【読書録134】致知2024年9月号「貫くものを」感想
致知の感想をnoteに書いて、今回が35回目となる。
今回紹介するのは、9月号である。しかし実は、8月号を抜かしてしまった。また後程、感想書いていく。
総リード 貫くものを
これが、致知が四十六年間貫き続けてきた理念であるが、その理念を表したようなエピソードを紹介している。
まずは、社内木鶏全国大会において、特に心に残った発表からである。
出生後、しばらくして養子にだされ、両親の愛情を知らず、幼いころから社会や環境、人を憎み、常に誰かのせいにしてきたという方のエピソードだ。
致知と出逢い、考え方が変わったという。
もう一つが、受刑者からの手紙である。
同じ事を読んだり、聞いたり、経験しても、その人の受け取り方によって、その活かし方、言い換えればその後の行動が変わってくる。
本号の記事を読んで特に感じるのは、その点であった。
iPS細胞を活用したがん治療で夢の医療を実現する
京都大学iPS細胞研究所の金子新教授とジャパネット高田創業者の高田明氏の対談記事。
高田氏が、金子教授の研究に対するインタビューという構図を取るが、ところどころで述べる高田氏の考え方にも元気をもらうとともに共感する。
お二人に共通する、思いの強さや課題への向き合い方などを感じ取れた対談記事である。
まずは、お二人の共通点でもある、仕事や課題への取り組み方から。
金子先生が、山中先生のiPSの論文にこれだと思ったのに対して、高田さんは、自社スタジオをつくったのが、これだと思って周囲に反対されながらも突き進んできたこと。
両名とも、何とかなるさという楽天的な性格であることが共通点である。金子先生のこの言葉が染みる。
それを受けての高田さんの言葉。
このご両名の考え方にとても共感する。
私は、「看脚下」という言葉が、好きであるが、まずは、自分の目の前のこと、足元のことを固めていく。とても大切にしたい。
次にお二人の仕事論、組織論について私は、特に金子先生のスタッフとの接し方についての話に共感した。
チームで働くうえで、そのパワーをどうやって最大化するか。リーダーのあり方はとても重要だ。ご機嫌でいること。気分やムードは周囲に伝播していく。
最後にお二人がそれぞれ大切にしている言葉を紹介したい。
金子先生が紹介した言葉である。
高田さんは、いくつかの言葉を挙げている。
お二人の志の高さにと熱意に感化された記事であった。
与えられた運命を生かす
「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で40年以上トップ10を受賞している、山形にあるかみのやま温泉 古窯の大女将の佐藤幸子さんへのインタビュー記事。
なんと御年、九十五歳。まったく年齢を感じさせない風貌、三時間にわたりインタビューで語り続けてくれたという。
致知で紹介される方の中には、長寿でかつ活き活きとしている方がよく登場する。
共通点は、その前向きな考え方と規則正しい生活のような気がする。
佐藤さんも、健康長寿の秘訣としてこう語る。
私の勝手な印象かもしれないが、禅僧にも長寿な方が多い。これも規則正しい生活とその食生活によるのではないかと思っている。これは取り入れたい。
そして、もう一つの秘訣が、その考え方であると思う。佐藤さんも、趣味が多く、好奇心が旺盛で、感動する心が強い。そして、その前向きな考え方を培ったのは、その経験からであるのではないかと思う。
創業時、何もないところからのスタート。しかもご主人は、寝たきりの生活。そんな辛酸を舐める中での考え方が彼女を作ったように思う。
そんな佐藤さんは、様々な創意工夫を通じて、古窯を地道につくりあげていくが、その過程で、影響を受けたのが、週刊朝日の編集長だった、扇谷正造氏。
例えば、こんな言葉に影響を受けたという。
とても良い言葉である。
しかしそれを聞いてもほとんどの人が、聞いたままである。実際に行動に移せること。それが、佐藤さんや古窯をつくってきたのではないか。
佐藤さんのハートに引っかかった言葉として、印象的な話をもう一つ紹介したい。鮭の養殖一筋六十年というかたとのエピソードである。
こういう感じ方、感性を持っていることが佐藤さんの素晴らしさだと思う。
自分の人生をこう振り返る。
私の人生を振り返ると、「易経」の一節「窮すれば即ち変ず、変ずれば即ち通ず、通ずれば即ち久し」だったように感じています。
同じ経験をしてもそれを活かせる人と、活かせない人がいる。
その経験をどう受け止めるかということと、どうプロアクティブに立ち向かうかということなのではないか。
そんな風に考えさせられた。
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