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無職でいられる「才能」

 うつ病で無職となってから1年半が経過しました。

 毎朝早く起きる必要もありませんし、出勤する会社もありません。ほとんどの時間を自分のために使うことができます。
 しかしながら自由な時間を持ち続けることがストレスフリーになるかといえばそうではなく、何もしないことにもストレスを感じるようになります。
 
朝始まっても、その日することがありません。全くやることがないと布団からでることなく一日を過ごす日も多く「何もしなかった」ことにストレスに感じることがあります。
 また社会から完全に孤立した状態が長く続くことで漠然とした将来への不安が湧き上がってくることもあります。さらに暇であるがゆえに過去の嫌な記憶が追体験するかのように押し寄せていくことで心が蝕まれることがあります。


時間が無限にあると、時間を有効活用できない

 時間が有り余ると、どうしても後回し癖がつくようになります。
 例えば私は掃除が苦手なのですが、面倒な大掃除などは「また今度やろう」と後回しするようになります。その「今度やろう」が多く増えて結局なにもしなかったことが多くあります。
 それは家事だけでなく自分の趣味も同様です。
「来週も暇だから後でいいや」と、好きなツーリングや旅も後回しにしてしまいがちになります。後回し癖は心が怠惰な気持ちになっていき、「家」という快適な空間に居続けたい気持ちが強くなっていきます
 学校や仕事など、ある程度規則正しく時間を過ごさなければならない場合は、その限りある時間を有効活用しようとする気持ちも出てきますが、時間が無限にあると「今度やろう」という気持ちが強くなる傾向にあります。その歯止めが利かない無職はどうしても怠惰な生活になってしまいます。

無職には自分を律せる精神が必要

「今度やろう」精神に歯止めが利かない生活であるがゆえに、一日中寝ていたり、動画サイトのショート動画を観続ける日々を過ごしてしまいます。朝起きて家事を済ませてから、買い物やジムなどに出かける。復職に向けた活動や勉強を進めるなど、メリハリある生活を送るためには自分を律せる心が必要です。
 自分を律せる心とは、日々の生活に目的意識を持つことであったり、計画性を持つことだと思いますが、それがない場合は毎日を怠惰に過ごしてしまう恐れがあります。私の近々の目的は今年の復職に向けた活動がそれです。しかし長らく無職生活が続いているせいでしょうか、復職に向けた活動をしなければという気持ちがある反面、それに行動が伴わないのが正直なところです。
 変な言い方ですが意義のある無職生活を過ごすためにはそういった怠惰な気持ちを律せる精神が必要になっていきます

無職で居続けることには「才能」が必要

 あるインフルエンサーは「無職」であることを前面に出して、他人からご飯を奢られる生活をする方がいます。忙殺した日々の生活から逃れたい気持ちから、自由な生活をするインフルエンサーに憧れることがあるかと思います。かくいう私自身もそうでした。
 しかし実際に社会福祉による収入が定期的に振り込まれ、労働から解放されると、その「自由」をうまく扱えない自分に気が付きます。自由とは自分を律する力がないとうまく扱えません。水は低きに流れるように、人の心も下流へと流れてしまいます。その怠惰な気持ちをどう操るかが自由を扱える才能だと思います
 私の場合はうつ病で無職となってしまいましたが、無職生活で思うのは、無職で居続けることにも才能が必要だと痛感しております。それは凡人であるがゆえに、自由に生きることの難しさがあります。
 私のうつ病は寛解へと向かい、これから生活を整えていく必要があります。私は凡人ですので、インフルエンサーのような「自由」は求めずに社会復帰に向けた行動をしていこうと思います。
 ありがとうございました。

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