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コンデンサーの電気容量の測定実験

①実験の目的

⑴協働して学ぶ楽しさを実感させる
 チームワークの大切さを学ばせる
⑵ICTの活用で、クラス内でのデータの共有と制約時間内での効率的授業実践
⑶物理において数学の重要性を理解させる
⑷電流の定義を正しく理解させることができる
⑸コンデンサーの電気容量を実験から判断できる

※私のノートにおいて最重要な目的は、どうしたら学校でしかできない授業づくりができるかである。生徒が楽しく授業に参加して、高い集中力を保てるかを考えて作成するため、ここでは、物理の内容に強いこだわりをあえて持たないようにすることを心がける。

②授業案

⑴コンデンサーの基本的な役割の確認
・充電機能
演示実験
 メーター付きコンデンサーと電池を直列接続して充電の様子を確認させる。
 コンデンサーと抵抗を直列に接続し直し、放電の様子も見せる。
 この過程を見せることで、電気エネルギーがジュール熱として消費されて、蓄えられた電気が減少していく様子が確認できる。
注意すべきこと
 充電は5秒ほどであることを意識させる。
 絶対にコンデンサーのプラス端子とマイナス端子をショートさせないように厳しく話す。発火等の原因になることを伝える。

⑵生徒実験の方法の説明
・コンデンサー(メーターなし)と電池を充電させる。5秒カウントさせて、充電完了したことを気づかせる。
・充電したコンデンサーを抵抗とマルチメーター(電流計)に直列接続させて放電させる。
注意すべきこと
私の授業では、電流計と電圧計は、マルチメーターを活用する。マルチメーターを活用することで、生徒のモチベーションは大幅に上昇する。
・放電過程で、時刻0秒から20秒ごとの電流の値をマルチメーターで読み取りながらIとtの値を時刻300まで表にまとめる。
・同時にGoogleのスプレッドシートを活用し、予め教員が班ごとに準備しておいた表に上記のデータを入力させる。さらに入力するごとに、グラフが自動作成されるように設定しておくことで、データの測定ミスも確認できるようになる。
注意すべきこと
・従来ではグラフ作成は方眼用紙等で手書きをさせできたが、スプレッドシートへの入力とグラフと自動作成で生徒のモチベーションはさらに上がっていく。
・300秒以上行っても精度がぶれているように感じるので、300秒でストップさせる。
・班ごとに抵抗値を変えることで、放電しているグラフが様々になる。しかし概形は指数関数的になることに気がつくことができる。

⑶考察
・電流の定義の確認
⇨単位時間あたりに導線断面を通過する電気量
⇨電気量qを時間tで微分したもの

・今回のグラフにおいて、時刻0秒から300秒まで積分することで、当初コンデンサーが蓄えたはずの電気量Qをおおよその値がわかる。
こちらも、教員側で事前にスプレッドシートで自動的に計算できるように関数を組んでおいた。
・電池の電圧をマルチメーターで測定し、上記の電気量Qを用いることで、公式Q=CVより電気容量Cを各班求めさせた。
・コンデンサーに記載させている電気容量と自分達で実験から計算で求めた値を比較させることができる。

③実験を通しての教員側の感想

・とにかく生徒が終始集中している状況を作り出せるので、やり甲斐がある。
・電流計や電圧計をマルチメーターを活用することで中学理科との差別化もできる。生徒が瞬間的に変動する電流計の値を、班の仲間と共に協働して読み取ることが求められるため、学校でしかできない理科教育とう目標実現が可能となったと実感する。
・従来活用してきた電圧計や電流計、さらに方眼用紙は使わずマルチメーターやスプレッドシートの同時使用によって、生徒は実験の成功体験がしやすくなり、物理実験が楽しいと口にしてくれたことがこちらも嬉しい。
※本来は、電流計や電圧計の目盛りの読み方、方眼用紙の活用から学べることも沢山あると思うがその点は高校物理ではあまり考えないことにしている。
・生徒は微分や積分の感覚を容易に体感できてよかった。
・直近の外部模試で同様の問題が出題させて生徒が問題理解ができた生徒が圧倒的に増えた。


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板書
協働して学ぶ姿 3人一組が基本
2人の班はストップウォッチ時と、記録係が同じ

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