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僕の憧れはお父さん

学歴が低いクセして、めっちゃ字が綺麗。

学歴が低いクセして、アルバイトで正社員より稼いでた。

学歴が低いクセして、経理とかいう一丁前な仕事をしている。

学歴が低いクセして、学歴がなくとも生きていけることを証明している。

あと、何万人という中から選ばれたメンズ・ノンノの最終先行をバックレるくらいカッコ良くて肝が据わってる。

あと、めっちゃ優しい。

周りの人には申し訳ないけど、めちゃくちゃ最高なお父さんだ。

いつだって僕にかっこいい背中を見せてくれて、
いつだって仲良くしてくれて、
ほら、今だって。

あんだけ喧嘩してたのに妹を使ってチョコレートを持ってきてくれた。

僕は父に向けて普段言えないことをこうしてここに綴っている。

彼は彼で僕のことを考えていて。

最高に仲の良い親子じゃないか。

でも、それだからこそ、言ったことに後悔したことが嫌というほど沢山ある。

直近では、「みっともない」とこぼしてしまった。

プライドというプライドが見事ポッキリ折れただろう。

これは誰にでも当てはまると思うのだけれど、「言わなきゃ良かった」と後悔しても、もう遅い。

いくら謝っても、どれだけ「本当は尊敬してるんだ」と伝えても、もう取り返しがつかない。

その時は「あぁ、うん。」となっても、不意に思い出す。

下手すりゃ3年後の寒い冬の帰り道とかに思い出す。

僕はもうこれに関しては何にもできない。

だからせめて感謝だけ伝えようと思った。

思ったことを伝えようと思った。

できるかどうかは別として、そう思った。

-100が、どうにかこうにか-70になるように、0になるように、100になるように。

大切なことは自分なりに伝えようと思った。

父には悪いけど、今の僕にはそれくらいしかできない。

何も持ってないから。

何もしてやれないから。

理想の息子になんて程遠いから。

せめて「ありがとう」だけでも伝えられたら。

何か変わるんじゃないかって。

そんなことを思ってる。

「人はいつか死ぬから伝えれる時に伝えておこう」って、大抵は相手がいなくなることしか考えてない。

どうして自分は死なない前提なのだろうか。

今の僕は、明日死ぬんじゃないかって、もう伝えれなくなるんじゃないかって、怖くて怖くてたまらない。

父が家に帰ってきて、「おかえり」の一言で会話が終わって、まともに話した最後の言葉が「みっともない」だ。

これだけ会話履歴を更新したいと思ったことなんてない。

でも今更この部屋から出たいとも思えない。

あなたにはそんな人がいませんか。

僕は早く「ありがとう」と、「尊敬している」と、「僕の憧れです」と、そう父に伝えたいです。

伝えれると良いんだけどな。

明日の朝、「おはよう」だけでも言えるように、今日は早く寝よう。

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