エッセイ「「なぜ人を殺してはいけないのか/小浜逸郎(いつお)著」(洋泉社)を読んで」※全文掲載

 僕がまだ20代前半に読んだ本です。小浜逸郎さんは、当たり前の問題を、ストレートに捉え、小浜さんなりのエッセンスを交えて論じてくれる人です。小浜さんの本は全て買って読んでいます。 

 今回は、その中でも、特にストレートな問題提起を取り扱っている本をご紹介します。

・「…、日本が貧困と抑圧の少ない自由で豊かな近代都市社会を実現したために、旧来の倫理規範の枠組みがその必然性を維持できなくなり、こう生きなければならぬという生の具体的な目的意識を実感にくくなっているということである。そういう時代気分が社会全般に蔓延するなかで、攻撃的な妄想を募らせるごく一部の孤独な若者は、ただ個としての生の手触りを得たいがために、「目的なき殺人」に踏み込んでしまう。また別の「心弱き」若者たちは、自分の内部に社会で生きていく確かな情熱を発見できずに、個室に引きこもってしまう。」(P3、4)

 まだまだ大事な部分はありますが、あとは本を手にして頂きたい本です。いかがでしょうか?

参考図書:拙書「たいよう十七」

#読書の秋2020

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