Next Career Lab. #4 -リモートの燃え尽き症候群,ECが小売を制する,転職で年収を下げるなetc
Next Career Lab.(ネクストキャリアーラボ)は「次のキャリアの"一手"を考えるメディア」です。
キャリアを考えるヒントをお届けして、みなさんとキャリアの攻略法について考えていきたいです。
本記事の内容は次の通りです。
1. Biz Update
2. 決算から読み解く業界動向
3. 失敗を語ろう
4. 質問コーナー
5. 今週のオススメ本
6. 雑談&コラム紹介
Next Career Lab. について詳しく知りたい方は⬇︎の記事からどうぞ。
それではいきましょう!
1. Biz Update - コロナ禍のモチベーション問題 -
今週は「コロナ禍 × モチベーション」に注目です。
コロナ禍でリモートワークに移行した人も多いと思いますが、若い世代を中心に離職率が高まっていることが問題視されています。
これは「燃え尽き症候群(Burn Out)」とも言われています。
コロナ禍の働き方を考えると、オンライン会議で上司に出会い、資料を読んでおいてと放置され、チャットで会話するといったなんともデジタルライクなものになりました。
上に貼った記事の中で、重要な示唆があります。
従業員が離職を考えている理由のほとんどは、管理職や組織から評価されていないと感じているか、自分の居場所が感じられないからだ。
これはつまり、「承認欲求」と「心理的安全」の問題だと考えられます。
【承認欲求】
「他人から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい」という欲求のことで、「尊敬・自尊の欲求」とも呼ばれている。
【心理的安全】
組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のこと。
リモートワークの普及によって、確かに効率が上がった面もありますが、失われたものもたくさんあります。
フィジカルなコミュニケーションはもちろん、一時期流行ったZoom飲みなんかもほとんど聞かなくなり(私の周りだけ...?)、コミュニケーションの絶対量がかなり減りました。
また、仕事とプライベートの境目がなくなり、労働時間や心理的な負担が増えているという面もあります。
「こんなに遅くまで頑張っているのに、どうして評価してくれなんだ...」
「仕事ばかりで、自然なコミュニケーションを楽しむ場所がない...」
こういった承認欲求や、心理的安全に問題を抱える人が「離職」という選択肢を選んでいること予測できます。
この問題は会社としても、個人としても大きな損失を生む可能性を秘めています。
対策として考えられるのは以下のような方法です。
【個人の対策】
① 仕事とプライベートの境界線をはっきりさせる
② こまめな進捗報告とフィードバックの仕組みをつくる
③ 不満やストレスを感じることを書き留め相談する
④ 月初、四半期などの期間で目標を設定する
⑤ ご褒美を用意する
⑥ 気分転換をする(ランニング、音楽、サウナ...etc)
【会社や上司ができる対策】
① オフラインの時間をつくる
② 仕事以外の話をする場をつくる
③ 役割を与えて、目標設定をサポートする
④ ヘルスチェックを定期的に行う
バーンアウト(燃え尽き)してしまって手遅れにならないように、まずは個人のできることから始めていきましょう。
以上、今週のBiz Updateでした!
2. 決算から読み解く業界動向 - コロナの勝ち組?「国内EC」事業 -
コロナによって企業の業績は「K字型」の様相を呈しています。K字型とは明暗が二極化してしまった状況のことです。
そんな中、勝ち組業界の1つとして挙げられるのが「BtoC-eコマース」です。
■ eコマース業界の概況
経済産業省が公表した「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」の報告によると、令和2年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、19.3兆円(前年19.4兆円、前年比0.43%減)とほぼ横ばいになりました。
横ばいなら勝ち組ではないのでは?と思われた方をいるかもしれません。
eコマースは3つの分野に分けれています。
物販系分野 : 食品、家電、化粧品、生活雑貨、衣類、自動車、その他
サービス分野 : 旅行、飲食、チケット、金融、理美容、デリバリー、その他
デジタル分野 : 電子出版、有料音楽・動画、オンラインゲーム、その他
それぞれの2020年の成長率は以下の通り。
これをみるとわかりますが、BtoC-eコマースの中でも「物販系 BtoC-eコマース」がコロナ禍において大きく増進しました。
逆に旅行やイベントを扱う「サービス系分野」は大きく減退しています。デジタル系分野も増進し、全体でみるとeコマースの市場規模は横ばいという結果です。
■ eコマース業界の勝ち組企業は?
では、コロナ禍おいて「物販系 BtoC-eコマース」を提供した勝ち組企業はどこでしょうか?
ズバリ、以下の企業が勝ち組です。
(各種数値は「【2020年EC流通総額ランキング】国内18・海外27のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド」を参照)
amazon、楽天、Yahoo JapanとECの巨人たちがさらに業績を伸ばしている状況です。
特に、Yahooショッピングは前年比+66.5%成長とひときわ大きな成長率を実現しています。話題のQR決済サービスの「PayPay」のシェアが上がり、Yahooショッピングとも大きな相乗効果が生まれています。
また、au PAYマーケットも売上規模は小さいながらも、大きな成長率を実現しています。
各社はQRコード決済においても熾烈なシェア獲得を展開していますが、買い物の出口となる「決済サービス」と全体を通しての「お得で楽しい顧客体験」を提供できるかが、今後のEC覇権争いのポイントになるのではないでしょうか。
今回「EC業界」に注目しましたが、あらゆるサービスを網羅して、自社の経済圏に顧客を取り込んでいく「プラットフォームビジネス」のプレイヤーばかりであることを考えると、プラットフォームビジネスの拡張性や柔軟性を感じるとともに、今後も市場の主役になることが予想されます。
3. 失敗を語ろう - 年収が上がらない転職はするな -
今週の「失敗を語ろう」のコーナーは、先週に引き続き転職活動に関する話です。
失敗談というよりは、逆に「やっておいてよかった」ことを紹介します。
転職するときの会社選びのポイントとして「年収」と「やりがい」のどちらを選ぶか問題があると思います。
一方の会社はこれまでの経験を活かして年収アップする道で、もう一方は好きなことや自分のやってみたいことに挑戦する道。
転職を経験した人なら一度は悩んだことがある問題だと思います。
こんな時はどう考えるのがいいのでしょうか?
私はこの質問に対して、これまで2度(公務員⇨Sier⇨コンサル)の転職を経験を経て、1つの答えを出すことができました。
それは「年収が上がらない転職はするな」です。理由は3つあります。
① 転職は「年収アップ」の大チャンス
② 年収によって「次の選択肢」が決まる
③ やりがいは「後から」ついてくる
1つ目の理由は「転職は年収アップの大チャンス」だからです。
これまでの経験を活かして、ポジションを正しく選べば100万~150万円程度の年収アップは割と現実的な数字でしょう。
普通に会社に勤め続けて、同じくらい年収を上げるようとすると、かなりの年数が必要なことが多いはずです。
せっかくリスクを取って転職をするのですから、一番自分を評価してくれる環境を選んで、可能な限り年収を上げることでリスクに見合うリターンを得ることができます。
次の理由は「年収によって次の選択肢が決まる」からです。
転職を検討するとき、多くの場合で選択肢として上がってくるのは「現在の年収と同等、もしくは20~30%程度上」のポジションです。
つまり、転職の選択肢は「年収」を基準に限定されます。
少し考えてみてください。
「やりがい」を選んで年収を下げて転職したけども、その仕事が自分に合っていなかった場合、次の選択肢はかなり限定されてしまうことになります。
これがやりがいを重視した転職の最大のリスクです。
最後に「やりがいは後からついてくる」です。
年収アップや、市場価値の向上を目標に転職活動をしているうちに、できることが増えていって、いつの間にか仕事に「やりがい」を感じているようなパターンです。
私自身このパターンなのですが、最初は「本当に自分のやりたいことってなんだろう?」などとよく悩んでいました。
しかし、今はコンサルタントの仕事に「やりがい」を感じています。
エンジャパンが9,000人のビジネスパーソンに行った、「どんなときに仕事にやりがいを感じるか」の調査では、1位が「お礼や感謝の言葉をもらう」、2位が「仕事の成果を認められる」という結果が出ています。
つまり、できることを増やしていくことが、結果的にやりがいにもつながっていく、調査結果が出ているのです。
もちろん、やりがいを無視するということではありません。
ですが、やりがいは環境や年齢などいろんな要因によってすぐに変わる曖昧なものです。
それよりも、迷ったときに必ず自分の助けになってくれる「年収」という柱を育てていく方がリスクヘッジの意味でも自分を守ってくれるのではないでしょうか。
【今日のポイント】
「年収が上がらない転職はするな」
転職は年収アップの大チャンス。年収を追い求めると、やりがいは後からついてくる。
4. 質問コーナー - メンタルが病んでしまった -
今週の質問コーナーはこちらです!
とても勇気があって、気づきのある投稿です。投稿者さんが回復されることを願っております。
転職することは常にリスクと隣り合わせです。
転職先の環境が自分に合っているかは、行ってみなければわからないものですよね。
エージェントから聞いたり、クチコミを見たとしても「リアル」は現場にしかありません。
投稿者さんが言うように、働く上で最も大切にすべきものは「健康な体とメンタル」です。
お金でも、人脈でも、名誉でもなく、健康です。
それらは「健康」があって初めて実現される二次的なものです。
転職に対する考え方として「1つ成果を出してから次の会社に転職する」というものがあると思います。
ただ転職を繰り返すだけでは、飽き性のわがままな人と思われて仕方がないので、次の会社でアピールする実績を作ってから転職する考え方です。
基本的にはこのスタンスを取るべきだと考えていますが、1つだけすぐに逃げ出すべき例外があります。
それは、その環境が自身の「健康に影響を与える」場合です。
この時は、すぐに逃げ出しましょう。
ブラックな労働環境、ハラスメント、過度のストレスを感じる場合は自分が来るべき場所ではなかったと割り切って、違う環境を探しましょう。
ビジネスマンとして、持続的には活躍していくには健康な体とメンタルという「資本」が不可欠です。
たまには自分と向き合って体やメンタルに異常がないかモニタリングする時間を設けるのもオススメです!
こんな感じで答えていくので、随時質問お待ちしています!
5. 今週のオススメ本 - EQ2.0 -
今週紹介する本は、タレント・スマート®の共同創業者であり、著作家のトラヴィス・ブラッドベリー 著作の「EQ2.0」です。
(新品は高額なので、中古で買うのもオススメです)
EQ(Emotional Quotient)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは「心の知能指数」とも言われています。
IQ という言葉は聞いたことがあると思います。IQは学習能力のことで、頭の良さを表す指標です。
では、EQ(心の知能指数)とはなんでしょうか。
EQとは自分自身と他者の心の動きに気づき、それを理解する力である。また、その気づきを使って自分の行動や人間関係をマネジメントする力でもある。
『全人格を測る』より引用
EQを簡単に説明すると、自分や他者の気持ちを理解して、行動をコントロールする力です。
人の心の動きは多種多様で、感情が私たちの言動や行動に与える影響はものすごく大きいです。それはつまり、家庭でも仕事場においても、EQが成功に与える影響が大きいということです。
EQは仕事の成功にどのくらい影響するのだろう?
簡単に答えると、「ものすごく影響する」。EQを高めることで、ひとつの方向に力を集中でき、最高の結果が生まれる。EQとその他のスキルを比較したところ、時間管理や意思決定やコミュニケーション力といったほとんどのスキルはEQに含まれていることがわかった。
さまざまな重要なスキルの土台になるのがEQである。EQは、日々の発言や行動のほぼ全てに影響を与える。EQは成功に欠かせない。
あらゆる職場において、成果の58%はEQによって生み出されている。
『EQの影響』より引用
EQについて理解することで、これまで意識していなかった成功や失敗の要因が見えてきます。
自分の気持ちをコントロールして、他者の気持ちを理解することで、物事をうまく進めるための道筋が見えるようになります。
実は「EQ」は「IQ」とは違って、後天的に身につけらる力です。
感情に左右されやすかったり、他人とうまく関係を作れないと悩んでいる人は、この本でEQを高めるためのテクニックを学んでみてはいかがでしょうか。
6. 雑談&コラム紹介
最後は雑談のコーナー!
なんだか今週は健康や、メンタルに関する内容が多くなってしまいましたね。
ということで、最後の雑談コーナーもその流れを引き継いで締めたいと思います。
「ウェルビーイング」という言葉を知っているでしょうか?
“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会仮訳)“
すべてが満たされた最高の状態、それが「ウェルビーイング」です。
以下の記事によくまとまっています。
最近では、ウェルビーイングを重要視して、ヘルスチェックや、健康増進プログラムに取り組む会社が増え、「健康経営」が注目されています。
ウェルビーイングが注目される背景には5つの社会的な動きがあります。
• ダイバーシティ
• 人材不足
• SDGs
• 働き方改革
• コロナ禍
これらの社会的な流れにしたがって、社員の健康状態を守ることも会社の役割になってきています。
会社員として働く身としては「もっと守ってくれ」と声を大にして言いたいところですが、みなさんはしっかりとウェルビーイング感じてますか?
会社で働くことに限らず、デジタルも私たちの健康を損なう脅威です。
Googleは「デジタルウェルビーイング」としてスマホの使いすぎを警告するサービスをリリースしたりもしています。
やっぱり、何をするにも健康が第一です。
まずは自分の身は自分で守る、これをモットーに健康第一で過ごしていきたいものです。
7. 終わりに
今週もここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
さらに良い情報をお届けできるように、コメントなど頂けましたら次回作も気合が入ります。
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それではまた来週。
今週も良い1週間を!
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