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第22回 知らないと言えるプライド

こんにちは。
広島の福山でインテリアを中心としたデザインの仕事をしている
PRISMDESIGNの小林です。

商業的なインテリアデザインを中心として
活動を始めた私達PRISM DESIGNですが ありがたいことに
最近では 建築、住宅、サイン計画、パッケージ、服飾、Webなど
いろいろな仕事のご相談を頂くようになってきました。

上海での創業当時から可能な限り
毎回違った分野、やったことのないことを選んで
プロジェクトを進めてきた結果が
やっと出始めたのかなと思ったりしています。

いまでこそ、自分の知らない分野のお仕事を受けることに対して
あまり躊躇はないですが 当初は
毎回不安で 挑戦することがとても苦痛だったのを覚えています。

飲食業界で働いていた私は飲食店のことはある程度分かるのですが
とりわけ物販店の設計が苦手でした…
はじめた時は物販店の設計実績や店舗での接客業務などの経験もないため
内部のオペレーションや必要な機能などもさっぱり分かりませんでした。

やったことがないのだから、知らないのも当たり前なのですが
なかなか それを教えて下さい! と言えなかったことを思い出します。

依頼する側も効率や安心感を求めるため 
飲食店の実績の多い事務所は飲食
物販店の実績の多い事務所は物販 
美容室は美容室と過去の実績に基づいて 
業界的にも同じような仕事の依頼が続くケースが多いように感じます。

同じ系統の設計が続くと 1回目よりも2回目 3回目と同様の案件を
重ねるごとにクオリティーや作業効率が上がっていくイメージなのですが
実際はそんなに単純ではないように感じます。

勿論経験値が上がっていくことでプラスに働く部分もとてもあるのですが
同様の物件が続くことによって、慢心や慣れなどのマイナス面も出てきます。

当たり前ですが、初めて取り組むことに対しては慎重になります。
こちらも経験がないのに その業界のプロの方たちと話をするのですから 
事前の情報収集や聞き取り、自分の考えが間違っていないかなど 
極力ミスがないように とても丁寧にプロジェクトを進めていくしかありません。

これが同様の案件が続いていくとどうでしょうか?

過去に一度 私は同じ案件を繰り返すことで大きな失敗をしました。

海外でのチェーン展開のお仕事で、
気心の知れた施工さん、クライアント担当者も同じ
いつも通りだからこんなもんでいいだろうと
現場確認を怠っていました。慢心です。

結果、現場搬入された家具が寸法ミスで
現場で設置不可能となり、工事終盤の工程に影響を与え
関係者の方々の多くの時間を奪う形になってしまいました。

そしてこれよりも 辛いのが<飽き>。

プロジェクトが作業化してしまうと根本的に
考えることが減り そもそも仕事自体がマンネリ化してきます。
この状態で仕事をしても クライアントに対して失礼ですし
そもそも自分たちの仕事に対して挑むモチベーションが保てなくなってきます。

そのタイミングで 私達は意図的にできるだけ毎回違ったプロジェクトを
受けるようにしてきました。
飲食が続いたら物販、その次は住宅、ショールーム…といった具合です。
他の分野の知識が入ることで 飲食店に物販的な要素だったり
ショールームに飲食機能だったりと 
要素の引き出しや組み合わせの幅が広がりました。

知らないことに挑戦することで
なにより一番大きかったことは 素直に
分からないので教えて下さいと言えるようになったこと。

これからも お客様から色々なことを教わりながら
自分たちを更新していきます。

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私達が地元老舗珈琲店より受け継いだ焙煎機で営むカフェ
<BATON>↓

https://batonby.prismdesignconsulting.com

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