失恋のたびに。

2024年3月3日

付き合って1年9ヶ月の当日に
僕は彼女に振られた。

言葉では別の理由で振られたけれど
本当は違う理由で彼女が別れを決意したことを僕はなんとなく感じ取っている。


そう、「僕が普通の男性ではないこと」が理由。


僕はFTM。
Female To Manの頭文字を取ってFTM。
つまりは女性から男性へ。


馴染みがある言い方で言えば「性同一性障害」


小さい頃から体と心の性別に違和感を抱いていて
2回の手術を経て戸籍を女性から男性へと変えた。


今は男性として社会生活を送っており
僕が元女性であることは、一部の友人しか知らない。



つまり彼女(もう元彼女)とも
僕は男性として初めは出会った。

付き合う時に僕の事情をカミングアウトし
元彼女もそれを了承の上でお付き合いが始まった。



今思えば最初から彼女を戸惑わせてしまったように思う。

僕の交友関係は女友達が多いから、嫌な気持ちもさせただろう。

体を重ねる時も違和感があっただろう。


何より彼女は自身の家族に僕のことを伝えることを嫌がっていた。

家族が反対する、つまりは偏見がある人だと思いたくないから。
反対されている僕を見たくないから。


そんな彼女の気持ちを分かりつつも
僕は彼女と将来を共にしたくて焦ってしまっていた。


そんな僕に彼女は距離を感じて行ったのだと思う。
ただ、それを理由にして振っては
これまで僕を傷つけてきた人たちと同じになってしまう。

だから最初に書いたように
別の理由で僕を振ったのだと思う。



もちろん彼女の本心は分からない。
でも、過去同じように好きな人に振られてきた僕は感じ取ってしまった。


そんな彼女を責めるつもりはない。
だって当たり前の感情なのだから。


世界中にたくさんの男性がいる中で
あえて僕のようにハードルがたくさん見えてみるような人と付き合わなくてもいい。

家族の反対、子どもについてなどなど。
普通の男性と付き合えばそんなこと気にしなくていいのだから。
わざわざ茨の道を選択する必要はないのだから。


だからこそ僕って何なのだろう、と。
好きなってしまっても迷惑なのではないか、と。
誰かと一緒になるのは諦めた方がいいのではないか、と。


そんな思いに駆られてしまう。


「それでもあなたと一緒になりたい」
そう思ってくれる魅力を僕が持ち合わせばいいのだけど。


これまで自分の努力ではどうもならないことで
愛している人と別れる経験が続くと
もう自信なんてなくなってしまうのです。



傷つけたくないから、
傷つきたくないから、
1人で生きていきたいのだと。


僕の素性を打ち明けることが
さらに怖くなっていく。


もし打ち明けて受け入れてくれたからには
「この人なら...」と期待してしまって
必要以上に依存してしまう。
だから別れがもっとつらくなる、の繰り返し。


そんなことならもう1人で。
ずっと1人で。


傷つかずに生きていきたいのです。

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