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芝居原案「三者三様にして、孤独は未配分」※全文掲載 ※作家の小川洋子さんが小説にしてくれます!

※これは、僕の芝居原案の一つです。これを、小説家・小川洋子さんが小説にしてくれています。5年かけて一冊の本にしてくれるんです。本は、社団法人真色出版部「Avec la nature(邦訳:自然と一体)」で本にします。価格は未定。本屋には並びません。全てインターネット注文になります。

 

以下が、芝居原案「三者三様にして、孤独は未分配」です。

「美嘉子とサラリーマンがまず出てくる。 美嘉がまず歌を歌い、サラリーマンが応援。自分も美嘉子のようになりたいと密かに思っている。ただ応援しているだけでなく、自分を美嘉子に投影し、うだつの上がらない自分を慰めている。週末にカラオケやライブに行くのが楽しみ。

 

 美嘉子は少し嫌な役。 自分は歌を歌っているのだから、やるべきことはやっている、という訳で、ゴミを平気で捨てるし、まだ食べられる食べ物は平気で捨てる。歌うことでやるべきことはやっているので、文句はないと思っている。 

 一方サラリーマンは、うだつの上がらない毎日を送り、ネットで神になり、うっぷんを晴らしている。 カラオケに行っては女性ボーカルの歌を歌う35歳。

 浮浪者がある時、歌い終わった歌手に問いかける。

『今の生活で、やるべきことをやっている気になっていないか?』

まだ食べるものが残っている弁当を捨てにきた歌手に問いかける。

『あんたみたいな浮浪者に言われたくないわ!』

と、どう返答していいか分からない表情で黙ってしまう。浮浪者は言う。

『これだけ残っている弁当を、なぜ簡単に捨てることができる?』

歌手は言う。

『あんたたちみたいな人にあげるためよ!』

少し怒りながら言う。

『ついでに聞くが、今までどれくらい簡単に捨てることができたんだ?』

歌手は言う。

『あんたたちには関係ないわ!』

と歌手。

『それが大ありなんだ。だから聞いている。』

と浮浪者。

『いいでしょ、ほっといて!』

と歌手。

『いいや、無理な話だ。なぜなら、あんたの行くところについていけば、食べ物には困らないからな。一生ついていくさ。』

と浮浪者。で、浮浪者の得も言われない笑顔。(※説教くさくならないようにする。)(了)

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