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学校と病院にはなぜ気の利いたBGMが少ないのか?

※この記事はVoicy「音ってすごいね。」の台本です。本編に興味のある方は、下記のラジオをご試聴下さい。
>>音ってすごいね。

■テーマ
学校と病院にはなぜ気の利いたBGMが少ないのか?

■背景のツイート①
学校空間と医療空間にはBGMがないか、あっても質の悪い音源が垂れ流されているのには、理由があります。両空間ともに著作権使用料が一時的に免除(実質永続利用を許している)からです。だから、クリエイターとしては魅力がなく、使用料が入る商業空間の音楽をつくりたがるのです。
https://twitter.com/masafumikomatsu/status/1429338749691863043?s=20
■背景のツイート②
学校空間と医療空間にこそ、質の高いBGM(環境音楽)が必要です。学校は生徒の感性を磨く大切な空間。病院は患者の不安と緊張感に向き合うシビアな空間。それぞれの場所に見合った音環境を積極的に創出することが求められるのです。
https://twitter.com/masafumikomatsu/status/1429347598159126533?s=20

■そもそも学校と病院にBGMは必要なの?
・場にそぐわないBGMはないほうがマシ
・教育現場での音楽使用はシビアな判断
・病院は独自にBGMを選ぶことが多い

■学校と病院で使われるBGMの質の悪い要因は?
・既存のBGM配信会社のコンテンツを利用
・そもそも、学校と病院に限定しての音源は少ない
・日本音楽著作権協会が当分使用料免除を配慮している

■使用料規定上、当分の間使用料免除となる利用
(1)福祉施設での利用
(2)医療施設(医療法・介護保険法に基づく施設)での利用
(3)教育機関での利用
(4)事務所、工場等での主として従業員のみを対象とした利用
(5)露店等での短時間で軽微な利用
  (出典:日本音楽著作権協会HP

✓その結果、どうなるのか?
・クリエイターに実質楽曲使用料が入らない
・結果、学校や病院に向けたBGMをつくる意欲が減る
・学校や病院にマッチしづらいBGMが多用される(←イマココ)

そこで、小松が実際に手がけた事例を2つ紹介

■耳原総合病院(大阪府堺市)
・ホスピタルアート活動の一環として依頼
・現場を観察し、医療空間にマッチしたBGMを制作
・スタッフと患者さんの緊張感と不安を緩和する楽曲
(提供楽曲『いのちのそばに』)

■菊の花幼稚園(京都市左京区)
・園舎で背景として流れる楽曲制作を依頼
・自然豊かな環境にマッチした楽曲
・先生と園児の行動が変化(アンケート調査で明らかに)
(提供楽曲『生き抜くチカラ

■BGMの限界を打破する質の高い音源を増やそう
・手つかずの領域
・他のクリエイターと差異化
・現場の声と音を聴き、新しく提案する姿勢が重要

✓ということで、まとめ
・既存の枠に縛られないこと
・人が求める需要から一歩先の見通しを立てること
・じぶんの感性が「動く」瞬間を見逃さないこと
 →その瞬間に、多くの知恵とヒントが隠されている!

※この記事はVoicy「音ってすごいね。」の台本です。本編に興味のある方は、下記のラジオをご試聴下さい。
>>音ってすごいね。


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