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【感想】ABEMA『有田哲平の引退TV』#1

2022年の11/24(木)の昼に突如飛び込んできたニュース。

スキャンダルに対する釈明会見とかなら事前告知した上でABEMA独占配信というのは妙な話なので恐らく新番組だろうとは予想できた。

予定通り20時から“緊急記者会見”がスタート。

明日から!?アンジャッシュ渡部!?

この「極めて近い将来、引退します」というフレーズはかつてプロレスラーの高田延彦が放った発言のパロディなのだが、それが吹っ飛んでしまう衝撃w

'95年当時、UWFインターナショナルは財政難に陥り、新日本プロレスとの“禁断の対抗戦”を模索。また、エースの高田は6.18両国大会で「きわめて近い将来、引退します!」と発言するなど、混乱期にあった。
https://number.bunshun.jp/articles/-/841548?page=2

さらに総合演出・プロデュースを『全力!脱力タイムズ』で有田と組んでいる名城ラリータが担当することも判明。

フリーランスではなくフジテレビの局員だったと記憶しているが、競合他社と思われるABEMAの仕事どうやって受けたんだろ?

この「引退」というテーマも大のプロレス好きとして知られる有田らしい。

お笑いファンの間でも有名なのは『テベ・コンヒーロ』のコウメ太夫で笑ったら即芸人引退SPの元ネタとなったこれかな。

偶然か必然か有田も自身のYouTubeチャンネルでこの興行が発端となったZERO-ONE旗揚げ戦について語っていた。

ただ、自分がそれ以上に感嘆したのは発表の仕方。

実は(別にシークレット案件じゃないけど)アンジャッシュ渡部がABEMAに出演するという情報は既に周知の事実だった。
ただし、それは11/27(日)放送予定の千鳥MCの番組『チャンスの時間』2時間SPにて。

発表されたのは11/6(日)放送回のラスト。
その放送が目前に迫ってきた状況で突如発表してそのまま先手を打って放送してしまう(もちろん両方ともABEMAの番組なので一方的なゲリラ作戦ではなく裏で話はついてるとは思うが)
プロレスの興行的というか、脱力タイムズのアンタッチャブル電撃復活回然り視聴者へのサプライズを重要視してきた有田らしい仕掛け。

9月に出版された著書の中でもサプライズの重要性に繰り返し言及している。

そういえばTKO木下の復帰にも『チャンスの時間』と『全力!脱力タイムズ』が関わっていた。
千鳥も有田も優しい。

正確な記録が手元に残っていないのだが、木下個人のYouTubeは別として『チャンスの時間』がメディア復帰で『脱力タイムズ』が地上波テレビ復帰かな?
有田&ラリータのタッグが今回はリベンジなんて見方を思わずしたくなる。
(繰り返すがABEMA内で事前調整はついてるはずなので以下略)

さて、そんな奇襲の翌日に早速配信された初回。

何も聞かされずに(打ち合わせも30秒で終了w)呼び出された渡部に開口一番「一緒に引退しませんか?」と切り出す有田w

「極めて近い将来引退する」有田はもちろんこの番組だけの設定なわけで、モキュメンタリーのような立ち上がり。
この辺りは構成に竹村武司が入っている影響か。
それでも真剣な様子で「もちろん活動自粛期間中に引退も考えたが、何をやってもマスコミに追われる生活を今後ずっと送るのかと考えると生き恥を晒してでも復帰しようと思った」とシュートに話す渡部。

有田「でももう復帰したじゃない?一応みんなに迷惑かけないように1回出たから、もういいんじゃないの?」www
渡部「僕の話聞いてました?」w
フワちゃん「この話聞いて!?」

「だってさっきのロジックだと復帰したならもう取材は来ないはずでは?」と理詰めで追い込む有田。

渡部「白黒アンジャッシュに失礼ですけど何か復帰した感じがまだ無いんですよ」www

猪木アリ戦のごとくブレずに徹底的に一点を狙い続ける有田と引退の明言はさすがに避けながらも応戦する渡部。
真剣に本音で喋りながらもショーとして盛り上げていく極上のプロレス。

ここから話題は千歳烏山にみんなで住んでいた若手時代の青春エピソードに。

有田「あの事件が起きた当時、正直毎日ワイドショーも凄かったのよ。国民全員がアンジャッシュの渡部を憎らしいと思ったかもしれないけど、それが俺もうカッコいいと思ったよ。そこまで行ったかぁって。あの烏山のワンルームマンションでガチャガチャやってた渡部が」
渡部「そうですね。本当に28年前は街は普通に歩けましたしね」
有田「まぁ逆に言えばやり尽くしたんじゃないの?」www

ほぼ同じ尺(35〜36分)で東野と対談したYahoo! JAPANのYouTube番組『RED Chair』と見比べるのと色々面白い。

全方位から技を狙えるオールラウンダーの面目躍如、自由自在・縦横無尽に回していく東野に対して引退というフックを軸にして試合を組み立てていく有田。
渡部との距離感が微妙に異なっているのも興味深かった。

そういえば“緊急記者会見”の前日に配信された『THE SIGN PODCAST』の最新回『お笑い地政学 〜氷と炎の歌〜』

  • ベンチャー起業家タイプの芸人

  • 芸人の中でのテレビの位置付けの変化

  • 天下を獲れなくても成功者になれる現状

  • 本音トーク番組(本音ビジネス)の面白さと危うさ

このポッドキャストでは有田の具体的な話にはならなかったけど、奇しくもこの辺りの要素を全て持ち合わせた芸人・番組だったように思う。

来週の後編も、そしてその間に挟まれる『チャンスの時間』2時間SPも楽しみ。

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