見出し画像

ソーシャルクラブを目指して⑥~⑨

2020年5月15日から7月8日にSports for Social(旧 Trinita for Social)に掲載したいただいた「ソーシャルクラブを目指して」が現在、サイト移行のため、すべて消えてしまっています。

明日のclubhouse参加者の皆さんにはこの記事を読んでもらいたいので(事前、事後)、急遽、noteにも掲載しようと思います。

画像1

ソーシャルクラブを目指して⑥

2018年度から、試合が少ないU-9の子供たちを対象としたジェイリースカップを開催。
大会の目的は、以下のとおりです。
“参加した子供たちがスポーツ(サッカー)を楽しみ、喜びを得るとともに、大会を通じて、子供たちやチーム関係者等が交流を図り、親睦を深めること”
また、大会要項には、“大会の趣旨を踏まえ、できるだけ全選手の出場機会確保にご配慮ください”との一文を入れています。

私は、長い間、高校でバレーボールの指導をしましたが、残念なことに、バレー経験者を部活に誘っても、「もうバレーはやりたくない」という生徒がたくさんいました。そんな経験から、小さい頃は、勝つことへのプレッシャーを与えすぎることなく、子供たちの成長に応じた活躍の場所を確保するなど、スポーツ好きな子供たちを育てて欲しいと思っています。

話は戻って、
現在、私たちが主催で行っているイベント等は、このジェイリースカップのみ。
2019年度は、SDGsを盛り込みたいと思い、大会趣旨に次の一文を追加しました。
“また、大会を通じて、SDGs(持続可能な開発目標)を知り、地域全体でSDGsを考えるきっかけづくりとする。”

参加チームには、事前に、SDGsを推進するためにチームで取り組むことを決めてもらいました。SDGsの勉強をしてもらい、チームで取り組むことを決めるのは、指導者の負担になるのではないかとの意見もでましたが、SDGsを知ることは、この大会のためだけのことではないので、無理を承知でお願いしました。

参加チームのブログ等にもSDGsのことを書いていただきました。感謝!
大分トリニータサッカースクールブログ


由布川SSS準公式ブログ


当日、会場には、SDGsのアイコンやジェイリースFCの選手メッセージを入れた掲示物を掲出しました。そこの場所はとってもカラフル!
(実際、掲出してみると、グラウンド外で試合を観る人たちの邪魔になるという問題点が生じ、残念ながら片隅に掲出…)

開会式では、チームで決めたことを代表の選手に発表してもらいました。
子供たちの発表動画
https://www.facebook.com/jleasefc/videos/774866979601019/

また、会場内では、ペットボトルのキャップ回収、みんなの表彰台プロジェクトの対象製品を回収するとともに、いただいた参加費は、全額セーブ・ザ・チルドレンに寄付しました。

みんなの表彰台プロジェクト

市政記者クラブに取材依頼を出しましたが、取材に来てくれたメディアは1社のみ(それもアンプティサッカー体験会が終わったあと 涙)。別口でお願いをしたケーブルテレビさんを含めると2社。
今回は、試合のみならず、アンプティサッカーの体験会あり、スポーツ×SDGsへの取組もありだったので、もう少し取材に来てくれるかなと思いましたが、報道関係の反応がほぼなかったのは非常に残念でした。個人的には、かなり先駆的な取組だと思っていたのですが…。大分で「スポーツ×SDGs」のイベントを行うのはまだ早かったと思うしかないです 笑

今年度の大会開催は厳しい状況ですが、今後もSDGsを絡めた大会実施を模索したいと思います。


ジェイリースカップSDGs①

ジェイリースカップ③


ソーシャルクラブを目指して⑦

私の出身地は人口が2万人ちょっと。
市内には県立高校が一校しかないので、学校を選んだのは大学が初めて。
高校生ぐらいまでにもっといろんなことを知るチャンスがあったら、人生観が変わっていただろうなと思います。当時は、もちろんインターネットもないので、興味がある、なしの前に、そもそもそのことを知らないという残念な状況。

スポーツを始めたのは、中学校の部活から。
中学時代、普通科(高校)に行くと、勉強が大変だから運動部に入るのは厳しいと言われていたこともあり、高校では部活に入らない予定でしたが、いつの間にか、入っていました 笑
中学・高校時代は、専門外の先生が顧問になるなど、正直、物足りなさを感じた時期もあったこと、大学でもバレーをやりたいと思ったことなどから、いつしか、指導者(学校の教員)になりたいと思うようになりました。

いまは、各地域に総合型地域スポーツクラブがあったり、スポーツ少年団があったり、昔に比べるとスポーツ環境がよくなったのかもしれませんが、
地域によっては、
専門の指導者がいない→その競技を教えてもらう機会がない、
そんなことが往々にしてあります。
神経系が発達する時期に多様な動きを体験することはとても大事なことなのに…。

県内の子供たちのスポーツ機会損失を避けたいという気持ちから、現在、サッカーの指導者がいない地区で定期的にサッカー教室等の活動をさせてもらったり、トップアスリートと接する機会をなかなか持つことができない学校を訪問させていただき、サッカー教室や夢授業を行ったりしています。
大分県では、大分トリニータ(サッカー)、大分三好ヴァイセアドラー(バレーボール)、バサジィ大分(フットサル)といったプロチームをはじめ、たくさんのスポーツチームがあります。
プロチームほどのネームバリューがない代わり、ジェイリースFCは、痒いところに手が届くような存在になりたいと思っています。

2019年4月、大分合同新聞に「1人の新入生入学 中津市の津民小 サッカーをやりたい」との記事を見つけました。記事を読んで、「津民小学校を訪問したい!」と思い、早速、中津市の知り合いの先生に連絡をして、校長先生の連絡先を教えてもらいました。直接、学校に電話をすると怪しい人と思われるかもしれないので、知り合いの先生を通じて連絡をしました 笑

校長先生と電話等でお話をさせてもらい、先生からも「ぜひ、お願いしたい」と言われましたが、学校で新たな行事を入れるのは、なかなか大変。
実現までに、かなりの時間を要し、少し諦めモードでしたが、2月に訪問が叶いました!

当日は、1年生の保護者の方や地域の方々も見学に来てくださいました。
体育館には、全校生徒5人。大人は生徒の2倍以上 笑
5人の子供たち、そして、先生方もすごく喜んでくれたので、可能であれば、毎年、学校訪問をさせていただきたいと思っています。


5人の学校でサッカーしたい…小1の夢、元プロかなえる


津民小学校⑥

津民小学校⑤給食


ソーシャルクラブを目指して⑧

私の甥っ子は発達障害を抱えています。書くことや計算が苦手だったり、こだわりが強かったりしますが、記憶力など、びっくりするぐらい優れていて、あの時はこうだったとか何か月前のことをさらっと言ったり、立体駐車場で車を探していると、甥っ子がすかさず車まで案内してくれたりします。

発達障害への理解は学校現場も含め残念ながらまだまだ。
甥っ子が発達障害を抱えていると分かってからも、担任の先生には甥っ子の抱えている発達障害を理解してもらえず、子供たちも発達障害を持った仲間を受け入れることができず…。
ついには、いじめがはじまり、一時期、学校に行くこともできなくなりました。

発達障害は、障害が目に見えるわけではないので、知らない人にとっては単なるわがままな子供かもしれません。周りの理解は本当に難しいと思います。
また、発達障害といっても、障害の特性は人それぞれ。先日参加したJリーグシャレン!アウォーズ番外編、ロッカールームトークの中でも、「障害そのものより、その子にあったやり方で対応することが大事」と、本当にそうだなと思いました。

甥っ子と同じように苦しんでいる子供たちに、何かできることはないかと考えていた時、Light It Up Blue @「100年の樹」2020でのボランティア募集をみつけ、主催者に連絡をしました。
主催者の方と打合せを行い、当日は、音と光で繋ぐ「世界自閉症啓発デー」オープニングステージに関わらせていただくとともに、せっかくだからと、少しの時間、発達障害のある子供たちとサッカーを通じた交流を図る方向で話が進んでいました。
川崎フロンターレのシャレン(社会連携活動)で大分トリニータのアウェイ戦を観に行った子供たちにも声をかけてみると言っていただけたので、当日が本当に楽しみでした。しかしながら、今年度のイベントは中止。2021年度も可能であれば、イベントに関わらせていただきたいと思っています。

シャレン!やってる!~えがお共創プロジェクト スポーツ×ユニバーサルツーリズム(川崎フロンターレ)~

「感覚過敏の疑似体験」VR動画


自分ではどうしようもないことに対する差別や偏見。
私もいままで何度となく経験してきました。私の場合は、女性差別です。

東京で過ごした3年間、女性蔑視を感じることがほぼなかったので、大分に戻ってきた時は(2017年4月)、正直、大分のジェンダー平等ってまだこんなレベル?と愕然。
世の中的には、ジェンダー平等の動きは進んでいるのかもしれませんが、現実問題、本人に高い問題意識がないと、長年その人が培った価値観を変えることはできません。
ジェンダーに関する課題を一人でも多くの人が自分ごと化できれば、性別問わず、みんなが生きやすい社会になると思います。

He For She


誰ひとり取り残さない社会の実現に向けて、私は、交流を通じた「気づき」がとても重要だと感じています。実際、私も甥っ子に会う度、多くの気づきや学びをもらっています。
これからも多くの皆さんと交流を図ったり、できるならば、そのような機会を創出したりすることで、知らないことが原因で起こる差別や偏見を少しでもなくしていきたいと思います。

みんなちがってみんないい!


画像6

100年の樹①


ソーシャルクラブを目指して⑨

今回が最終回です。
皆さん、約2か月、お付き合いいただきありがとうございました。

2017年10月、アルウィンに行くことを伝えていた山雅後援会のKさんから、「試合後、喫茶山雅で開催される映画MARCHの上映会に参加しませんか」との連絡が。
Kさんの策略?にはまった私は、上映会に参加し、ちょんまげ隊長ツンさんと出会ってしまいました 笑
休憩時間に、ツンさんから「大分ではまだMARCHを上映できていないので、力を貸してください」と。
映画、そして、ツンさんの被災地報告会の内容がすごくよかったことから、2018年2月、社員の方と大分トリニータのボランティアさんに協力いただき、大分市内でMARCH上映会を開催しました。

映画「MARCH」


支援活動も中止になってしまったので急きょ出演!
「JリーグTV」2020年3月11日(ちょんまげ隊長ツンさん)


2018年8月、ちょんまげ隊の皆さんが宇和島市でボランティア活動をするとのことで、私もお盆休みを利用して宇和島へ。ツンさんはじめ、仙台、鹿島、愛媛等のサポーターの皆さんたちと一緒に、流れてきた土砂やごみ等の撤去、炊き出し等のボランティア活動を行いました。
何でも自分の目でみること、体験することの大切さを痛感した2日間でした。


2020年1月、ツンさんから「2月に鹿児島の高校で講演会をするので、その翌日、大分で上映会をしませんか?」と、いつものむちゃぶり連絡が 笑
練習日ではなかったことと、ジェイリースFCの選手にも見て欲しいと思ったので、開催に向けて動くことに。選手の協力も得て、とんとん拍子に話が進み、第2回映画「MARCH」上映会を開催することができました。上映会(第1回も含む)の開催に協力してくださった皆さま、参加していただいた皆さまに感謝!


2018年4月にクラブを創設し、SDGsに関する各種発信に努めてきました。
「スポーツ×SDGs」に取り組み、積極的に情報発信をしているクラブはいまでもほとんどないので、ジェイリースFCって変わっているクラブだな、と皆さん感じていると思います 笑
最近、SDGsつながりのフォロワーさんが増えてきたこと。そして、少しずつ、ジェイリースFCに注目をしてくださる方が増えてきたこと、とても嬉しく思っています。

社会とサッカー EP2(前編)
「サッカーやスポーツをツールに社会課題に取り組む団体を知ろう」

そして、何より嬉しいのは、活動に魅力を感じ、ジェイリースFCを選んでくれた選手がいることです。一緒の想いをもって、活動に取り組んでくれる選手がいないことには私が描いている“スポーツを通じたまちづくり”は絵に描いた餅状態。想いを共有できる選手が増えれば増えるほど、活動の輪は確実に広がります。


さて、最後にジェイリースFCについて。
現在、週2~3回、20時~22時の時間帯でトレーニングをしています。
社員選手も含め、仕事の状況によっては20時からの練習に最初から参加できるわけではありません。社員外選手は、勤務形態もバラバラなので、練習や試合になかなか参加できない選手もいます。

仕事をしながら、サッカーに真剣に向き合い、取り組むことは、なかなか大変。
1日の中で、自分が自由に使える時間は限られており、その時間をサッカーに費やすことは、「サッカーが好き」だけでは無理な話で、本人の熱量や周囲の理解等が求められます。
仕事で疲れたから今日は帰ってゆっくりしたい、プライベートを優先させたいなど練習や試合を休みたい時も当然あると思います。
とはいっても、選手として、九州リーグ昇格を目指して頑張れるのは、人生において、ごく限られた時間のみ。環境や家族、職場の皆さん等への感謝の気持ちを忘れず、選手には、いまを一生懸命楽しんで欲しいと思います。

「九州リーグ昇格」と、「ソーシャルクラブ」を目指して、これからもチーム全員で一歩ずつ、着実に前に進んでいきたいと思います。

20171021 喫茶山雅での上映会

20180812-宇和島市吉田町

画像10

20200213 第2回映画MARCH上映会(大分)


ソーシャルクラブを目指して前半はこちらから