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「ご飯食べに行こう」

外食の現代的な利点は、リスクの少ない食事の場だからでしょう。
さっそく世の中に矛盾するようで混乱させてしまいそうですが。

外食の場には他者の目線があります。
食事の場というのはそれ以外の場所で鎧をまとっていた自分をほどく時間なので、相手の本性が出る可能性が高いわけで、良くも知らない相手の本性を
さらされる可能性を下げるのが、公共の目線というわけです。
外食にはある程度の身体的・心理的安全性の担保という価値がある。
リスクが少ないのです。

その場所のある程度の安全性が分かっているので、主体的に声をかけること
のハードルが下がります。
こうして「ご飯食べに行こう」が発動します。

魔法の言葉「ご飯食べに行こう」。
意図を含めつつ可愛く伝えられる便利な言葉です。

会いたい、話を聞きたい、話をしたい、感情を共有したい、寂しい、悲しい、変わりたい、変われるよ…。

「ご飯食べに行こう」
素敵な言葉です。
「飲みに行こう」
これもより一層感情がどす黒く渦巻いていて好き。
どちらも人間が詰まっている。
現代における外食の場に、「疲れた現代人にとって心理的安全性を保ちながら人間関係を形成できるリスクの少ない場所」という価値を付与したっていいのでしょう。

「心が疲れたらお粥を食べなさい」という好きなタイトルの本があるのですが、心が疲れたら一緒にお粥を食べればいいんだと思います。
そんな中学時代からの友人との夜ご飯でした。




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