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『14歳の栞』の20年後に思いを馳せる

先日、映画『14歳の栞』を観てきました。

すでに十分すぎるほど知られていますし、いろんな方がnoteでも取り上げていますが、この作品は「とある中学校の一クラス」に密着したドキュメンタリーです。何か大きなことが起きるわけでもなく、日々の様子を撮影したものですが、14歳をとうの昔に終えた私には不思議と心に残る作品でした。

SNSやラジオの影響ってすごい

私が映画『14歳の栞』をはじめて認識したのは、Twitterのリツイートだったはず。

予告で引き込まれて、ずっと気になってて。
すると私の好きなラジオパーソナリティが次々のラジオの中でこの映画について話すではないですか。

以前のnoteで深夜ラジオを聴くようになって起きた私の変化として「映画を見るようになった」を挙げましたが、今回もまさしく「こんなん見るしかないやん」と思い、鑑賞できる映画館を探しました。

地方住まいなので「そもそもやっているのか」が問題でしたが、調べた当時は県を越えないと観られない状況。それでも5月末に、県内の小さな映画館で観られることがわかりました。

そして予約できるようになったので速攻で席を取り、いよいよ当日。
映画を楽しみにしながら仕事を終えるのは久しぶりだなぁ~なんて思いながらレイトショーに向かいました。

観終わって、生徒たちへの愛おしさが爆発

映画館は全部で15席ほどのこじんまりとしたところで、ゆったりと映画の世界に浸れそうな雰囲気。

実際、映画のはじまりから終わりまで、飲み物を飲むことすらなく集中して見入ってました。

映画の感想をざっくり挙げるとしたら、こんな感じ。

・あれ、冒頭の馬、見覚えあるけどまさか撮影場所って…。
・私立じゃなくて市立!?よく撮影できたな…許可とかすごいな。
・14歳ってこんなに自分の気持ちを話してくれるのかな。撮影って、どのタイミングで始まったんだろ。
・立ち位置って悩むよね、教室と部活、家ごとのキャラ変、めちゃわかる。
・先生の道を選んでたら、どうなってたかな。教員免許、もう使わないなー。
・14歳ってほんとに絶妙な年齢だな…。
・全員が愛おしくてたまらん。

特に「愛おしい」という感情は、思いのほか溢れました。正直、2時間で35人に密着って一人ひとりへの思い入れが残らなさそうだなーと思っていたのですが、映画を見終わって数日たった今でも、公式サイトの集合写真を見ると全員が話していたことを思い出せるのにびっくり。2時間で35人って1人あたり3分ちょいですよ…。もちろん複数人が登場しているシーンが多いですが、そんなに全体通して印象に残ってるのか。最後にクリープハイプの栞が流れた瞬間、涙が出るわけだ。

(曲だけでも、すごくおすすめです。今は消されてるけど、あいみょんやsumikaの片岡さんたちが参加されていたほうもすごく好きだった)

映画が終わった後の余韻もすごく、できれば、そのまま座り続けたかったくらい。冒頭と終わりで昨今のSNS事情にも気を配られていましたが、本当に全員が影響なく過ごしてほしい。

あとバレンタインとホワイトデーのやり取り、めちゃくちゃグッときました。30歳を過ぎた私にはまぶしすぎて、なぜか涙が出てきたシーンのひとつでした。

14歳だった自分は

この映画を観ると自分の14歳の頃を振り返る人も多いと思いますが、私も「どうだったっけな」と思い返しました。

ただ、びっくりするくらいクラスメイトのことを思い出せない。誰ちゃんと仲がよくて、誰くんのことが好きで……なんてことが本当に記憶にない(笑)

・中学生の頃に一人称を「俺」にしようとして部活の友人に止められたなー。
・部活を休みたくて、何回も仮病使ってたなー。
・1人が好きって言って、よく部室の裏に隠れてたなー。
・最後の体育大会、めちゃめちゃ盛り上がったなー。
・やんちゃな男の子と話すの、地味に緊張してたなー。

なんて部活のことや3年生のときのことは少しは思い出せるんだけど、2年生となるとこんなもんか。


『14歳の栞』の生徒たちは、数十年後にこの1年を振り返ってどんな感情を抱くのだろう。映画を見返して、ほほえましく感じるのか、青かったと思うのか、黒歴史だと思うのか。

自分のクラスが仲がよいと思える幸せ、その幸せの裏でそれぞれの思いがあることを知ったときの気持ちの変化。

もし『34歳の栞』があるのなら、映画に出演したあの頃を振り返っての思いを語ってほしいな、と思うものです。


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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!




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