見出し画像

【Day3イタリアバール巡り パレルモ食べ歩きとバールの在り方】

Ciao!
朝イチのバスで片道3時間、シチリアの北側パレルモ日帰り旅。
「ヨーロッパで1番食べ歩きに良い街」に選ばれたこともあるパレルモでは、屋台メシとそれを支える市場mercatoを回ります。
バスに乗る前に寄ったバールで良い朝を過ごしご機嫌になったせいか、バス停方向ではなくホテルから来た道をまっすぐに戻ってしまう謎ムーブメントからの、焦って動いて野生の生き物のアレを踏んづけからの、バスチケットを買うのに右往左往して、ギリギリ飛び乗ったのはここだけの話。。。

無事にパレルモ到着。
はじめに訪れたのはMercato di Ballaró。ここで探した「スティッギオーラ」がすぐに見つからず、とりあえず酒屋で飲み歩き用シチリア白ワイン(プラカップ)ゲット。

スティッギオーラは仔羊の大腸の串焼き。ネットの記事で見た店とは違うかもしれないが、おっちゃんが前で焼いてる店があったのでとりあえず1本。そうしたらインボルティーニ, マンジャエベヴィなど他の伝統料理もあるじゃないか、次々頼む。白ワインが進む。ご当地の食と合わせてなんぼのご当地酒。すかさずメッシーナ(シチリアのビール)を追加注文。
12時前からしっかり飲む始末。クリスマスの音楽とやらを店の前で奏でてお布施をもらっていく伝統服を着たイタリア男たちにおっちゃんがお布施を払う様子を見て、調べの足りないことを棚に上げ行くべき場所の聞き込みをして、ついでに写真まで撮ってもらう。あざす。いい思い出つくった。



市場を再度ぐるっと。スフィンチョーネ(フォカッチャのピザ)の屋台はサイズ大きく出てきそうだから「ちっちゃいのください」とオーダーするもやはり大きい。けどこれで2ユーロ(300円ちょっと)なのでさすが屋台。


次に食べたい「パーニ・カ・メウーザ」(肺や脾臓の煮込みバーガー:モツバーガー)の聞き込み。店の店主じゃなくて客のおじいさんがめっちゃ勧めてくれる店が「あっちをまっすぐ行ってT字を右手に駅まで(以下、聞き取り不足で詳細不明)」にあるとのことでGoogleマップで調べてみたら、歩いて15分くらいのところに確かに美味しそうなモツバーガーの店が出てきた。しかし遠い。
本当にこの店か?という頃には電話片手におじいさんはどこかへ。詳細不明でも「西へ旅に出よ」という長老の言葉を若者は黙って聞いて行動するのみ(今回は東だったけどね)。
素直に歩いてたどり着いた店は常連の男どもで賑わう、コワモテお兄さんたちが担うパーニカメウーザ専門店。1つ3ユーロの格安パーニカメウーザ。う、うまい…。肺とか脾臓とか、汚れ溜まっていたり血流多かったりで食べるのにはあんまり適していない部位な気がするけど、臭みはそんなに気にならない臓物感がうまい。これは歩いた甲斐あった。長老に感謝。しかしこの店のことだったかは以前不明。

そこから次の目的地Mercato Vucciriaへ。細い路地裏に飲食店多めの市場が続いていく感じ。お兄さんが「これとかこれとか伝統料理で、全部合わせてこの価格でも食べれるぞ」と聞いてもないのにセールスしてくれてもイヤな感じがしないのはさすがイタリア?
しかし、ここはなんなくスルー。ああいう清々しい営業トークできるようになりたいな。

次の目的地は街のはるか北のバール。そうだ今回はバール旅。バールに行かずしてどうする。歩いてだいぶ疲れてきたのでバス移動を選択。イタリアはタバッキ(タバコ屋)でバス/トラムチケットを買わないと、車内で50ユーロの罰金を喰らうシステムなのをかろうじて覚えていたので(えらいぞオレ!)、タバッキでバスチケットを購入してバス移動。ビブスを着た取り締まりおじさんがバッチリ乗っていた、セーフ。

中学生、高校生が多いエリアに到着。
目的のバールは老若男女入り乱れて大人気。さすが別々の方から名前が上がった店なだけある。
パン、スイーツ、ジェラート、ホールケーキ、惣菜、レストランなど多機能で年代を選ばない店の在り方。中学生が溜まっていてスタッフに「ここはレストランスペースだから奥行け」と言われている風景があるバール素敵すぎる。おまえらの溜まり場マクドナルドじゃねえのな。うらやましいな!この店があることに感謝しろよ!大人になってから分かればよろし!



そいで次はバスに揺られて2軒目のバールへ。こちらは街外れの「お菓子屋さん」バール。たくさんのおしゃれお菓子たち。使っているのは落ち着いたおじさまおばさまたち。正直もう限界なお腹に「セッテヴァリ」(7層のチョコケーキ)をエスプレッソで押し込む。とても美味かったですもちろん。


この2軒のバール体験と昨日までのバール巡りで学んだのは、バールそれぞれの役割は、何を得意とするか、つまり持てるコンテンツによって変化するということ。
学生を呼びたければ金のない学生でも手に入る甘い菓子を。大人も呼ぶならゆったりした空間やレストラン機能など使い分けられる余地を。などということになるのだろうか。
その土地の人の動きに合わせて変化を重ね、業態が決まっていくのだろう。人気な店は「その場所にフィットしている感」があると思う。

さて幼少期、僕のイタリア料理への道を開いた「アランチーノ」(ライスコロッケ:米が好き、揚げ物が好きなぽっちゃり系は米が揚げられて出てきた時に卒倒しかけたという逸話が云々)の原型はパレルモの「アランチーナ」というから人気店へ行くしかない、とたどり着いたMercato del Capo。見たことなかったシチリアビールとともにパンパンのお腹に最後のパンチ。パレルモ食べ歩きは、食べられなかったわずか数品を残して満足いくものとなりました。残りは次回で。



食べ歩きできる街からは「バル街」イベントを街全体で開くためのアイデアを学べました。
わざわざ歩く理由があれば僕のように2万歩歩いてでも動いてしまうわけ。
Wellnessなバル街イベントもできちゃうんじゃないかしら。いつか必ずやるぞ。

最後に与太話。
土着ブドウのワイン(イタリアはとにかく土着の品種が多い)も買えてパレルモからの帰り際、向こうからくるイタリア〜中東系の若者に声をかけられた。
「英語いける?〇〇大学で勉強してるんだけど、なんとかかんとかで、お金がなくて電車で帰れないから4.8ユーロ貸してくれないか」
あー、聞いたことある。前にイタリアから脱出する日だったか、明らかにイタリア人ではないヨーロッパ系のお兄ちゃんに「全て無くして帰れないから50ユーロくれないか」と言われて、嘘か本当か知らんけど「お金がないからこの行為に至っている」ことだけは確実に分かったので、財布にあるだけの札を渡したことがある。
その時のことが咄嗟に思い出された。
同じだ。この際、お前が本当は今まさに困っていないにしても、お金に困ってこの行為に至っていることは分かる。ゲームでやっていたとしても、別に僕から取る分には構わんから10ユーロ持って行ってくれ。世の中でどうにかこうにかが起きて、「風が吹けば桶屋が儲かる」の逆だって起きているはず。風が吹いて生活に困窮する、がグローバルな視点では確実に起きていることに思い至る。
10ユーロの募金とともに、生きづらくなった世の中に想いを馳せる。ありがとう若者よ、昔の記憶が蘇った。
ワイン屋でお姉さんにイタリア語を褒められて良い気になり「なんか幸せだなあ、こうやって適度に働いてイタリアで遊んで、くらいにのんびり暮らしていくのも悪くないな」となっていたところに、この若者の来訪。
「動け」。
運命づけられている気がしてしまう。
今はしっかり休もう。帰ったら僕には人生かけてやることがある。
「善く生き、善く逝く社会」は何も日本に限った話ではないはず。視野を大きくする練習もこの度は兼ねているのだろう。
また明日。イタリアを楽しみ、しっかり休みます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?