりました。

そのあたりから今回も登場してもらったのがこの男、キーボーディストの井上薫氏です。前シングル「LADY PINK PANTHER / 夕凪フィルム」で共同プロデューサーとしてアレンジからレコーディング、マスタリングまで参加してもらい、今回も引き続き彼の参加を依頼しました。現在ライブにおいてはバンドマスターも担ってもらっています。

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読んで字のごとく、アレンジを投げっぱなしで任せるアレンジャーという立ち位置ではなく、共同プロデューサーは最初から最後まで基本的には同じ船に乗るので、かなりの時間を今回も共に過ごしました。

3人のプリプロが始まってからの大きな議題としては、

・生ドラムにするか打ち込みドラムにするか。
・当時へのサウンドリスペクトと現代ポップスの境界線をどう引くか。

この2点は作業中にわりと深く話し合いました。
どちらかというと僕は生ドラムが元来の好みで、打ち込みリズム系の音楽はあまり通ってこなかったので、人力グルーヴである生ドラムに票を入れていました。

共同プロデューサーがいなければ、当然本人たちだけの意見でやりたいようにやっていたと思います。

正解/不正解を決めるのではなく、新しいアイディアと音楽的挑戦も含めたサジェスチョンをしてくれた薫氏には感謝しています。

基本的に狂いのない(リズムが揺れない)打ち込みドラムに対して、生演奏と歌でいかに揺らぐか(グルーヴを出すか)に挑戦しようという結果に至りました。

今回のドラムは「リン・ドラム」という80年代前半に作られたリズムマシンのサンプル音源を使って薫氏がプログラミングしてくれました。そこから更に金物系に対して艶っぽさを加えるか吟味したり・・ベーシックのアイディアを固めながら作業を進めました。

2) WODDYFUNK

そしてなんといっても今回のフィーチャリングでもある「WODDYFUNK」さんのトークボックスが登場するわけです。

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WODDYさんの存在と活躍は3年ほど前から目にしていて、確かレコードストアデイの冊子では作品紹介が隣同士になったこともあったような(笑)

そんな中今僕らがとてもお世話になっている音楽に精通するラジオ業界のディレクターの方が、以前僕にメッセージをくれた事があって、

「思いつきだけど、アマネトリルの音楽にWODDYさんのトークボックスがコラボしたら新しいサウンドが出来るかも!」という内容でした。面白いアイディアだな〜と思いながらも、その時実現できそうな曲がなかったので、そのまま月日が経っていたのです。

この曲の最初のデモ段階で、WODDYさんに参加してもらう曲、これだ。と直感しました。

早速連絡をしてWODDYさんにコンタクトして頂き、快く今回のフィーチャリングを引き受けて頂けました。

トークボックス(トーキング・モジュレーター)のレコーディング風景は、近日YouTubeに公開予定のメイキング映像をお楽しみにして頂きたいのですが、僕たち自身も初めてのトークボックスのサウンドを楽曲に取り入れるという挑戦と、WODDYさんからのフレーズアイディア、そしてなによりそのプレイにおける摩訶不思議な表現力は、アマネトリルに新たな風を吹かせてくれました。

バックグラウンドありきのポップなサウンドの背景に、ファンク、ソウル、R&Bの色を持ったWODDYFUNKというジャンルと見事なコラボレーションを果たせたと思います。これこそ音楽実験であり、アマネトリルにおける「懐かしくも新しい」の表現箇所になり得るワンシーンです。

3) バンドレコーディング

トークボックスのレコーディングを終えて、ピアノ、ベース、ホーンセクションを生に差し替えるレコーディングです。僕はいつもこの瞬間がとても楽しいのです。興奮と不安が入り乱れる時間だからです。生に差し替える事がすべてとは言えなくなった昨今のシーンで、ミュージシャンたちがプレイしてくれる意味の尊さと、儚くもデモで作り込みすぎるが故の、「デモ超えを出来ない結果」もありえるというリスク。その先で現場の皆で作り上げているという団体競技のような高揚感。

プラグインやサンプル音源のクオリティが抜群にあがってきている中、作者として人にこだわりたくなる理由、それは綺麗事なしに「気」だと思います。

以前プロデューサーの故 佐久間正英氏がとあるレコーディングのドキュメントで仰っていた言葉の中に

「人間(ミュージシャン)はとてつもないスピードで音に対して反応して瞬時に演奏に反映させている」

というものがありました。

これこそ機械演奏で再現できない気の部分の一つでもあるように思えます。

まさに今回そのマジックを起こしてくれたミュージシャンの皆に心から感謝です。

林あぐり(Bass)、井上薫(Piano)、吉澤達彦(Trumpet)、庵原良司(Saxophone)、高井天音(Trombone)

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ホーンセクションの皆さまとはこの日がはじめまして。トロンボーンの高井天音(あまね)氏には一方的にですが運命を感じざるを得ないです。笑

4) ギター、ボーカルレコーディング

アマネトリル二人のギターとボーカルは、今回は事務所のスタジオでレコーディングしました。それなりに制限なく担保された時間の中でのレコーディングというのは、良くも悪しくも、渦を巻きます。笑

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こちらもレコーディング時の様子はメイキング映像にて公開中。

エンジニアの兼重哲哉氏は、昨年の「CRUISER POP」のミックスからのお付き合いです。録りの時はエンジニア観点からのアイディアを大事な局面でマウンドに歩み寄るキャッチャーのようにトークバックしてくれるので、安心して音を投げる感覚でブースに入れるのです。

“気合いと喜哀のクロスロード”をお楽しみに。

5) アートワーク

冒頭の画像にも貼ってある今回のアートワークは、前作に引き続きイラストレーターの、さくらいはじめ氏。

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ポップでありながらも唯一無二のタッチ感と、どこか奥ゆかしい表情のイラストレーション。今回は冬うたという事もあり、赤いコートを羽織ったあの女性、勘の鋭い方でしたらモデルとなる人物を想像できるかも!?ですね。

背景の配色は数パターンの候補を頂いていたのですが、今回は相当悩みました。デジタル配信のみのアートワークはさくらいさん自身初めての試みだったようですが、インパクトあるカラーリングと人物の象徴が、華やかさとガッツの共存にも見えてとても気に入っています。

6) 笑う門には福きたる

ここではっぴいえんどのレコーディングの話をひとつ。解散が決まっていた中で録音された3枚目のアルバム「HAPPY END」でエンジニアのウェインデイリー氏は、どんより下を向いてスタジオ入りして何も喋らないメンバーに対して

「とにかく笑え!笑わないと俺は降りる!」

と怒号をあげ、そこからスタジオの雰囲気は良くなり、メンバーの表情もほぐれていったそうです。

FORTUNE COMES IN BY MERRY GATE(笑う門には福きたる)

笑いの魔法は、どんな時にでも必須アイテム。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

アマネトリル Masahiro (2021.11.19)

7) 歌詞、クレジット

「FORTUNE TOWN」feat. WODDYFUNK
詞/曲:アマネトリル 編曲:アマネトリル、井上薫

色めく街の風が頬をかすめ       (It’ll be your day)
足早に映し出すショーウィンドウ (Walkin’ in the light)
君との約束も流れてしまって   (Meant to be this way)
閉ざされた静寂に I surrender  (It’ll be alright)

招き猫は右手おろして ユニークな口ぶり
Fortune comes in by merry gate!

Hit me up tonight 
今夜夢のような魔法にのって
Sing and dance all night  
So you’re the one 空風舞う夜に

ポケットに忍ばせた騒めきさえ    (With a little smile)
浮き雲の果てまで Take me over  (It’ll be just fine)

冬のベルに肩を寄せて いたいけな横顔
Christmas time will be here again!

Silent holy night
君は夢のように淡く光って
Precious times are here 
So you’re the one 不器用なこの愛で

いつでも笑みを そばには君を 許せる愛を
Fortune comes in by merry gate!

Hit me up tonight 
今夜夢のような魔法にのって
Sing and dance all night 
So you’re the one 空風舞う夜に

Silent holy night
君は夢のように淡く光って
Make my world turn bright 
So you’re the one 街の灯はとけだした


「FORTUNE TOWN feat. WODDYFUNK」 MUSIC & LYRICS WRITTEN by アマネトリル

Masahiro:VOCAL, ACOUSTIC GUITAR, 12st ACOUSTIC GUITAR, CHORUS & SLEIGH BELLS
Yujin:VOCAL, ELECTRIC GUITAR & CHORUS
WODDYFUNK:TALK BOX
井上 薫:KEYBOARDS, PROGRAMMING, SHAKER & CHORUS
林 あぐり:ELECTRIC BASS
吉澤 達彦:TRUMPET
庵原 良司:SAXOPHONE
高井 天音:TROMBONE

PRODUCED by アマネトリル & 井上薫
HORN SECTION ARRANGED by 井上薫
RECORDED, MIXED & MASTERED by 兼重哲哉
ASSISTED by 藤井邑親
RECORDED at Studio FINE, AMC Studio

ART DIRECTION & DESIGN:さくらいはじめ


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