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【感想】THE W 2022

女性芸人について前回書いたのは7月のことだったか。

月日が経つのは早い。
上の記事で書いたことを踏まえつつ(?)THE W 2022を観て感じたことを書こうと思う。

審査員と大会サポーター

やっぱりこれは思いますよね…
自分は性別は男性ですし、いわゆる「男性的な笑い」が大好きですが、この大会に限っては「男性的な笑いのルールに基づいて女性芸人No.1を決める」になっちゃうのは微妙。
むしろ男性視聴者が「何か普段見てきたお笑いと違ったな」と感じるぐらいがちょうどいいんじゃないかなと。
(男性・女性のステレオタイプの括りが大きすぎるというのはありますが、そもそも男性芸人・女性芸人という問いの立て方からして必然的にそうなってしまうのでご容赦を)

そういう意味で審査員の中に女性が友近だけというのはどうなんだろうか。
去年の顔ぶれから久本雅美とハイヒール・リンゴが去り、男性2人を補充。
純減はうーん…
(リンゴ姉さんは勇退ではなくて今年6月に旦那さんが急逝されたばかりという事情もあるのかも)
とはいえ「じゃあ誰か適任いますか?」と聞かれると確かに難しい…
しかも仮に候補がいたとして、叩かれるリスクがやたら高いことが不可避な仕事を引き受けてくれるのかという。

ちなみに新たに審査員となったのはドランクドラゴン塚地とマヂカルラブリー野田。
実は塚地というカードは案外悪くないと思っていて、長らく「なぜか女性が上から目線でアリとか大丈夫とか言ってくる」というモテないキャラで来ているので「男性が女性を審査する」という構図に見えづらい(塚地自身が緩和効果を持っている)

逆に野田クリスタルは男の笑いを突き進んでいるような人なので(村上ガールズという謎の女性集団を結成している相方に比べれば非常に真面目な性格なのですがw)少し心配していたのだが、序盤で「野田の1票で勝敗が決まる」風の演出を食らったことで“禊”になった感じw
(念のため書くと野田はもちろん何も悪いことはしていなくて、初審査の序盤でいきなり大変な目に遭ったことで見る側の視点が幾分優しくなったという意味です。審査コメントも丁寧だったと思いますし)

あと大会サポーターは鬼越トマホーク、ニューヨーク、さらば森田って審査員以上に男の笑い感がエグかったw
個々の芸人は自分も大好きですが、この大会のサポーターとしてもどうなんだ?w
あそこは坂道グループのメンバーとか呼べなかったんだろうか?
(もちろん「とりあえず女の子入れときゃいいんでしょ?」的な発想で見た目上の女性人数を増やしても本質的ではないのですが、とはいえその上辺の取り繕いすらも出来てなくて男性で固めちゃアレだろうと)

このミニコントは面白かったですw

審査方式とスコア7-0連発の件

THE W独特の審査方式である勝ち抜け。
この方法の問題点というか難しいところは「敗退した方に入れていた人が基準を組み直さなければいけない」ということ。
例えばAとBの対決で勝ち抜いたのはAだけど自身はBに投票していた場合、次のAとCの対決ではBのことは忘れた上でさっきBより下と判断したAとCを比べなければいけない。
ただ、今年は例年以上に7-0連発だったので最初の対決でTEAM BANANAに入れた3名にしかこの問題は起きなかった。

ちなみに毎年なぜか少数派になっているアンガールズ田中(MBSラジオの『アッパレやってまーす!』ではそんな田中をイジって「みんなは◯◯だけど田中の蝶だけ△△でした」というメールを募集するコーナーまであるw)は今年もしっかりTEAM BANANAとAマッソに入れていて思わず笑ってしまったw

この7-0連発は審査コメントにも影響。
そもそもTHE Wに限らず過去の賞レースで数多くの審査員が炎上してきた審査コメントだが、自分は特にこの大会は男性が女性を講評するというのがマンスプレイニング構図っぽく見えないか心配していた。
(もちろん当人にそういう意図が無かったとしても)
ただ、それも7-0になると必然的に敗者をフォローするコメントが中心になって良くも悪くも平和。

中には「もっと上沼さんみたいな人がほしい」と、M-1グランプリの審査で「嫌い」と辛らつに批判した上沼恵美子のような存在を求める声もあった。

こたつ記事にツッコむのも野暮だが、別に「嫌い」は辛口審査ではないだろうw

ちなみに麒麟・川島は意識的か無意識か要所でボケを挟んでいたような?

ヨネダ2000が2番手で最悪でした。
タメ口は周りが我慢してるだけっていうのを森泉さんに見てほしい。

何かしらの危機察知能力が働いたのか単に番組を盛り上げようとしただけかw
逆にアンガールズ田中とドランクドラゴン塚地は言葉を重ねながら何とか伝わるように説明している様子だった。

M-1決勝とのスケジューリング

THE W決勝の翌週に予定されているのが名実ともに日本一のお笑い賞レースであるM-1グランプリ決勝。
そうなると、審査員の立場で考えると漫才でこの大会を勝たせるの難しいよなぁ。
「THE Wで優勝したあの漫才師ってM-1は準決勝にも進出してないんだって」となると大会の格にも響くし。
漫才師は損な役回りな気がする。

まさに今年の決勝に残っていたヨネダ2000は来週のM-1決勝にも残っている。
披露したネタはコント2本で漫才は“温存”

これはあくまで「妄想」で、本当に実現した場合は何かグロテスクで残酷なものが露呈する可能性もあるので結果はこれで良かったのだと思う。
THE WとM-1の両方の決勝に残るコンビがいるのは確率的には惑星直列みたいなもので次回がいつになるのかは分からないが…

と昨晩はそう思って寝たのだが、翌日こんなニュースが飛び込んできた。

審査員・山田邦子はTHE Wが使えないカードである。

恐らくは不幸な連絡の行き違いがあったのでしょうが、この経緯を踏まえるとTHE Wの審査員に山田邦子はあり得ないと考えられる。

順当に考えれば女性漫才師の代表格であるハイヒール・やすともに断られたのかなぁと思うわけですが(さすがにM-1の会議で名前が挙がらなかったはずはないだろう)そこでTHE Wが使えないカードを切ってくるのは興味深い。
まぁ審査員適性とは全く別の観点だが。

ただ、そうなるとヨネダ2000がTHE W現役王者としてM-1決勝に乗り込んできて山田邦子に審査されるという更なる惑星直列を見てみたかったという気はしてしまう。
それが実現したとしてどう転ぶかは知りませんけどねw

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