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【原点回帰】イチから見直す中枢性制御

明けましておめでとうございます!

イクサポです!

今年もよろしくお願いします!!

今回は病院リハビリやスポーツリハビリに活かせる中枢性制御について書いていこうと思います!

はじめに

国家試験の時期が少しずつ近づいてきましたね。
理学療法士となるべく解剖学、生理学、神経科学など学んでいた日々を懐かしく思います。

もちろん理学療法士となってからもこれらの勉強を欠かさず行なっていますが、スポーツ現場で働くにあたりフィジカル分野の勉強や運動制御などの勉強もより行うようになりました。

その中で理学療法の分野が非常に活きていたり、新たに勉強したことが活きている部分もあります。
今回はそのどちらの部分も学んでいる立場から中枢性制御を一から見直していきたいと思います!


1.どうやって身体が動くのか?

身体はどのように動くのか?という質問に関して皆さんはどのように答えるでしょうか?

いろいろな答えがあると思います。
また似たような答えはあれど解像度は人によって違うのではないかと思います。

ただどのような認識を持っているとしても身体がどのように動くのかについて全体の流れを把握することが重要だと私は考えます。

私自身部分を見るためには全体の大きさを知らなければいけないと考えます。

この章では今回の記事のメインとなる身体を動かすためのメカニズムを整理していきたいと思います。

早速ですが、私たちが身体を動かすための大きな流れは以下になります。

1. 身体図式の形成
2. 行動計画の生成
3. 運動プログラムの生成
4. 予測的姿勢調節
5. 巧緻動作の発現

ではこの流れは実際にどのようなものでしょうか?実際の動きを例に見ていきましょう。

「喉が渇いたので紙パックから目の前の紙コップに牛乳を注ぐ」という課題について書いていきます。
(Anne et al モーターコントロール 研究室から臨床実践へ2013)

まず末梢からの感覚入力がされます。
自分が今どんな位置にいるのか、関節がお互いにどんな関係にあるのか、周囲で何が起きているのかなどこれらの情報を得るために空間における身体マップを作成します。
マップ作成に必要な感覚情報はグラスの大きさ、牛乳パックの大きさ、重さなど行動の課題に関する必須の情報を提供します。

次に大脳皮質の高次中枢で「牛乳パックに手をリーチする」という目標に関係した情報をもとに行動計画を作成します。
行動計画は感覚マップから作成されます。

行動計画は筋群を指定すると同時に小脳と大脳基底核に送られ、運動を正確にするための計画修正をします。
小脳は更新された運動出力計画を運動皮質と脳幹に送ります。
運動皮質や脳幹からの遠心路は脊髄ネットワークを賦活し、脊髄の運動ニューロンには筋群を作動させ、牛乳にリーチをします。

もし牛乳パックの中身がいっぱいにもかかわらずほとんど体と思い込んでいた場合脊髄の反射路は予期していなかった分の重量を補填するためにより多くの運動ニューロンを賦活しリーチの結果、得た評価は評価され小脳は運動を更新し、この場合より重い牛乳パックに適応します。

身体はこのように常にフィードフォーワードやフィードバックなどを繰り返し運動を更新していきます。
また、中枢分野であろうと整形の分野であろうと身体を動かすという大きな流れを見たときに末梢からの感覚入力は重要なものであったり、効率のいい運動を学習し経験を積んでいくことは重要だと考えられます。

この流れが身体を動かす大まかな流れになります。(図1)

運動の流れ

(図1:運動の流れ  Anne et al モーターコントロール 研究室から臨床実践へ2013)

少し詳しく掘り下げていくと
例えば感覚情報とは何が上げられるのか?と言えば以下のように多くの種類、量の感覚入力が挙げられます。(表1)

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