見出し画像

通級指導で効果抜群!演劇指導プログラムでのコミュニケーショントレーニング

通級指導の中で、演劇指導のプログラムを活用することがあります。様々なプログラムがありますが、とても効果が高いように感じます。他者とのやり取りの練習になったり想像力を鍛える練習になることもあります。

普段は伝えることが苦手だったり、伝えることを避けている生徒にとってはゲームの中で相手に伝わった成功体験が積み重ねられます。また、伝えようとする意欲を感じられていつもよりも大きい声で発声する姿を見ることもあります。

その一つのプログラムとして、『図の完成』というのがあります。2人1組で指示者と回答者に分かれます。指示者は与えられた課題(A4用紙に書かれた課題の図)を回答者に口頭のみで伝えます。図形の難易度は調整が可能なので、レベルに応じて課題の調整は可能です。

この課題の良い点は伝えようとする意欲を自然と掻き立てることができます。また、相手のことを考えないと伝わりません。また、途中確認したり相手に合わせることも必要です。いわば共感性を養うトレーニングになります。伝える際には語彙の数が多い方が有利ですので、語彙力を伸ばすことにもつながります。無事完成した時には伝わった達成感があり伝えられた成功体験としても有効です。

自己紹介のように自分ことを相手に伝えることは簡単なようですが、実際にはハードルが高いです。伝える前に自分のことをよく理解し、言語化して伝える必要があります。特性のある子供たちは自己理解できていない子も少なくありません。ですから、伝える前からつまずく可能性が高いです。

しかし、図を伝えるだけあれば、自己開示の必要性もなく伝えることに集中できます。心理的なハードルが高くなくやり取りの練習になります。また、伝えるだけでなく聞いて回答する側でもよく聞く練習になります。さらに、確認したり相手に合わせたりするコミュニケーションの練習にもなります。

演劇指導プログラムは、コミュニケーションスキルの向上において非常に有効です。想像力を鍛え、自己開示のハードルを下げながら、相手を思いやる思考や共感性を培います。また、語彙力の向上や達成感の獲得にもつながります。

このような演劇指導プログラムは、通級指導において重要な役割を果たしています。生徒たちがコミュニケーションの喜びを体験し、自己表現の能力を向上させることで、より豊かな学びと成長を促進します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?