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こんなにもすれ違ってそれぞれ歩いてゆく

人を観察するのは楽しい。

都会・田舎、人が多い・少ない に関わらず特に駅では色々な人を見ることができる。

不思議なもので『駅』という場所が特別なのか、それ以外の場所、街中なんかでは、駅ほどに面白い人を見かける頻度がグッと下がる。単純にぼくが見れていないだけなのかはわからないけれど、こと人間観察においては自分のルーチンの中でだとか、定点観察することがだいじなのかもしれない。


・駅構内の通路

壁ギリギリに沿って歩く女性。角では当然の直角カーブ。
迷路の攻略法を実践しとるんかな?と思う程に壁沿いを行く。

いやここは魔宮と名高い新宿駅でもなく、田舎のどこにでもあるようなシンプルな駅です。


・電車に乗り込む

ある朝。ホームに電車が到着した。自分が乗り込む扉の車内側に二人の男女が立っていた。扉の真ん前でスマホを触っている。

扉が開く。僕は、彼らはこの駅で降りるか、もしくは乗り込む人のために少し横に移動してくれるもんだと思った。だから乗車口のまえで待ったんだけど、全くそんな気配がないので、二人の間の狭いところを体を横にしながらなんとか乗り込んだ。

たったそれだけのことと言えばそうなんだけど、なんだか凄く嫌な気分になった。

ひとり一人がほんの少しづつでも周りの人を思いやる気持ちをもっていられたら、もっと素敵で暖かい世界になるじゃないかなあ、と思います。


・冬。早朝、駅前のバス停

冬場の朝の寒さは耐えがたい。バスが来るまでスマホを触っていると、すぐに指先がかじかんできて、ポケットに手を引っ込めてしまう。

毎日ではないけど、ぼくが乗るバスの、となりのバス停で待っているおばあちゃんをよく見かけた。

ある日、何か動くものを視界の端に捉えたと思ったら、その場で足踏みをするおばあちゃんだった。足踏みのほかにはつま先立ちを繰り返したり、前後に歩いたりして、なんとか体を暖めようとしている。

その後、その光景を見かけるたび、微笑ましい気持ちになる。なんだかいい日になるような、そんな気持ち。


・地下鉄の階段

地下鉄を降りて、階段を上がる。


少し前を行くオジさんがフラフラしながら上がっているのが目に入った。そのオジさんは一段飛ばしで階段を上がっていたんだけど、そのまた前を行く人は普通に一段ずつ上がっていたから、オジさんはゆっくりゆっくりと体勢を崩しながら歩を進めていた。

なぜそこまでして一段飛ばしにこだわるのかよくわからないけど、なにか強い意志を感じる。

子供の頃よくやった一人遊びのような、横断歩道で白線だけ踏んで渡れなければ即死亡!!だとかそういった類のものなのか。


結局おじさんは一段飛ばしを貫き、最後は二段飛ばしでフィニッシュした。

改札を出て あのおじさんはどこに行ったかなと、歩きながら周りを見渡してみると真横にオジさんがいてびっくり。僕と同じ方向に進んでいたのでそのまま並んで歩いて行った。 

その先にはまた階段があり、 僕は、おじさんはまた一段飛ばしで上がるんだろうなとワクワク期待していた。すると、なんとおじさんは一段飛ばしをすることなく、普通に一段ずつ上がり始めた。



あの強い意志どこいったーー!!??


    

こんな他愛もない、でもなんだか面白いようなそうでもないような人とのすれ違い。

「スキ」が元気のみなもとです!