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【そんなことある?】片側の筋トレが反対側の筋力を向上させる嘘のような本当の話

こんにちは!

イクサポです!

今回は、怪我をしてしまった選手に対して有効なトレーニング方法について説明します!

皆さんは怪我をした側と反対側のトレーニングを選手にさせますか?

『左右差が出そうだからさせない』
『治りが悪くなりそうだからさせない』

こんな風に思う方もいると思います!
しかし、意外な効果があるんです。

今回は、怪我をした反対側のトレーニングによって生じるcross-education effectについて見ていこうと思います!

cross-education effectとは


cross-education effect(以下、CE)とは、

片側のトレーニングを行うと対側(トレーニングをしてない方)の
筋力も同時に向上する現象

のことです。

トレーニングをしていなくても(動かしていなくても)筋力が向上するなんて不思議ですよね!

このCEという現象は、1894年にScripture1)という方によって初めて確認されたようで、
かなり昔から認知されていた現象だったようです。

まず手始めに、今年発表されたCEに関連する論文を紹介しようと思います。

Martínez et al.2)は、6週間の片側伸張性スクワット(3秒間あるいは6秒間)を行った後、対側の非トレーニング側の伸張性筋力が介入前よりも有意に向上していることを確認しました。

また、ここで得られた筋力の向上は6週間のディトレーニング(トレーニング休止期間)後でも介入前より有意に高い状況が保たれていました。

この結果みると、両群とも平均して60kg近く1RM値を高めています

意外と高い効果を示しているのがわかります。

cross-education effectの効果

では、このCEはどの程度反対側に効果をもたらすのでしょうか?

CEの程度に関しては、メタ分析が行われた論文がいくつかあるので下の表で3つほどまとめてみました。

・非トレーニング側で得られる筋力は基準値から平均して7.8%向上し、これはトレーニング側で得られた筋力向上の35.1%程度(Munn et al. 2004)3)
・非トレーニング側で得られる筋力は基準値から平均して11.9%向上する(Manca et al. 2017)4)
・非トレーニング側の筋力は健常の若い人で18%、健常の高齢者では15%ほど基準値から向上する。またこれらすべてを平均すると、CEはトレーニング側で得られる筋力向上の48~77%ほどの効果がある(Green & Gabriel. 2018)5)

この結果から、片側のトレーニングをすることで非トレーニング側の筋力が向上することはほぼ間違いなく、その程度も確認できるかできないかぐらいの差ではなく、しっかりと目に見えるだけの効果を発揮するようです。


収縮様式の違いがcross-education effectに及ぼす影響

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