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【新クトゥルフ神話TRPGシナリオ】密林の偶像

【密林の偶像】
■推奨人数:2人
■推奨職業:なし
■推奨技能:なし
■戦闘  :あり(RP次第)
■プレイ時間:1.5~3時間
■ロスト率:高
■ジャンル:

【はじめに】
この度は本作をてにとっていただき誠にありがとうございます。
TRPGシナリオを本格に執筆するのは初めてですので、不十分なところも多々あるかと思いますが何卒ご了承ください。
不足の場合につきましてはKP様の創造で補っていただきますと幸いです。

本作「密林の偶像」は比較的ルートが決まっており、探索者の行動に依ってストーリーが大きく変わってしまうようなことはございません。
そのためノベルゲームに近い作品となっています。

推奨人数について、2人と記述いたしましたのは後述します「個別の神託」が敵対する二勢力によって2つの神託があるためです。
しかし、プレイ人数が2人を超えた場合でも各プレイヤーにどちらかの神託を授けることで、複数人でも遊ぶことが可能でございます。
その際は各勢力同士、若しくは勢力がわからない状態での「秘密通信」を設定するなどして柔軟にプレイしてみてください。

【探索者の創造について】
特に必要な情報はない。
各々好きに探索者を創造するといい。

【キーパーの情報】
【シナリオ背景】
シナリオの舞台は頭に動物の特徴を持ち首以下が人に似た体を持ったジューマンが住んでいる世界「ジューマンワールド」である
この世界には信仰というものが存在しておらず、複数の神々から多様なアプローチを受けているが、そのなかで特段ジューマンワールドに興味を示しているのは「知恵の神」と「支配の神」である。
ジューマンワールドに信仰はないといったが、それはどの神もこの世界に対して絶対的な支配権を保持していないからである。
「知恵の神」と「支配の神」はその支配権をめぐり対立しているが、現在「知恵の神」がこの世界に【石像】を立てることに成功し優勢である。
劣勢な「支配の神」は打開策として【石像】を破壊するべく【運命力】の強い人間をジューマンワールドに送り込む。
しかし、「知恵の神」も見逃さず、「支配の神」の野望を打ち砕くため自分の使徒としてもう一人の人間に神託を授ける。
そんな状況で「支配の神」「知恵の神」に選ばれた探索者達は【ジューマンワールド】に送り込まれることとなった。

【ジューマンワールドの詳細】
ジューマンワールドは「もし地球が滅亡したら」という〇〇から生まれたパラレルワールド。
度重なる幾数度の戦争や、未知の大災害によって人類文明が滅亡した後の世界。
世界のダイナミクスを捻じ曲げてしまうほどの強い運命力を持った人類がいなくなったことで世界中の陸上動物たちは自我を獲得。
同時に運命力に押さえつけられていた地球のダイナミクスもその反動で、奇妙な生態系や植生、気候を構築を構築。
現在我々の知っている地球は全く以てにつかない星と化してしまった地球では生物が安全に生きるのは厳しい。
その際たる特徴が地球の大部分を覆っている濃霧である。
森、海、山、平原、雪原。温暖、冷寒問わずいたるところに発生している濃霧下の環境では方向感覚が全くつかめず、自然と少ない部分でしか過ごすことができなくなったジューマンは点々と集落を構築。
IQの低いジューマンでは、人類の残した技術や遺産も活用することができず単なるアーティファクトとして存在している。

【NPC紹介】
◆レオン
ライオンの特徴を持ったジューマン。
集落の遠征隊見習い。
高い戦闘能力と洞察力を持っているが、いかんせん頭が悪く先走りすぎるための今回の集落外遠征にはおいていかれた。
「人間」という言葉に対してうっすら聞いたことがあるというが、それが何を意味しているのかは理解していないし、気にならない。
密林の中では基本槍を持っている。
STR:16
CON:16
SIZ:13
DEX:17
POW:16
耐久力:15
武器:槍60%、1D8+2
装甲:獣の皮膚1

◆マギ
ゴリラの特徴を持ったジューマン
第31代目長老補佐。元の名を”サオリ”
”マギ”は職業に付随した襲名性。
マギの持つ特殊なアーティファクトは「人間」の渡来の予言と居場所がわかる効果を持っている。
したたかで頭がよく、今代に関しては戦闘力も高い。歴代最高のマギ
STR:17
CON:14
SIZ:14
DEX:16
POW:17
耐久力:14
武器:こぶし70%、1D8+2
装甲:硬い皮膚3

◆ロートル
オランウータンの特徴を持ったジューマン
第31代目長老。元の名を”ムロフシ”
”ロートル”も職業に付随した襲名性。
集落の遠征隊出身かつ高い能力を持ったものが次代のロートルとなる
マギと同じく種族で決まるわけではない。
とても活発な性格をしており、先見性がとても優れている。
突拍子もない言動全てが何かしらの意味を持っていると”マギ”は語る。
STR:18
CON:18
SIZ:18
DEX:17
POW:17
耐久力:18
武器:こぶし70%、ダメージ1D10+2
装甲:分厚い皮膚5

◆やまと
支配の神による一度目の使徒
元の世界に帰ろうとした際、野生化したジューマンに殺されそうになるが、もうひとりの使徒で友達の”あきら”にかばわれて助かる。
やまとをかばって致命傷を負ったあきらはその後に死亡する。
”支配の神”の使徒でその信託を受けており、この世界に飛ばした支配の神を”邪神”と呼び憎んでおる。あきらを殺したジューマンも憎んでいる。
この世界に飛ばされて100年弱、石像の裏の地下で帰るチャンス伺っている。
長年の調査によって元の世界への帰り方はなんとなくわかっており、一度一人で帰ろうとしたが、襲ってくるジューマンに対抗できず撤退した。
STR:9
CON:14
SIZ:11
DEX:17
POW:8
INT:12
APP:10
EDU:8
SAN:40
耐久力:12
武器:選ばれし者のこぶし60%、1D6+4
装甲:無し


【導入】

飛行機の中

あなた達は前から計画していた海外旅行の最中だ。
数時間前に空港で合流してから合わせて飛行機に乗った。
行きの飛行機の中で探索者達は楽しそうに旅行の計画を話していることだろう。
離陸してから一時間が経過した頃、突如飛行機が大きな揺れに襲われる。
シートベルト着用のランプが点灯し機内アナウンスが流れる。
「皆様にご案内いたします。只今雲の中を飛行しておりますので少々揺れておりますが、大きく揺れましても飛行の安全には影響ございませんのでご安心ください。皆様のご安全のためシートベルトをお締めください」
10分以上経過しても一向に揺れは収まらない。ふと窓の外を見ると雲が見たことない位紫色をしている。
がたん!!
飛行機が何かにぶつかったかのような、または止まってしまったかのような大きな衝撃が探索者たちを襲う。
その直後、探索者は永遠の闇に包まれた不思議な空間を彷徨っていた。

【神託】
<秘匿情報>以下の情報をPL1,PL2にそれぞれ渡す。
PL1
あなたは朦朧とする意識の中なにかの声が聞こえます。
何者「聞こえるか我が子らよ」
何者「我は神である。救済の神である。汝は邪神の手によって、理不尽にも狭間の渦に巻き込まれてしまい、異界へと追放されてしまった。ああ、いと嘆かわしいこと。されど諦めることはない。追放された世界で世界の象徴を探せ。さすれば現世へと戻る道は開かれよう。幸運を祈る」
と勝手に言い残し何者かの存在が消えたことを感じます。
PL2
あなたは朦朧とする意識の中なにかの声が聞こえます。
何者「聞こえるか我が子らよ」
何者「我は神である。絶対の神である。これから汝は我が使徒ととなり、我が使命を果たしてもらう。異界の地でその世界の象徴を破壊し、汝の存在を世界に示せ。しからば汝は世界の主神として恒久の名声と力を得るだろう」
と勝手に言い残し何者かの存在が消えたことを感じます。

【密林】

密林

意識を失った二人が目を覚ますとそこは飛行機の中ではなく全く見覚えのないジャングルでした。探索者には状況判断と今後の行動を相談してもらいます。
※KP補足
┃草の高い身長と地上に露出した木の根に探索者たちはこのジャングル内での行動が制限されるだろう。場合によっては<体力>が減ることも考えられる。
┃あまり進行が進まない場合は東西南北どこに行くかを聞いてみるといいだろう。
┃この後ジューマンとの接触があるが、その見た目に動揺した探索者たちは1度目の出会いのときにのみ<精神>チェックを行う。成功・失敗は<心理>で判定する
┃<洞察>に成功することで北・東からはなにやら人の声が、南からはかすかに水の流れる音が、西からは風が強く吹く音が聞こえる。また<知識>植生調査を行うことであたりの植物を観察してみても見覚えのない植物しかないことに気がつくだろう

【北(東)に進む】
北(東)に向かった二人は生い茂る草木をかき分けなんとか先に進もうと歩を進めた。
北(東)の方向に進んでいると東・北の方から何者かがこちらへ向かって草を切り分け、木の枝をオリながらすごい勢いで走って来ている気配を感じた。
※KP補足
┃<隠秘>でレオンに見つからず潜んで対面することができる。そのまま隠れてレオンが過ぎ去るのを待っても良いが、後を追おうとすると必ず気づかれるだろう。
┃後を追わない選択をした場合はしばらくした後にマギが迎えに来るという進行をするといい。”マギ”はその能力で探索者たちの居場所を把握できるため、ジャングルの中で探索者たちが遭難などをした際にも迎えに来てくれるだろう。マギ「おやおやこんなところで何をしているのですか」などといい怪しさ満点でこちらに話しかけてくる。
┃その後、場面【ゴリラのジューマン】に移動する。
走って来たのは頭部にライオンの特徴をもった人間のようで絶対に人間ではない謎の生命体だった。手に石器の武器を持っており明らかにこちらを警戒している。
レオン「おい、お前たちそこで何をしている。俺はライオンのジューマンのレオン。お前たちはなんのジューマンだ!?」などと言いじわじわ近づいてくる。
ある程度質問したりすることはできるがレオンはせっかちな正確であるため、二回程度しか質問できないだろう。
その中で「人間」という話題を出してもレオンはその言葉を知らない。「ジューマンとは?」と聞かれても「俺たちのことだ」くらいしか言えないだろう。
一通り問答を繰り返していると、考えることが嫌になったかのようにレオンが探索者達に再度問いかける。
レオン「どうやらうちの集落のものではないな、こんなところに知らないジューマンがいるのはおかしい、とりあえずうちの集落へ連れて行く。悪いが大人しくついてきてくれないか」
レオンは警戒を緩めていない。抵抗しようとすると必ず<戦闘>になるだろう。
このまま大人しついていけばジューマンたちの住む集落に連れて行かれるため【集落】に場面転換
戦闘に負けてもレオンに運ばれ集落に着く前に気絶から目が覚めるだろう。

【南へ進む】
南へ向かった二人は生い茂る草木をかき分けなんとか先に進もうと歩を進めた。
南に進むに連れてだんだん霧が深まってきた。視界が白く染まっていきもうどこから来たのかそしてどの方角へ向かっているのか全く見当がつかない。
それに加えてなにか奇妙な気配を感じる。まるで心のうちを探られているようだ。<精神>チェック(<0/2>の判定を<心理>で行う)
※KP補足
┃<精神>ロールに成功した場合はなにやら神聖で厳かな空気に包まれる。戻ったほうがいいような気もするし、もう少し探索してみたら元の世界に帰れる手がかりが掴めそうな気がする。
┃濃霧の中でなんとか手がかりをつかもうとするなら<洞察>で遠く先に緑色の光が見えることがわかる。

【緑の光の先】
緑色の光の場所にたどり着くとそこには石像があった、まだ遠いため詳しく観察することができない。
探索者たちがさらに近づこうとすると「お待ちなさい」と声が聞こえる。その方向を見ると頭部にゴリラの特徴を持った、人間のようで絶対に人間ではない謎の生命体に遭遇した。
場面【ゴリラのジューマン】に移動

【西に進む】
西へ向かった二人は生い茂る草木をかき分けなんとか先に進もうと歩を進めた
しばらく先に進むと風の音が強くなり、急に視界が広くなる。
そこは断崖絶壁の崖だった。落ちたら絶対に死ぬ。引き返したほうがいいだろう。
探索者たちが元の場所に戻ると長距離移動による<体力>チェック(<0/1>の判定を<運動>で行う)
元の場所に戻るとそこにはゴリラの顔をしたジューマンがいた
場面【ゴリラのジューマン】に移動

【ゴリラのジューマン】※もう少し補足
マギ「まさかとは思いましたが、このようなところにおられましたか。」
そこには落ち着いた表情で話しかけてくるジューマンがいた。
マギ「おっと、失礼いたしました。私の名前はマギ。ゴリラのジューマンです。お二人のことは以前から感知しておりました。ぜひお会いしていていただきたい方がおりますので、ついてきていただけないでしょうか。」
※KP補足
┃抵抗しようとしても<戦闘>にはならず、マギは「抵抗はやめておいたほうがいいですよ。お二人では二人がかりでも絶対に私には敵いませんので」と言うだろう。
┃その際勢いよく放たれたその覇気に二人はとてつもない恐怖を抱き<精神>チェック。
大人しくついていくと【集落】の場面に移動

【集落】

集落

案内役のジューマンに誘われ、二人はジューマンたちが住まう集落へとたどり着いた。
その集落は村と言うにはあまりに大きく、都市と言うにはそこまで発展していないようなどこか中世ヨーロッパを感じさせる集落だった。
周りを見れば、うさぎや狼、像、カンガルーといった多くの動物の特徴を持ったジューマンたちが暮らしており、わーわー、キャーキャーと楽しそうに暮らしている。
そんな大通りを通って集落の中央へ進むと周りの建物よりも一回り大きい屋敷があった。
正門をくぐり屋敷の中に入ると100人くらいは余裕で入りそうな広間へと案内された
マギ「少々ここでお待ち下さい。長老を読んできます。」
マギはそう言い残すと広間の奥の方へと消えていった。
周りを見渡すと見覚えのあるものがたくさんある
ーー調べられるものーー
・スナイパーライフル
 本物のスナイパーライフルっぽい。本物は見たことないけど
・地球儀
 二人がよく知っている地球儀。この世界のものではない?
・ノートパソコン
 充電がないのか起動できない。そもそもこの世界に電気は有るのだろうか?
・広辞苑
 明らかに日本語の広辞苑。とても綺麗な状態で残っている。そういえば言葉は通じてるけどこの世界の文字がわからない
・絵画
 なんでもいい。二人が知っている絵画を聞こう

しばらくすると場内に大きな太鼓の音が鳴り響く、奥の大きな扉が開くと3メートルはあるであろうチンパンジーのジューマンが現れた。
そのジューマンはあまりにも大きく、存在感に溢れていた。数人がかりで立ち向かっても絶対に勝てないであろうことは探索者たちにとって明白だっただろう。
ロートル「おうおうそんなに気になるか。それはな俺たちが遠征して手に入れた古代のアーティファクトさ。まあ使い方はわからんのだがね。お前さんたちは知ってるのかい」
など飄々とした感じで話しかけながら入ってくるだろう。その後ロートルは自己紹介をし、探索者にいろいろ聞かせてくれと行ってくるだろう
※KP補足(ロートルが持っている情報)
┃ロートルは人間がかつてこの星を支配していた存在であることは先祖代々つけ継がれてきた情報として知っている。ただそれ以上のことは知らない。
┃ロートルとマギは探索者が人間であることはやまとたちの例によってほぼ確信を持っている。そのうえでアーティファクトの使い方や人間が持っている知識を集落の発展に使えないかと考えている。できればずっと集落にいてほしいと思っている。
┃この集落の周りは濃霧が覆っている。その外に出ること、外の世界との連絡を取ることを目的として定期的に遠征隊を派遣しているが霧の外に抜け出せたことはない。帰ってこなかった部隊もいる。現在も遠征隊が遠征中である。
┃ロートルは遠征隊の元隊長である。
┃アーティファクトはもともとこの集落にあったものもあれば、遠征隊が回収してきたものもある。
ある程度話した後なにか思い出したようにロートルは話す
ロートル「あー、これ以上のことは俺もよくわからん。ただこの集落の南いつから有るかわからねえ祭壇が有るんだ。そこに行けばおまえたちならなにかわかるかもしれんなあ。マギ案内してやれ」
マギ「かしこまりました」
そう言いマギは探索者に近づきついてくるようにと指示をする。
その後探索者は街を探索したいということもあるだろうその際は場面【集落探索】で移動。
何も発言がなければ場面【石像】へ移動

【集落探索】
先程の通りとは違う通り、道を走り回る子供(トラの女子のジューマン)、建物を建設している大工(ブタの男のジューマン)、鍛冶場(サイの男のジューマン)、食事処(シカの女性のジューマン)等がある。
話を聞けるのはそれくらいだろう。しかし、探索者達が欲しい情報は手に入らないだろう。なぜなら彼らは「人間」という言葉すら知らない。霧の外のことも。人間にまつわること、霧の外のこと、アーティファクトのことなどはロートルやマギ、遠征隊ら一部のジューマン以外はしらない情報であっるからだ。彼らは古くからこの集落に代々住み続け、その外に出てはいけないことは常識である。
ジューマンの文化的な情報として、彼らは肉というものを食べない。牛の肉などといえば蔑んだ目で見られることだろう。
食事処に行き<洞察>をするとメニューに見慣れない文字があることがわかるだろう。
それは日本語でもなければ、英語でもロシア語でもない。<知識>でもその文字はわからない。なぜならこの集落、世界で発展した独自の文字だからだ。

【石像】

石像

集落を出て暫く歩くとあたりに霧が立ち込めてくる。集落から祭壇の間には祭壇に行くために建設されたであろう街灯が建てられており、それを頼りにマギと探索者は進んでいく。
しばらくすると前の方にうっすらなにか建造物がみえてきた。霧が立ち込めてからずっと黙っていたマギが急に話しだした。
マギ「実はわたしはここから先には進めないのです。他のジューマンではここまでも来れません。私も今とても気分が悪いのでそこの祭壇までは二人で行ってきてください。私は最後の街頭のところで待ってます。では」
そう言い残すとマギは街灯のある位置まで戻っていった。振り返るとうっすら街灯の明かりが揺れていた
探索者が祭壇に近づくと、それは祭壇と言うかは誰かの石像のようだ。知恵の神の使徒の探索者のみその石像の顔に見覚えを感じる。しかし思い出すことはできないだろう。
<洞察>で観察すると石像の土台のところに「この石像の裏に地下に繋がる階段がある。その先でお前たちを待っている」と日本語で書かれていることを発見する。
この石像に対してさらなる<洞察><知識>で情報を得ることは難しいだろう。
※KP補足
┃<格闘><運動>で石像を殴ることができる。”知恵の神の使徒”の探索者が殴ってもびくともしないが、”支配の神の使徒”の探索者が殴ると石像の顔面にヒビが入ってしまう。もう一度殴れば壊れてしまう。

石像の後ろの下を見るとたしかに地下につながる扉らしきものがあった。そこは錆びついていたため<運動>もしくは、体力1減少で開けることができる。

【地下】

地下

石像の裏にある扉を開けると地下に繋がる階段があった。
階段には明かりがなく行く先は真っ暗で見えない。階段の下までは手を壁に添わせながらゆっくり下っていくと特に安全に下ることができるだろう。
階段を降りた先には更に奥につながる坑道のような通路が有り、最奥の部屋には暖炉があるため坑道の中も足元が見えるくらいには明るい。
また、最奥の部屋までの道のりには右、左の順番で横に伸びる通路が二つあるが、その先には明かりがなくどれだけ伸びているか、どこにつながっているかはどうやってもわからないだろう。
※KP補足
┃もし探索者が先の見えない道でも先に進みたいと言ったら以下の情報を渡さずに言う通りにするのもいいだろう。
┃右に伸びる通路に行くと川に通じている。ただし、先から帰ってきているやまとと遭遇してしまう。彼は松明を持っており、しばらく歩いていると通路の先から明かりが近づいて来ていることは必ず気づくだろう。
┃左に伸びる通路に行くと集落の東側に通じている。道中<0/1d3>を二回成功で集落の東側まで帰れるだろう。失敗すると、この先に行っていいのか不安に襲われ探索者は戻りたくなってくるだろう。また、集落の東側についた頃にはマギと〇〇が待ち受けており、「何をやっているんだ」と戦闘になるに違いない。
光のある通路の奥まで進むと、そこは20畳、縦は3mはあるくらいの空間だった。
そこには通路から見て左奥に暖炉、その手前にはローテーブル、右奥には机、右手前には棚や道具置きがある。
それぞれ調べることができるが、二つ程度調べたらでかけていたやまとが返ってくるだろう
ローテブル
┃ローテブルの上には木製のきれいな皿とコップが置いてある。

・メモ
┃10センチ程度の布に書かれてるメモ。読むと「元の世界への帰り方」とタイトルがあり、その下に以下のように手順が書かれてある。
 ┃1. 石像を正面から奥に向かって1m動かす
 ┃2. 石像のあった場所に魔方陣があるからその上に立って「ゲートオープン開放」と叫ぶ
 ┃3. 一本の光が空に向かって伸び、しばらくするとゲートが出てくる
 ┃4. ジューマンたちが襲ってくるから誰かが足止めをする
 ┃5. ゲートが開いたら催涙玉でくらまして、足止め係が急いでゲートに飛び込む
 ┃6. 帰れる
・手のひらサイズの黒い玉<目星><聞き耳・嗅覚>
┃匂いを嗅ぐと少しピリッとし、鼻の奥がツーンとするということがわかる。
棚・道具置き
┃槍や盾などの武器、木彫りの像がある。
※KP補足
┃この後やまとが催涙玉を探索者に渡すシーンがあるが、メモ、催涙玉がないことに気づくと、探索者に問い詰めるだろう。<信用>にペナルティダイス-20を与えることをおすすめする。
探索者が部屋の中を調べていると入口の方から物が落ちる音が聞こえ、振り返るとそこには男が立っていた。
男は「ああ、あぁ」と絶句した様子で涙を流し立ちすくんでいた。
探索者が慰めたり、心配そうに駆け寄ったり、知ってることを話せなどと男に接していると、鼻声で「すまない、動揺してしまった。俺の名前はやまと。日本人だ。お前たちの名前を聞かせてくれ。」と言ったりするだろう。
やまとは探索者たちと同じ状況で”支配の神”の信託を受けている。NPC紹介でも記述したが、一緒に転移してきた友達をジューマンによって殺されており、支配の神もジューマンもひどく憎んでいる。救済の神というワードについては何も知らない。なぜなら彼をかばい死んでしまった友人こそが救済の神の信託を受けているからだ。
やまと「お前たちここにいるってことは、飛ばされてきたってことでいいんだよな」
やまと「俺も同じなんだよ、あのくそ野郎に世界の神になれって言われてこの世界に飛ばされてと思ったら、ジューマンに友達を殺されて、、、」
やまと「俺はジューマンが信用ならねえし、あの神も邪神だ、邪神!!」
やまと「お前たちも日本に帰りてえよな!!」
などと長年一人だったせいか、語っても語りきれない事がある様子のやまと。概ねは探索者たちとほとんど同じ出来事を経験している。違うことといえば相方が死んでしまったこと、一度元の世界へ帰ろうとしていることくらいだろう。ただ元の世界への帰り方については渋っているため<信用>でしか答えてくれないだろう。そうして一通り話し終わった後やまとが切り出す。
やまと「だが、お前たちが来てくれればこの計画を実行できる。俺と協力して元の世界に戻ろう」
といい、二人に返事を求めてきた。ここで賛成反対を決めることもできれば詳しく計画の内容も聞くことができる。しかしやまとは計画の内容を聞かれると同様に渋った感じで「計画は万全だ、問題ない」のような返事しかしない。
探索者がやまとの計画に賛成すると。やまとは計画を語りだす。それ以外のことに関しては基本的に器が大きいので、「ちょっと待ってくれ」「二人だけで話したい」というような要求には二つ返事で了承してくれるだろう。
やまと「よしじゃあ作戦を説明する。俺が今からこの石像を動かしてゲートを出す準備をするが、石像を動かすとジューマンが凶暴化して襲ってくる。理屈はよくわからん!!そこで時間稼ぎのために二人にはジューマンの相手をして欲しい。合図したらこのやまと特性催涙玉をジューマンに投げ戦闘から離脱し、ゲートに飛び込め」と作戦を聞き、催涙玉を一つもらう。逆にやまとの作戦に反対するとやまととの<戦闘>が始まるだろう。勝てばやまととの交渉が有利に進む。やまとが死ななければの話だが。
やまとに負けるようなことがあればやまとは探索者の事を身代わりにするだろう。気絶させた後探索者を縄で縛り、襲いかかってくるジューマンたちと帰る準備をしているやまとのあいだに置いておき、ジューマンたちに襲わせる。
探索者が起きたときに身動きが取れないでは時間稼ぎができないであろうから縄をゆるく縛りジューマンが襲ってくる直前に目を覚ました探索者達は簡単に縄を解くこともできるだろう。ただ確実に戦闘が始まってしまう。
10ターン、ジューマンと戦闘していると、後ろの方でくろい靄が浮かび上がるおそらくそれがゲートだと気づいた探索者は自分のターンを消費してゲートに入れるかもしれない、だが、二人で帰るのはほぼ不可能だろう。

【祭壇二度目】
祭壇に行くと、やまとは祭壇の石像を後ろの方へ動かす。動かした場所は地下につながる扉の上で、探索者が地下へ避難しようとすると石像が邪魔で地下へは戻れない。
やまとは石像あった場所の上で「ゲートオープン開放」と叫ぶ。数十秒後周辺がが次第に明るくなっていき空に向かってやまとから一本の光の線が立ち上がる。その瞬間集落の方角から遠吠えが聞こえ複数のジューマンがこちらに向かって走ってきているような気配を感じる。やまと「来るぞ、構えろ」
音がだんだん近づいてくる。口は開けっ放しで舌を出し、よだれを垂らしながら、白目をむき、目が赤く血走っている五人のジューマンがものすごい勢いで走ってきている先程話した彼らとは大きく変貌しており、それは知性を持った動物のような人間。ではなくただ不格好に人の形をした獣であった。
ジューマン5人との戦闘が始まる。
ジューマン(五人全て同じステータス)
STR:8
CON:7
SIZ:11
DEX:9
POW:7
耐久力:7
武器:槍40%1d8
装甲:無し
戦闘が始まって全合計10アクション経過後、石像の場所に紫色の渦ができる。おそらくこれがゲードなのだろう。戦闘をしている探索者は<運動>成功で催涙玉をきれいに投げジューマン達に当てる事ができる。成功した場合はうまくゲートに飛び込む事ができ、その先はこの世界に来たときに通った永遠の闇が広がる空間にいる。失敗してしまった場合探索者は適切な位置に催涙玉を投げることができず、ジューマンたちに拘束されるだろう。そのうちにもう一人の探索者ややまとがゲートに飛び込み、ゲートは霧散し、石像は崩れてしまう。周囲を覆っていた霧もみるみるうちに晴れていき探索者はジューマンの様子がおかしいことにすぐ気づくだろう。誰が残ったのか誰が帰れたのかによってエンディングが変わる。

※KP補足
┃エンディング1
┃ジューマンワールドに残った探索者が一人でもいるときのエンディング
┃エンディング2
┃元の世界に一人でも残ることができたときのエンディング。
┃ひとりがジューマンワールド、もうひとりが元の世界に帰った場合は両方のエンディングを話すといい。

【エンディング1】
やまとは帰った、おそらく俺たちが元いた世界に。
一瞬の光の後、周囲の霧は消え、野生化していたジューマンたちは理性を取り戻し、探索者を神だと思い始めた。
後日石像のあった場所へ行ってみると石像はなくなっていた。いや初めから無かったのかもしれない。どうして俺たちはここにいるのだろう早く集落へ戻らなきゃ。
これからは昨日先代から受け継いだロートルとマギの使命を果たさなければいけない。
その日の夜二人は同じ夢を見た。
神「われは絶対の神である。(ふたりとも)よくやってくれた。お陰でまた一つ新しい世界が我らのものとなった。その世界の者共は未来永劫お主たちに絶対の服従を示すだろう。これからも使徒として励むが良い。さらばだ。」
これから二人はこの世界の現人神として世界に君臨していくでしょう

おしまい。

【エンディング2】
ゲートに入るとそこは真っ暗闇の中だった。頭が回らない。体も動かない。ふわふわとだた空中に浮いている感覚だけ感じる。
ゲートに入ってからまだ一瞬しかたっていない気もするし。無限の時間が過ぎたような気もする。
そうしていいるとどこからともなく声が聞こえた
神「我は救済の神である。そなた(たち)が帰ってきてくれてこんなに嬉しいことはない。お陰で邪神の野望を一つ潰すことができた感謝する。これからは元の世界で永遠の平和と安寧を我が名のもとにおいて保証しよう。さらばだ。」
目を覚ますとそこは飛行機の中だった
▼二人で帰ってきた場合
┃これから修学旅行だ。二人は旅行の計画を話しながら楽しい出来事を思い描き、平和な日常を不思議な気持ちで噛み締めた
▼一人で帰ってきた場合
┃これから修学旅行だ。沖縄では何をして遊ぼう。何を食べよう。友達と相談しようと横を向いたが誰もいなかった。誰かいた気もするけど。どうしてだろう。まあいいや、そう思いながら前の席の友達に話しかけた。

おしまい。


※本書の内容は全てフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。
※本書の内容は特定の思想や宗教等を擁護、または避難するものではございません。
※また、一部差別的な表現や、不快感を与えるような表現を用いてることもあります。
 これは表現の一部であり、差別等を助長するものではございません。

■【密林の偶像】著者:安房守(あわのかみ) Twitter:awanokami521
■発行日:2023/4/9
■連絡先:

◆最後に◆
・本シナリオをもとにしたプレイ動画等二次創作や二次利用は、上記の著者名とTwitterのリンクを明記していだけるのであれば、自由に行っていただいても構いません。
・二次配布・自作発言等は固く禁じます。
・個人的利用で本文をコピペすることは問題ありません。
・よいTRPGライフを!!

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