働いたら負け

今日は天候の影響で帰宅が困難になる可能性があるので、本日分の仕事が完了した社員は、早めに帰宅して下さい。

企業にお勤めの方で、会社側からこのような指示を出された経験がある方もいらっしゃると思う。

ちなみに、私自身サラリーマン時代には何度かこの支持を受けたことがあり、内心ラッキー!と思いながら早く帰った記憶がある。
#ちゃんと働け

つい最近、私の身近な方が務める会社でも同様の指示が出て、多くの社員が定時前に帰宅したという話を聞いた。

いい会社だなと、素直に思ったし、社員の安否を最優先するこの指示が素晴らしいことは言うまでもない。

ただ、この話を聞いた際、考えさせられたことがある。

私が気になったのは、指示内容にある”本日分の仕事”というキーワード。

本日分の仕事?

もし、会社から定時前退社の指示が出ていなかった場合、この日に定時よりも前に帰宅した社員は何時まで仕事をしただろう?

これは想像だが、多くの社員が「定時」まで『本日分の仕事』をしていたのでは無いか。

もちろん、中には定時よりも前にこの本日分の仕事というものを完了させて、別の仕事をする方もいると思う。

けれど、早めに帰宅した社員の多くは、『本日分の仕事』を定時まで実施していたはず。

何となく、何が言いたいのかは伝わっていると思うが、このケースからは色々な学びと発見がある。

私が真っ先に感じた3つを挙げてみると、

①早く帰宅出来ることが、仕事のモチベーションになっている。
②日常的に時間調整をしながら働いている社員の割合が判明する。
③定時というルールが、会社全体の生産性を抑制する働きを持っている。

この3つ。

この中で、②については私が深掘りすると批判を受けそうなので、今回はやめておく。
#自分の胸に聞いてみて

で、①について、
社員のモチベーションを高める施策については、過去にも様々な研究が行われ、多くの方が書籍も出しているし、MBAでもたまに登場するテーマ。

有名どころは、『金銭と余暇がモチベーションに与える影響』に関する研究なんかがある。

論文を発表なんて読みたくないと思うので、結論だけ。

金銭によるモチベーション向上効果は、一時的なものであり、金額が上がるほどモチベーション向上効果は薄れる(頭打ちになる)傾向がある。余暇(=非金銭的報酬)との適切なバランスを取ることがモチベーションの維持向上には重要である。

まぁ、言葉が複雑でよく分かんないという方もいらっしゃると思うので、一言で言うと「金と遊びをバランスよくすると良いよ」ということ。
#雑すぎるわ
#怒られるぞ

参考ですが、少し前に流行った”ワークライフバランス”というやつの起源はここ。

と、まぁ色んな方が研究してそれなりの答えみたいなものを提示していて、何だか難しい理論みたいなものがたくさんあるけど、現場はもっとシンプルだなぁという気づき。

一応、学術的ぽく今回のケースを表現すると、
早く帰る≒余暇≒非金銭的報酬≒モチベーション向上という流れで説明されるんだと思うが、まぁ分かりにくいw

早く帰れる→ヤッター、頑張る

で説明終わる。

次行きます!
③について、今回のケースの場合『定時』が生産性を抑制する原因になってるように感じるが、定時って何のためにあるのか。

恐らく、労働時間(拘束時間)に対して報酬を得ているというのが日本人には理解しやすいために、当たり前のように導入されたんだと思う。

ちょっと待って。
会社は労働時間の対価を支払っているわけじゃないですよね。(詳しくは時間の価値参照)

世間では”働き方改革”なんて言葉が叫ばれ、日本の企業には生産性向上が必要だと各種メディアは報道している。

これに乗じて、生産性向上に活用できる様々なツールが製品化され、1つの市場が形成されている。

本当に便利なものもたくさんあるとは思うが、特に企業がこれらのツールを導入する際には数百万~数億円単位の設備投資が必要になる場合も多い。

新たな設備を導入して生産性をあげることについては別に否定も肯定もするつもりは無いが、今回のケースからの学びを生かすとするならば、「設備入れる前にやれることあるんじゃない?」ということ。

例えば定時というある意味では、謎だとも言えるこの制度を撤廃し、毎日「本日分の仕事が完了したら何時に帰っても良い」という状態にするだけで、(少なくとも残業代は)人件費も抑制され、生産性は向上する。

社員からしてみたら、早く帰れるのに給料変わらないのであれば、その方が良いと感じる方のほうが多いと思う。

少し極端な考えなので、否定的に捉える方も多いとは思う。人それぞれ考えがあって良いと思うが、そんな方もこれだけは知っておいて欲しい。

企業が設備投資をするということは、当然ですが金銭的リスク(負債リスク)を背負うということであり、社員目線でも設備に合わせた働き方に対応しなければならないというストレスを背負うということ。

逆に設備投資をせず、制度を見直すことで生産性が向上すれば、リスクがほとんどないばかりか、利益が生まれれば(設備投資への返済等がないため)社員への還元もある。

これ以上は、刺されそうなのでやめておきます。

そんなこんなで本日のまとめ。
・早く帰れると聞けば、みんな頑張るらしい
・定時って何のためにある
・生産性向上のヒント

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