見出し画像

思想の強さは個性であり武器でもある

単純な興味から「造園がわかる本」という造園全般に関するガイドブックを読んでいる。これがなかなか面白い。

内容はもちろんとして、なにより、著者の思想の強さが隠しきれず節々に表れているのが素晴らしい。

すこし抜粋してみる。

時代とともに景色がすっかり変わってしまったと嘆く声をよく聞く。 こう嘆く人は、自分も変化を遂げていることにはあまり関心がない。
(中略)
風景の再発見は、対象はそのままなのに、主体の方が変化して起こる場合がある。見方が変わる、面白さを見つける、美しく感じるなど、人間側の事情で風景はかたちを得ていくのである。
東京都にある葛西臨海水族園では、海中を歩く感覚でマグロの大群を目の高さで見ることができる。
(中略)
ガラスは目の前を疾走するマグロを見せてくれる媒介物(メディア)である。 このメディアは見せるための「伝達」と危険から守るための「隔絶」という機能を同時に持つ。
(中略)
伝達すると同時に隔絶するメディアの発達とサービス技術の進歩は、まるでヒグマを素手でなでることも可能と思わせるほどの「関係の虚構化」を進めてしまう危険がある。本当は恐ろしい命がけの世界に苦もなくアクセスできてしまうことが、果たして自然を理解したことになるのか。

強い…!!

著者の思想はこの本の本筋ではないにしても、造詣の深さがうかがえる。


造園はあまり身近なものじゃないと思いがち。でも意識してあたりを見回すとそこかしこにあふれている。だからなのかもっと知ってみたいなと思った。

そしていつか、ぼくも強い思想を披露したいもんだ。


今日もありがとう、またね。

「スキ」が元気のみなもとです!