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とっつきにくい仙腸関節の基礎基本

仙腸関節由来の腰痛

腰痛は、画像検査で器質的な変化を認める特異的腰痛と明らかな画像所見の異様を認めない非特異的腰痛に分けられます。

一般に、特異的腰痛は約15%、非特異的腰痛は約85%の割合とされており、これはほとんどの症状が、画像所見で捉えきれないことを示唆しています。

臨床では、非特異的腰痛をさらに4つに分類するのが、現在の理学療法分野でメジャーとなっています。

<非特異的腰痛の4分類>
・椎間板性
・仙腸関節性
・椎間関節性
・筋筋膜性

今回は、仙腸関節という部分をテーマに、基礎的な解剖, 運動学, 合わせて覚えておきたい知識などをまとめていこうと思います!

仙腸関節ってとっつきにくいですが、サクッと理解していきましょう!!


仙腸関節の解剖学

仙腸関節は、骨盤帯の中にあり、腸骨と仙骨でできている関節で下肢と体幹を繋ぐ関節であり、重要な関節です。

L字状の関節面をしており、Lの上(第1仙椎)が短腕、Lの下が(第2、3)長腕と呼ばれています。関節の運動を、イメージする上で、覚えておきましょう!

画像1

(プロメテウス解剖学アトラス より引用・改変)

また仙腸関節の関節面は、多数のくぼみがあり、ぼこぼこしています。このことにより摩擦が生まれ安定します。

加えて多数の靭帯により安定させていますが、ここで覚えて欲しい靭帯は、仙結節靭帯です。

仙結節靭帯には、大殿筋が、付着しています。大殿筋の収縮が入ると、緊張が増加するとされています。

画像2

筋肉では、大腿二頭筋、大殿筋、多裂筋、梨状筋と直接付着しており、仙骨の安定性に関わる非常に重要な筋の1つです。


仙腸関節の機能

仙腸関節には主に以下の2つの役割があります。

・上半身の重量を下肢に伝達する
・衝撃緩衝作用(主に踵接地時)

上半身と下半身をつなぐ骨盤帯に存在する仙腸関節の役割はとても重要です。

仙腸関節は荷重負荷や床半力を受けとり負荷を分散させたり、骨間靭帯によって緩衝作用を有すると考えらています。

骨盤帯の不安定性やマルアライメントなどによって、荷重伝達がうまく機能しなければ隣接する腰椎や股関節だけでなく、全身へメカニカルストレスが波及してしまいます。

つまり、仙腸関節の安定性が確保されることで、力の伝達機能や衝撃緩衝が適切に生じ、効率的に身体を動かすことが可能になるということです!


仙腸関節を安定化するには?


ここでいう安定性とは,

硬めるのではなく必要不可欠な機能を継続しつつ
コントロールしながら維持させること

が目標になります。

このような安定性を確保するためには2つの機能を働かせる必要があります。

・フォームクロージャー機能
・フォースクロージャー機能

です。

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