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泣きながら日本へ

フィリピン留学しよう、そう決めた。

海外に行ってみたかったのと、英語の勉強もしたかった。

エージェントに申し込み、学校の手配をしてもらい、学費を振り込む。

額が大きいだけに不安も大きい。エージェントにお金をだまし取られたなんて話はそこら中にころがっているし。

フィリピン行きの飛行機の中でもまだ不安だった。もし空港に来るはずの案内人が現れなかったら…?最悪、泣きながらそのまま日本へと引き返す覚悟も少しあった。

着陸前、窓の外は真っ暗でぼんやり眺め続けていると、ぽつぽつと街の灯りが見えてくる。灯りの数はどんどん増えていく。その決して派手ではない、ひとの営みを感じさせる控えめな光を見つめていたら、きっと全部うまくいく、そんな気がした。

結果、案内人は無事現われたし、現地で得た友達のおかげで、予想の何倍も楽しい滞在になった。

友達との別れがつらくて、結局最後は、泣きながら日本に帰るはめになってしまったんだけど。


「スキ」が元気のみなもとです!