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不登校 ~HSCの子育て~

小学校入学当初からの息子の登校渋り・不登校を経験し、最初は子育てに失敗してしまった・私の子育ての仕方が悪かったんだと自分を責めてばかりいました。
取返しのつかないことをしてしまったと泣いてばかりいた日々から、少しずつ冷静さを取り戻し、保育園の頃からあった登園渋りの経験や、息子の気質・性格、保育園と学校の違い(活動内容・先生の対応等)、色々な視点で息子の登校渋り・不登校について考えてみました。

県の総合教育センターで受けている教育相談では、発達の凹凸や発達障害がないか、医学的な診断も念のため受けておくことを勧められ、秋に受診予定ではあるのですが、私自身は息子はHSCなのではないかと考えています。

今日は、HSCについて書きたいと思います。

◆HSCとは?

HSC(=Highly Sensitive Child ひといちばい敏感な子)とは、アメリカの心理学者、エレイン・アーロン氏が提唱した言葉です。
世の中に、5人に1人という一定の割合で存在すると言われています。

HSCは、いわゆる病気や障がいではなく、持って生まれた気質・性質なので、医学的な診断名ではありません。
「治す」ものではなく、HSCの持って生まれた気質を知り、「その子らしさ」として理解していくための言葉です。

アーロン氏が作成した、HSCかどうかを判断するための23のチェックリストがありますが、13個以上の項目で「はい」に該当することが判定の1つの基準になるようです。
ただ私が学んだ研修での情報によると、13個以上当てはまらなくても、下記の4つの性質すべてに該当していることも1つの基準になるそうです。

HSCの特徴として、次の4つの性質があると言われています。
1)深く考える
HSCの脳は情報を深く処理する部位が活発で、HSCでない子がそこまで考えない、あるいは考えなくていいことを、瞬時に感じて、考えてしまう傾向があるようです。
あらゆる可能性を考えるため、初めての人や場所で、行動を起こすのに時間がかかったり、他より動作が一歩遅れて遠慮がちな子と思われてしまうことがあります。
でも、じっくり観察して考えるため、1を聞いて、10を知ります。人の気持ちや空気を読む能力もあります。

2)過剰に刺激を受けやすい
過剰に刺激を受けやすいため、すぐに刺激でいっぱいいっぱいになります。
大きな音、まぶしい光、臭いにおい等の環境の影響を受けやすく、集中できなくなったり、とても疲れたりします。
ゴワゴワ・チクチクする服や服のタグを嫌がったり、靴の中に入った少しの砂で痛がったりします。
くすぐられると、息ができなくなるくらい大変なことになります。
人に見られたり、実力を試されたりする場面では、普段の力が発揮できないこともあります。

3)共感力が高く、感情の反応が強い
物事の1つ1つを深く感じ取り、人の心を読むことにたけています。
つらい思いをしている人の気持ちが手に取るようにわかるため、ものすごく人に気を遣うし、他人の気分に影響も受けやすいです。
完璧主義で、ささいな間違いにも強く反応します。
悲しいニュースや残酷な映画やドラマが苦手で、不公平なことが許せません。

4)ささいな刺激を察知する
小さな音、かすかなにおい、細かいことによく気づきます。
変わったにおいがすると近づくことができなかったり、遠くの鳥の声や、飛行機のエンジン音が聞こえたりします。
人が自分を笑ったことや、逆にちょっとした励ましにも気づきます。
体内の刺激にも敏感で、薬が効きやすかったり、かすり傷程度のケガにも過剰な反応を示します。

◆うちの息子の場合

ハグ親子男

うちの息子は、私がチェックリストで判定してみた結果、12個該当しました。13個以上ではありませんが、4つの特徴は全て満たしています。

今思い返してみると、保育園で同級生の男の子が好奇心旺盛に危ないことをしたり、ヤンチャなことをしたりしていても、一緒になって悪ふざけすることが全くありませんでした。
私は臆病だな、慎重派だなと思っていましたが、息子は間違ったことをすると、どうなるかがよくわかるので、行動を慎んでいたんだなと思います。
小さい頃から、アニメや映画が好きで、しっかりストーリーを理解し、心が動くような感動的な場面や悲しい場面では号泣していました。
プラスチックゴミで海が汚染され、ゴミを食べたクジラが死んでしまって、そのクジラのお腹から大量のプラスチックゴミが出てきたニュースを見た時には、死んでしまったクジラが可哀想だと泣いて、落ち込んでいました。
そういう感受性が豊かで、心優しいところが、私は大好きで、息子らしさと捉えてきました。
洋服の好みは小さい頃から強くて、私が買ってきた服は一度も着てくれないこともありました。色や柄の好みだけでなく、素材や着用した時の感触を確認してから買うのが我が家のルールです。
いくらお気に入りでも着れないという問題が起きたこともありました。冬の間、下着に長袖のヒートテックを着てからお気に入りのトレーナーを着ていた時は何の問題もなかったのに、春先になって下着をランニングシャツに変えて同じようにトレーナーを着たら、トレーナーの裏生地の感触が気に入らないと着なかったことがありました苦笑。
痛みにはとにかく弱くて、公園で転ぶと、かすり傷程度でも大泣きです。
絆創膏と傷薬が安定剤で、薬が必要ないくらいの傷でも仰々しい手当をしています笑。
完璧主義で、妥協することがないので、学校の宿題・課題で、書き順を間違えたり、文字を書き間違えたりすると、その部分だけでなく、その問題の解答すべてを消して書き直していました。
学校では、先生がそのように声かけしているのだそうです。
一度息子に、「家には先生いないし、別にいいじゃん!」と言ってみたのですが、『ダメだよ!そういうことしたらダメなの!』と信じられないという顔つきで言い返されてしまいました苦笑。

今も書きながら改めて感じましたが、HSCの息子にとって学校という環境は、すごくエネルギーの消耗する、疲れる環境なんだなと思います。

◆HSCの子育て

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HSCについて学ぶ研修の場で、すごく救われた言葉があります。
「HSCが5人に1人なら、HSCの親も5人に1人の親になればいい。」

保育園の間も登園渋りという形でサインを出していた息子。
保育園では、働く親の代わりに先生が優しくサポートしてくれ、自由な遊びが中心。
小学校に入ると、すべてのことを自分でやらなければならない、間違ったことをすると先生に怒られる。完璧にやらないと気が済まない、間違ったことをしてはいけないと息子はどんどん疲れていったんだと思います。
息子はいずれは学校に戻りたいと言い、今は放課後に学校に行き、先生とマンツーマンという刺激の少ない環境で、短時間だけ勉強する放課後登校という形で学校を部分利用しています。
今後、息子の思いに変化があるかもしれませんが、今は本人の放課後登校したいという思いを尊重し、できていることに目を向けてやって、息子のペースで学校という環境に適応していくことを見守ってやればいいかなと思っています。
いつまでも学校に1人で行けないことや付き添い登校していることに対し、周囲からは甘やかしているとか、息子のことを男のくせに意気地がない等と言われたこともあります。
でも、小さい頃からの親子の中の経験があっての今の関わりなわけで、5人に4人のお子さんの親や祖父母からのアドバイスは、HSCには合わないです。そこはきっちり境界線を引かせてもらい、うちはうち、よそはよそと考える。私もそんなふうに思えるようになりました。
自分がそう思えるようになると、とやかく言う人もいなくなるから不思議ですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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