インディーゲームの韓国語翻訳はどこの会社が担当しているのか(JtoK, EtoK)

今後、私のところに「日本のインディーゲームを韓国で展開したいのですが、どこの会社に翻訳を頼めばいいんですか」という質問が来そうなので先にまとめておきます。先日は、英語のインディーゲームを韓国語に翻訳している会社のことも訊かれました。私も調査中ですが、今まで調べたことをまとめておきます。

韓日翻訳のほうの記事と内容はだいぶ重複しています。

Bada Games(ローカライズ会社)

https://badagames.net/

所在地は釜山。インディーゲームの英韓翻訳(EtoK)の実績が非常に多い。日韓翻訳(JtoK)は、スマートフォン向けの育成ゲーム『ことだま日記』(심리요정 다이어리)とDS版『Cave Story』(洞窟物語)の翻訳を担当。
LQAでは『Ib』と『溶鉄のマルフーシャ』を担当した。

架け橋ゲームズのWork Historyに何十タイトルも「Korean Localization by Bada Games」と書いてあるのが気になって公式サイトを見てみたが、架け橋ゲームズと同じようなスタンスでやっている現地展開サポート会社らしい。Bada Gamesがパブリッシャーとなるわけではなく、担当するゲームのパブリッシャーや開発会社をサポートする。ローカライズ、レーティング審査の申請サポート、プロモーションなど。
Bada Gamesの「History」をぜひご覧ください。Devolver Digitalの手がけるゲームも、『OMORI』、『Coffee Talk』、『A Space for the Unbound』も翻訳している。翻訳者の名前がクレジット記載されている案件も多数

Mayflower Entertainment(ローカライズ会社)

http://www.mayflowerent.com/ja/home

所在地はソウル。英韓翻訳(EtoK)でインディーゲームの翻訳実績が多い。最近は『Chained Echoes』を担当。日本にあるパブリッシャーDangen Entertainmentのゲームの翻訳やQAに携わった例が多く、『OneShot: World Machine Edition』や『The Witch's House MV』(魔女の家MV)の韓国語翻訳を手がける。
日韓翻訳(JtoK)では、(インディーゲームではないが)コンパイルハートの「ネプテューヌ」シリーズなどを担当。工画堂スタジオの百合アドベンチャーゲーム『夢現Re:Master』を翻訳した実績があり、今後リリース予定の『白衣性恋愛症候群』と『白衣性愛情依存症』の韓国語版についてもMayflowerのTwitterアカウントが告知している。

アクティブゲーミングメディア(ローカライズ会社)

https://www.activegamingmedia.com/

インディーゲームのパブリッシャー「PLAYISM」やゲームメディア「AUTOMATON」でもお馴染みの会社。本社の所在地は大阪市。
チェコのスタジオのゲーム『Factorio』は、日本語、繁体字中国語、韓国語翻訳をアクティブゲーミングメディアが担当した。『Northgard』や『Kenshi』の英韓翻訳(EtoK)の実績もある。
日韓翻訳(JtoK)では、(インディーではないが)『みんなで空気読み。』シリーズや『春ゆきてレトロチカ』『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』『No More Heroes 3』など実績多数。

Pulse Translation(ローカライズ会社)4/19追記

https://www.pulsetranslation.com/

Twitterアカウントのプロフィールによると所在地は韓国の済州島。開発スタジオTalesShopのビジュアルノベルの韓英翻訳(KtoE)を何作も担当した実績がある。公式サイトには、日本のインディーゲーム『梅雨の日』が実績として載っている(日韓翻訳ではなく日中翻訳かも)。チームメンバー紹介に、『シロナガス島への帰還』のスペイン語翻訳を担当した方のお名前もある。個人開発のインディーゲームの翻訳を依頼したい方は、相談してみてください。日本語のゲームを、韓国語、英語、中国語、スペイン語などに翻訳できるようです。

HAPPY DUCK COMPANY(ローカライズ会社)4/29追記

https://happyduckcompany.wixsite.com/happyduckcompany

日本のインディーゲーム『ナユの冒険』『溶鉄のマルフーシャ』の韓国語翻訳を担当。公式サイトの"ABOUT"によると2人でやっているスタジオらしい。なお、マルフーシャのLQAはBADA GAMESが担当している。

次に、Twitterでお見かけするフリーランスの翻訳者さんについて。

キョウウンさん

Twitter: @KyunghunL
韓国在住。日韓翻訳(JtoK)と韓日翻訳(KtoJ)。現地での展開のサポートもなさっています。最近はroom6『ローグウィズデッド』の韓国語版"환생용병단"や、odencat『メグとばけもの』を翻訳。日本のインディーゲームイベントにもよく来ておられて、私もお会いしたことがあります。

Kalrito(カルリト)さん

Twitter: @kalrito
韓国在住。日韓翻訳(JtoK)と英韓翻訳(EtoK)。現在フリーランス5年目・翻訳経験は9年目。Linkedinのほうに書いてあるご経歴、担当作品も拝見したことがあります。日本のゲーム会社、ローカライズ会社で勤務経験あり。フリーランスになってから日本の有名なインディーゲームも担当なさってます。

ぬい巫女さん

Twitter: @People_looking
海外在住。日韓翻訳(JtoK)。成人向け、全年齢向けどちらも可。びっくりソフトウェア『Graze Counter GM』、ZephyrStudio『モン娘ぐらでぃえーた』の韓国語を担当なさいました。

탄산커피(炭酸コーヒー)さん

Twitter: @psh6905
6年で60作品以上のフリーゲームを韓国語に翻訳していた方。休止期間を経て復帰。有償での翻訳は、PLAYISMが手がける『Ib』リメイクの公式韓国語を担当なさいました。

【番外編】有志翻訳チーム

韓国には、あの『Disco Elysium』を20人ほどで有志翻訳したチームがあり、公式採用されたと報じられています。詳しくはGame*Sparkのインタビュー記事をご覧ください。韓国の有志翻訳事情について語られています。


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