すべては、ここから
はじめまして。かたりパフォーマーとして活動しております。
空果梨堂 (うっかりどう)
満茶乃と申します。
【すべてはここから】
空果梨堂(うっかりどう)では、日本文化を楽しみつくすための、0歳からの伝統文化!を冠したイベント企画を続けています。
私個人としては、コロナ騒動までは、毎日着物で過ごし、お能のお稽古も親子で続けています。
毎日、日本全国の昔ばなしを1日1本語る動画をYouTubeにて配信。
そして、Twitterでは「世阿弥の言葉」をつぶやいています。
関西弁でいう”ええ塩梅”(よい加減)で、伝統文化のエッセンスを日常に添えて、個々の性格や年齢にあう伝え方ができれば!気張らず楽しく、気がついたら基礎教養まであがってる!最高にHAPPYな子育てなんじゃないかと思うのです。
その想いにたどり着いたのは、ある男性との出会いでした。
あれは私が高校1年生の時のこと。冬の晴れた日の、日本史の授業中。当時の私は歴史小説好きで、受験対策的な授業でしかない日本史の時間は退屈でした。そこで、先生の話半分にパラパラめくっていたのは
『歴史便覧』
ふと開いたページで目を引いたのは「金閣寺」・・・の。大きな写真の左上。『観阿弥-世阿弥 親子』に関する小さな小さな記事。
目を引いたのは「世阿弥は時の将軍義光に寵愛された・・・云々」高校生ですし、寵愛の意味はわかりました。しかし、相手が!!時の将軍と、謎の芸能人世阿弥!?という部分。
気になって気になって、授業が終わってすぐ!その足で図書室へ!!!
そこで出逢ったのがこの本。
『世阿弥芸術論集』 新潮社 ー新潮日本古典集成ー
読みかけの歴史小説をほったらかして、帰りの電車の中で読み耽りました。
この新潮古典集成の良いところは、文字の大きさと、行間のゆとり。原文と注釈だけのシンプルな作りだからこそ、あまり悩まずに読めます。
すこしカタめの序文を読み終えた先、【年来稽古条々】という項目の最初の「七歳」の段で、私の心臓は射貫かれました。
ふと為出さんかかりを、うち任せて、心のままにせさすべし。
さのみに、よき、あしきとは教ふべからず。
芸能に生涯携わるものとしての、最初の稽古の頃は、厳しくするよりも、本人の意欲を待て、と言っているのです。
世阿弥は室町時代の人です。
ざっと600年も前の男性が!!子どもへの接し方について、こんなにも核的に述べているんです。現代でも、いまだに幼少期のスパルタな子育てが問題になるというのに。
うちは母が、幼稚園教諭をしていた関係で、幼児期の育成環境がいかに大切か。そして、それが必ずしも大切にはされていない現状があることを聞かされていました。ですので、この項目には共感と感動以上の”何か”を感じずにはいられなかったのです。
同時に、この本との出会いにより、偶然にも心にかかっていたモヤモヤが晴れることにもなりました。
それは、その年の夏に行っていたオーストラリアへのホームステイで、日本の歴史は多少知っていても、日本文化を知っていることにはならないことを、痛感したことでした。
このモヤモヤを持っていたタイミングだったからこそ、世阿弥の著書を読むことで、文化とは「ハード」で習い事や勉強は「ソフト」だったのだ!!と気づくことができたのでした。
その後、様々な出来事や、紆余曲折あって、空果梨堂を設立することになるのですが。それはまた、別の話。
『世阿弥芸術論集』
世阿弥の著書は、他の出版社のものも色々あるけれど。「人生においてのはじめて」は、他に変え難いもの。
大学時代に買ったものは、人に貸したあとそのままになってしまって。なので、近年再購入。
おかえり。私の人生を変えたあなた。
【 かたりパフォーマー 満茶乃 -Masano- 】
◎クリエイター事務所『CURRY』所属
◎京町屋『秘密基地うっかり堂』主人
◎空果梨堂 Ukkaridoh&Co.
◎Huffington Post Japan 掲載記事
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