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ファンの作り方

【ラジオ体操56日目】

こんにちは。
先日、久々に新幹線に乗ったら、想像以上に利用者が多くなっていることを知り、喫煙者にとっては肩身の狭い生活に戻るのでつらいなと思っているコマリストです。


今日は『心をつかむ広告戦略』をテーマに書いていきたいと思います。


つい先日、JRを含む大手鉄道各社が第3四半期決算を発表しました。ご存知の方も多いかもしれませんが、このコロナ禍においてJR上場4社の中で1社だけが黒字決算を発表しました。


それは、JR東海。


理由については、各経済誌やニュースなどで報じられている通り、ドル箱路線といわれる東海道新幹線の利用者が一定水準まで回復したことが一番大きな要因です。


ただ、本当にそれだけなのかな?と思っていた矢先、たまたまJR岐阜駅を先日訪れた際に心温まる”あるもの”を見かけたのです。


それを見つけた瞬間に、あれだけ大きな企業であっても、こういった地道な活動を続けているから支持されるんだろうなとあらためて思いました。

通学修了書

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岐阜駅で見かけた”あるもの”。


それは、この写真にある”通学修了書”です。


これまで通学にJR東海の鉄道を利用してきた学生さんへ向けた”手紙”のようなメッセージを、改札を抜けたすぐ脇に大きく掲示していたのです。


見つけた私は思わず立ち止まって、写真を撮ってしまったのですが、これすごくないですか?
#改札でカメラを構えるおじさん
#迷惑な人


この手紙に感動したのには2つの理由があります。
❶JR東海ほどの超大企業が利用者に対して感謝のメッセージを送っている
❷手紙の内容が”応援メッセージ”である


恐らく、日本に住んでいて知らないという人はいないんじゃないかというほどに有名なJRという企業が、利用しているお客さんに”直接”メッセージを送っている。


しかも、テレビCMやネット広告ではなく、実際に利用している方に直接見られる形です。コストをかけずに絶大な効果を発揮する最高のPRだなと思うと同時に、これをやられたら誰も勝てないなと思いました。


そして何より、メッセージが応援しているということを伝えるだけにとどまっているというところ。


通常、PRであれば『これからもよろしくお願いします』など、鉄道会社側の希望みたいなものを入れてしまいがちです。


けれど、この”手紙”にはそういった言葉が一切使われていません。それどころか、列車が遅れたことや運転休止などで迷惑をかけたかもしれないと、謝罪のような部分まである。


もう、最高ですよね。これを見た通学利用者は”これからも利用したい”という気持ちになるでしょうし、卒業式に同席した保護者が子供たちと一緒にこのメッセージを見たら・・・。


そういうことです。地域に根差す企業として、利用者に寄り添うサービスを提供し、目に見える形で一人ひとりにメッセージを伝える


これは、なかなかできることではないと思います。JR岐阜駅の駅長さんはじめ、スタッフの方々には頭が下がります。

JRから何を学ぶか

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このJRの取組みや黒字決算という結果から何を学び、自分に落とし込むのか。


それは、”ファンメイク”の重要性です。


今回の通学修了書は、”岐阜駅を通学利用している学生の中でも今年卒業を迎えた学生”です。つまり、JR東海全体にとってみれば本当に微々たる存在だと思います。


通常、こういったターゲットを絞り込んだ広告戦略というものは、機動力がある中小企業の十八番です。


けれど、この戦略を超大企業であるJR東海がやっている。これは、すごく学びが多い素材だと思います。


何のためにこの少人数をターゲットにした戦略をとったのか?
その結果、誰の心にメッセージが届いたのか?


今回のケースから学びを得る上では、この二つを分けて考える必要があると思います。


説明不要かもしれませんが、『何のために絞ったのか』というと、


私たちは利用して頂いている一人一人に対して感謝しています。


こんなメッセージを利用者全員に伝えるうえで、”卒業生”というのはインパクトが大きいから。言葉を選ばずにいうと”うまく活用している”ということです。


そして、誰の心に届いたのかというと、おそらくJR東海の狙い通りで、学生本人だけでなくいつも利用している全ての乗客+普段は利用しない保護者です。


つまり、既存客と見込み客の両方に効果的にメッセージを届けることで、”ファン”になってもらう。その結果、継続利用者の獲得に繋がる。


こういう感じだと私は考えています。これは、JRだからできる戦略ではなく、どの会社でも使える方法です。


なんせ、かかっているコストは紙とペンくらいなんですから。


徹底的にお客さんの心理に寄り添って、適切なタイミングで必要なメッセージを、”素材”を工夫して届ける。結果としてファンとして利用してもらえるようになる。


これは、超絶有効な広告戦略です。

まとめ

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今日は『心をつかむ広告戦略』というテーマで、黒字決算を発表したJR東海のコストをかけずに顧客の心をつかむ地道かつ巧妙な広告戦略について書いてきました。


多くの企業にとって、”あまり効果がなさそう”にみえていて、何の対策もしていない顧客層というのが存在すると思います。


けれど、そういったお客様に対して大切にしているというメッセージをしっかり伝えることで、”得意様”になってもらえるという例は世の中にたくさんあると思います。


それもそのはず、ほぼすべての人が『特別扱い』されることに対して、嬉しいという感情を抱くはずなのです。


これをJR東海のような大企業が実践しているというのを目の当たりにしたことで、地道にお客様を育てていくという企業活動も重要だということをあらためて考えさせてもらえる心温まるケースでした。


日常生活を送っていると、今回のケースのように、本当に学びの多い取組みに出会えることがたくさんあります。


日常の場面から学んだことを私なりに解釈したうえで、文字としてこれからも残していきたいなと思っていますので、一緒に学んでもらえたら嬉しいです。

じゃ、またね!

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