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里は晴れ 山はガス

 秋田駒ケ岳はガスの中をずっと歩いていた。
ときどき現れるお花畑は、白い花のがあり黄色い花のがあり、紫やピンク色も混じったりしていて、ずっと歩いていても飽きない風景だった。

 秋田駒ケ岳には男岳と女岳というのがあるけど今日はパスして、男女岳(オナメダケ)というピークに向かった。
 片足を挙げると強風でふらつくような道を、帽子が飛ばないように抑えながら下ばかり向いて登っていくのはまるで修行のようだが、やはり頂上に立つと、一緒に登ったメンバーたちと顔を見合わせて笑ってしまうのだ。

 今日のガスの日そして強風の日、一緒に歩いて頂上に立った共有感はずっと心に残ると思う。

 そして周囲のお花畑もきっと忘れはしないのだ。また来年かもしれないけど、今度は晴れた日に来るからね。
 秋田駒ケ岳さん、素敵な山旅をありがとう!

頂上直下にある避難小屋に向かったのだが、なかなか着かない・・・
そろそろ昼も近いし早朝の出発だったので腹も減ってきたのにランチタイム予定の山小屋に着かないのは困った困った。と思っていたら突然目の前に現れた山小屋は、目の前10メートル位だった。今日のガスはかなり濃い目のようだ。

 下山してすぐの温泉の露天に入っていると、下には田沢湖、上にはなぜか晴れ渡る秋田駒ケ岳があった。


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