「ありのまま」の恐怖
「無理せず、好きなことだけをして、ありのままの自分で生きていく。」
という思想が広がっているように思う。
自分自身も、普段はこのような生き方を実践している一人である。
だが、最近は、この思想で生き続けることに、恐怖を感じることがある。
それは、「身勝手さ」の助長である。
「自分は絶対に曲がらないから、自分に合うような人や環境が周りに存在していればいい。」という思想は、自分勝手にも捉えられやしないかと思っている。
長い間このように生きていると、いざという時に踏ん張れたり、逆境に立ち向かうだけの度量を備えることが困難になるのではないかと考えてしまう時がある。
いざという時でも、自分の保身や楽になれる道を模索するようになってしまうと、成長の機会を損なうことになるし、人としての厚みみたいなものも消えていってしまうのかなと不安になることがある。
もちろん、我慢をすることや、困難に立ち向かうことが正しくな場合もある。
しかし、雨が降ることで地面が強固になっていくのと同じように、
色々な困難に身を捧げることで人としての厚みも増し、「困難=苦」から「困難=快」に変化することもあるのではないか。
また、思い通りにいかないことも受け止めていくことで、「これは仕方がない」とか「これも運命なんだ」とある種の謙虚さが生まれてくることもあるのではないかと思う。
「ありのまま」で生き続けていると、とても身勝手な人間に近づいていっている実感があり、それがとても怖いのだ。
だけど、自由に気ままに楽して生きていきたい所もあるしなあ。。
人生ってむつかしい。。。