見出し画像

選挙から学ぶ「人に伝える」ということ

選挙が終わり、躍進した党の戦略などの解説を見ていると、時代に合わせた伝え方をしているなと感じた。

演説として、有名なものの一つにヒトラーが挙げられたりするが、その演説に関する分析を読むと、主張の繰り返しと対比論調を入れるという、演説全体の構成への配慮を感じられる。

高田氏の詳細な分析によると、この演説約11,000語中の語彙の頻度は、「ユダヤ人」78回・「民族・国民」63回・「労働」54回・「人種」43回である。仮定を示す接続詞「もし~ならば」は85回、焦点を絞る副詞「~だけ」は68回、対比を表す接続詞「しかし」は48回も登場する。この分析を眺めるだけでも、ヒトラーが自分の主張を仮定し、敵対する主張と対比させながら、うまく結論を誘導していく論法が目に浮かぶ。
引用:なぜ人々はヒトラーの演説に熱狂したのか?

また、演説で有名な田中角栄氏も、演説全体に緩急をつけるなどして、主張を伝えようとしていた。

では、今回の選挙で躍進した党の演説は、何が違っていたかというと、「切り取り」がされる前提であることと、サウンドバイトをしっかり盛り込んだということだ。
あと、◯◯だよね、皆さんという呼びかけを多用し、自分ごと化しているのも特徴的だ。

コミュケーションが変わり、接する媒体が変わると伝わり方が変わる。色々な実験をする中で、最適化する形を選び、テクノロジーのアルゴリズムを応用する。ひろゆき切り抜きが増殖し、世論に一定の影響力を持ったように、どのようにマインドシェアが広がるか、をすごくすごく研究していることがわかる。

時代とメディアが変わることと、「人へ伝える」ということが全く違う形になると今回の選挙で学んだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?