見出し画像

まっすぐ_100日チャレンジ(66日目)

展示物を設置するときの必須アイテム「レーザー水平器」。
機器を床に対して水平に設置したら、あとはボタン一つで360度、水平ラインを出すことができます。
先日も、出力したレーザーによって位置決めすることで、数10枚のパネルを
真っすぐ美しく展示することが容易にできました。

レーザー水平器

水平器が無ければ、壁の上側から30cmなど、何かを基準にして測定する必要があります。その基準が水平でなければ、斜めになってしまう!!
脚立に上り、設営作業をしながら、同僚と「水平」についてあれこれ話しました。

水平を測ることは、建築では基礎中の基礎。
床や建物が水平でなければ、モノは転がり、ドアが閉まらない。少しずつのひずみが大きくなると、建物が倒壊する恐れもあります。
調べたところ、床の傾斜が1mで3㎜の傾きを超えると、生活や仕事をしている人に影響がでるようになり、さらには建物にも影響がでるようです。

地震などで地盤沈下した場合は、建物ごとジャッキアップして水平に戻す工法もあります。

そもそも水平とは、「地球の重力の方向と直角に交わる方向」を指します。そのため、水平器によっては、おもりを使用することで、水平を測るものがあるようです。

では、水平器が無ければ、どのようにして水平を測り、真っすぐに、寸分の狂いもなく建物を完成させていたのでしょうか。
平安時代に建立された寺院など、現在測量しても水平を保っています。

昔は建築の際に、長細い箱や半分に割った竹に水を入れ、測定する柱や床に置きます。中の水が落ち着き、平らになれば水平ということで、次々と木材を組み上げていたそうです。
古代エジプトのピラミッドでも、基礎の周りに水路を作り、張った水によって水平を決めていました。
水が平らになるから「水平」なのですね。

技術の恩恵を受け、ボタン一つで水平が出せる現在ですが、明るい場所ではレーザー光が見えないため、全く使い物になりません。
原始的でも、原理を知っておくと、水平を測定することができます。
普段の生活で水平を意識することは、ほぼないとは思いますが、水平器は100円ショップでも売っています。積み上げた本が水平かどうかなど、興味があれば測ってみてください。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?