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【感想】ソウドリ解体新笑〜くりぃむシリーズ誕生秘話と今〜

『ソウドリ』の特別編として定期的に放送されている『解体新笑』
ノブコブ徳井がインタビュアーのような立ち位置でくりぃむ有田から深いお笑いの話を引き出すという企画。
(本当は各シーズンの振り返りをするのが趣旨らしいけどw)

最新回は色々な意味でホットなくりぃむシリーズに関する話。

くりぃむしちゅーにとって初の冠番組。
深夜でヒットし、テレ朝の戦略に乗る形で他の番組と同様にゴールデン進出。
ただ、当時の裏番組が…

有田「ただ!水曜7時です、その当時。何ですか?」
徳井「え、何だったんですか?」
有田「お化け番組『ヘキサゴン』よ」

あの頃のヘキサゴンwww
実はヘキサゴンもまた深夜からゴールデンに上がって番組内容を完全リニューアルしてあの地位に到達したという文脈も面白い。
(だから正式名は『クイズ!ヘキサゴンII』)
「〇〇さんにヘキサゴン!」って台詞を知らない人も今となっては多いかもしれないですね。

似た話では9/2(金)放送の『集まれ!内村と〇〇の会』でこんな会話が。

ロバート秋山「Qさま!!以来ですよね、この3人は」
南キャン山里「そうです、そうです」
秋山「各々会ってますけど3人で何かするってなったら」
山里「初ですよ多分」
ザキヤマ「20年ぶりぐらい?」
山里「そうです」
秋山「ホントっすね」
ザキヤマ「正直言うと今のQさま!!の番組を見てる人はなんでこの3人が出てたんだ?と思うだろうけどね。そんなに頭良かったっけみたいな」w
秋山「ハードなロケしてる時ね」w
https://tver.jp/lp/episodes/epyhcqo7sh

果敢に挑むも視聴率競争には敗北し、ゴールデン進出からたった半年後の2008年9月に番組はあっけなく終了。
番組終了後に藤井P(TBSの藤井健太郎ではなく、有吉に「その年齢でカンペ出してるのは佐久間と藤井と加地だけ」と言わせたテレ朝の藤井智久)と食事に行くと「まずは番組を当てる。そしてくりぃむシリーズを復活させる」と宣言。

そうして息つく間もなく2008年10月に始まったのが『シルシルミシル』
宣言通り見事ヒット番組となり、藤井Pが新番組を勝ち取ってきて2011年10月に始まったのが『ソフトくりぃむ』
今の『くりぃむナンタラ』に続く歴史の始まり。
(厳密には『くりぃむナンチャラ』終了時に一度チームは解散)

藤井Pは「これで俺の仕事は終わった」と番組からは勇退。
アツすぎる…!

徳井「よく涙目にならず喋れますね」w
有田「ほんとテレ朝さんには感謝しかない」
徳井「TBSで言うのもなんだけど(笑)」
有田「どこで言ってんだ(笑)」w

このツイート書いた当時はこんな熱いドラマがあったなんて知らなかったw

そこから徳井が極楽とんぼ加藤の発言を引用する形で「番組を続けるという絶対的正義」の話題へ。
やはり『くりぃむナンタラ』の現状と結び付けて受け取った人は多いだろう。
自分も先週書いたnote記事の答え合わせのような感覚で聴いていた。

とはいえ有田の発言に特に真新しい内容はない。
至極真っ当な一般常識ですしね。

ただ、あの話はあくまで産業の目線であり文化の目線ではないという点は留意しておく必要があるでしょう。
共感は出来ても同感は出来ないという視聴者の反応もまた至極真っ当です。
視聴者が興味あるのは産業ではなくて文化=番組の面白さなのですから。
(もちろんそれを盾にファンダムが加熱・暴走すると害悪に堕ちます)

ただ(本日2回目)この問題がややこしいのは現代において文化と産業を完全に切り離して考えるのはほぼ不可能ということです。
映画や海外ドラマ、音楽が好きな方は配信サービス(ストリーミング)による文字通り産業革命でコンテンツの中身や体験が揺らぐのをここ数年で目の当たりにしているでしょう。
映画はイベント的な需要のある作品に観客が集中し、音楽はサビが冒頭に来たり曲が短くなったりという形でコンテンツの変容まで起きています。

また、テレビが凋落していてインターネットが理想郷かというと結局アルゴリズムに支配された産業構造が既に完成されつつあるのであまり大差ないというのが自分の感覚です。
(それがWeb3で解決するみたいな言説もたまに目にしますが、それについても眉唾というか懐疑的ですね自分は)

僕はこういう文化と産業みたいな話題も好きなのですが、やはり視聴者としては産業構造に最適化するだけでなくいつかそれを引き裂くような形で現れる斬新で面白い番組に出会う日を楽しみに毎日テレビを見ている気がします。

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