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人生の関所【負の記憶から得たもの】

【人生の関所】

先週末のお仕事、お約束、お舞台
お断りさせて頂き
ほんとうに申し訳ありませんでした。
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そして
急なことだからと
あたたかなお言葉と
お気遣いを頂き
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心置きなく
祖父を送ることができました。
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ほんとうに
ありがとうございました!!!

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実は
私が伝統芸能や自国の文化を
幼い頃から触れて欲しいと願うきっかけのひとつは
この祖父にある。
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この母方の祖父母とは
半二世帯住宅で共に暮らしていた。
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絵に描いたような
秀才で
愛読書はNewton。
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本は1回読めば暗記し
数々の資格を取得。
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そうかと思えば
肩が凝ったと言って
学校の競技用鉄棒で大車輪をする。
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文武両道
勤勉実直
有言実行
無口で
信心深く
自分に厳しい
まるで武士のような人。
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しかし
文化芸能に関して
驚くほど関心を持たず
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私がまだ20歳で
大学の能楽サークルにいた頃
「能楽なんて意味がわからない。観たくもない。」
と言われ
その当時の私には
祖父が納得するように論破することができず
とんでもなくショックを受けた。
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あんなにも読書が好きで
あんなにも博学で
天体や
自然現象
科学や電気回路のことは
先生のように
教えてくれるのに。
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雅楽の篳篥のお役も持っているのに。
今思えば
それは
あくまでもお役目で
興味があったわけではないのだ。
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その数年前に
世阿弥の風姿花伝と出会い
短いながら海外生活をした中で
「自国の伝統文化を伝えるとはどういうことか」
ということが
人生のテーマとなっていた私。
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これをきっかけに
どんな人に
どんな環境であっても
文化の役割やチカラを言葉にして伝えられるようになりたい。
そう
固く誓った。
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だから
私にとって
祖父は函谷関。
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数々の戦もあり、歴史にその名の残る
交通の要所。
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映画「三丁目の夕日」的に言うと
祖父は
私の本気を試したのかもしれない。
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今週末の
「碧道会」
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はじめて、
祖父の魂に舞台を観てもらえる気がする。
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しかも
末曾孫の初舞台で
外でもない私の演目が「山姥」なのは
天のはからいか。
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じいちゃん、ありがとう。
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大恋愛の末結ばれ仲睦まじかった
祖母に先立たれて16年。
ほんとうにおつかれさまでした。

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