国産ってステキ

国産製品は安心安全で品質が高い。

このように信じている人が大変に多いため、今日の内容は少しだけ刺激が強いと思う。否定される方も大勢いらっしゃると思うので、先に言っておきます。あくまでも私見です。

と言いつつ、現時点では私も国産の安全性や品質の高さを信じています。
#おい

いきなり本題ですが、
戦後の日本は高度成長を経て、「作れば売れる」というバブル期を経験し、その後30年以上もの長い間冷えきった経済(と言われる)を耐えている。

このバブル期、「作れば売れる」状態が真実だとしたら、日本製品の品質は高まるどころか下がるはず。では、なぜ国産は品質が高いと信じられているのか。

実は、品質は低かったのではないか。
という疑問すら生まれてくる。

しかし、実際に日本製品の品質は圧倒的に高かったと思う。
#どっちやねん

それはなぜか、

私が思うに、戦前及び戦時中においても世界を驚かせた「ものづくりの魂」を、戦後の製品作りにも生かし続けたから。

そして、良い製品をより安く、大量に生産する必要性を感じた生産者は、人件費の安い中国に生産拠点を設け、一気に世界第二位の経済大国まで上り詰めた。

まもなくして、バブル経済は破綻し、日本は新たな局面に直面する。

過去最長とも言われるいわゆる「不景気」に突入し、今なお、出口の見えない状況は続いている。

この間に、中国を初めとするアジア諸外国が急成長を遂げ、2011年にはGDPで中国に抜かれた。近い将来、インドにも抜かれるとの予測もある。
#いーやーだー

もちろん日本も黙って見ていただけでは無い。異例とも言われる規模で、政府が金融市場に介入したことや、生産拠点を中国に移したことで技術の流出が発生したと報道し、生産拠点の国内回帰を図るなどの努力をしてきたことは、皆さんも知るところだと思う。

それで、結果は出ているか?
正直な所、結果が出ているとは言いづらい状況では無いだろうか。

ここで、冒頭の発言に戻る。
国産製品は安心安全で品質が高いという神話について、多くの方がそう信じて疑わない。

繰り返しになるが、これについては、私も今のところ同意見ではある。

けれど、近い将来には、この神話は間違いなく壊れると思う。

なぜか。

それは、生産拠点の海外移転によって技術が流出したという部分について、一部事実ではあると思うが国内回帰したところでほとんど意味は無いと思っていることにある。

詳しく説明すると、私は仕事上、多くの製造業者とお話しさせて頂く。その中で、最近よく話題になるのは「働き方改革」や「高齢化に伴う技術者の減少」といったもの。

これからは、AIの時代だとか人の手作業が必要な部分を極限まで減らして自動化することが重要だと多くの方が口を揃えておっしゃる。

そして、高額の設備投資をして、最先端のオートメーション工場が地方にも数多く誕生しており、日本政府がお墨付きを与えていたりする。

ちょっと待ってくれ。
本当にそうなのか?

確かに技術者の高齢化による減少は事実だと思うし、残業を減らして効率よく働くことも重要だとは思う。

しかし、別の視点からも少し、考えてみてほしい。

工場を自動化するために導入する最先端の設備のうち、特に国産メーカーのものは、国内の先人が築き上げてきた技術をひたすら研究し、職人技を再現できるレベルまで引き上げることに成功した設備である。

これを国内の製造業者が導入することで、生産効率が上がっていることは紛れもない事実だと思う。

けれど、この設備メーカーだって多くの社員を抱える1企業であるからには、より大きな市場を手中に収めたいと考えているはず。

では、国内市場が縮小傾向にあると言われている現代社会で、彼らは海外市場を狙っていないのか?

そんなはずは無いですよね。

便利な時代なので、国内主要メーカーが世界中のどこの国に製品を納めているかなんて、少し調べればでてくる。

調べればわかることではあるが、彼らメーカーの主要販売先は国内ではない。

この意味がわかりますか?

これも繰り返しになるが、メーカーが生産している設備は「日本の職人技を研究し、再現できるレベルまで引き上げた」もの。

これが諸外国に大量に出荷されているという事実。

日本がものづくり大国であること。日本人の技術力が高いこと。これらは私も信じている。

そして、その日本人が生産するこれらの設備。言うまでもなく、本当に世界を驚かせるほどの高い完成度になっているはず。

もう分かったと思います。
このままいけば、JAPANクオリティは世界標準となり、日本製品の品質が高いという状態は崩れる。世界中の製品クオリティはそこまで大差がない状態になっていく。

そうなった時、誠実で正直者かつ対立を是としない文化である日本は世界と戦えるのか。
#日本人大好きです

もちろん、日本の製造業者が悪いわけでも、メーカーが悪いわけでも無い。というか悪者なんて存在しない。みんな生きるために必至だと思う。

だからこそ、目先の問題だけに囚われるのではなく、日本の誇りでもあり、圧倒的な強みである「ものづくりの魂」を磨き続けることを止めないでほしい。

私が生きている間にこのような未来は来てほしくないと願いつつ、自分の子供やその子供達が、生きづらくなる未来が来てしまうことを本気で怖いと感じている。

いつか、この内容を振り返った時に、こんな事言ってた自分はバカだったなと笑い飛ばせるような未来が来ていることを切に願う。

本日のまとめ
「日本の技術流出は現場サイドの問題だけじゃない」
「この先、訪れる製品の標準化と国産神話の崩壊」

にしても、めちゃめちゃ堅苦しい内容になってしまったこと。読みづらくて申し訳ないm(_ _)m

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