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感性ってどうやって磨くの?

【ラジオ体操57日目】

こんばんは。
分かりやすい絵を鑑賞することは好きだけど、芸術といわれるような絵を見ても心を動かされないことに気づいてしまったコマリストです。


今日は『月イチ芸術シリーズ3月号』をお届けしたいと思います。


今月は、愛知県の旧ボストン美術館で開催されているバンクシー展に感性を磨きに行ってきました。


路上の芸術家であり、ダークユーモアを交えながら破壊的ともいえる社会風刺画を描き続ける謎が多いアーティスト。


何ともかっこいい響きですね。実際、この展示会のタイトルは『天才か反逆者か』と名付けられていて、厨二心をくすぐる最高のネーミングです。


どんな面白いものが見られるのかと心を躍らせながら鑑賞に向かった私の感想と、気づきについてまとめてみました。

バンクシー展

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会場についてみるといきなり4階へ誘導されて、謎の電話ボックスがある部屋から鑑賞がスタートしました。


最初のフロアでは、彼の作品を紹介する仰々しいムービーが流れていて、多くの方がここで足を止めて作品に魅入られていました。


そんな姿を横目に見ながら、展示されている作品とその説明を一生懸命に黙読しつつ、フロアを進んでいきましたが、、ん~難しい!


恥ずかしながら、私には作品の良さだったり込められているメッセージのようなものが理解できませんでした。
#センスがない
#絵心を身に着けましょう


困った私は、”あるものの存在”に気づきました。


それは、専用アプリをダウンロードすると一つ一つの作品の解説を聞きながら鑑賞できるというサービスの存在。


藁にもすがる思いで、そのサービスを使用し始めたのですが、これが悪夢の始まりでもあり、学びのきっかけとなったのです。

解説を聞きながらの鑑賞

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一つ下のフロアから、解説を聞きながら鑑賞できるという、私のような芸術音痴には非常にありがたいサービスを使用した結果、どうなったのか。


結論を先に書きますが、あくまでも個人的な感想です。


サービスを利用したことで、
もっとつまらなくなった。


この解説を聞けるサービスというのが、良くも悪くもめちゃめちゃ丁寧なんです。時代背景だったり、バンクシー自身がどういう状況だったのかだったり、その絵にどんな”伏線”が張られているのかだったりをめちゃめちゃ丁寧に説明してくれます。


こういうサービスが好きだという人もいるとは思いますが、私には合わなかったんだと思います。


表現が難しいのですが、そもそも”絵”のような作品は、”何となく好き”とか”何となく怖い感じがする”といった感覚的なものを楽しむ側面があるような気がします。


で、めちゃめちゃ丁寧な解説を聞くことで、”なるほど~”と、分かったような気にはなれるのですが、絵を見た時に感じるはずの”何となく”という感覚を一切感じなくなってしまったのです。


ましてや作品を描いた本人が、当時を振り返って解説するのであればいいのですが、専門家のような人が後に語っている的な解説だったので、実際それが真実なのかは分かりません。


ということで、3階のフロアの一部だけはサービスを使用して鑑賞したのですが、結局すぐに聞くのをやめました。

感性を阻害するもの

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誤解が無いように補足しておくと、このサービスが悪いものだったというわけではありません。


あくまでも、”感性を磨く”という目的で月イチ芸術活動に取り組んでいる私にとっては、合わないものだったというだけの話です。


恐らく、2回目以降に鑑賞するのであれば、あのサービスを利用することでさらなる学びだったり気づきを得られる可能性は高いと思っています。
#最初から利用するのはおススメしません


感性を磨くという点において、このサービスの何が良くなかったのか?


それは、『思考の幅を制限された』からだと思います。


どういうことかを説明する上で、分かりやすい実例があるので少しお付き合い下さい。


つい最近、私が中学生を対象にした学びの場の設計において、最も重視したものがあります。


それは、
『答えが無い、自由な学び』


カリキュラムを構築する中で、学校側から”この授業を通して生徒に学ばせたいポイント”を明確にしたいという打診がありました。


この考え自体は、賛成なのですが学校側はこのポイントをスクリーンに表示しながら授業を行うということを提案されたので、私は猛反対しました。


この猛反対が、相手の気を悪くしてしまったことは内緒ですが、そこまでしても守りたかったのは『生徒一人ひとりが自分なりの答えを見つける』という学びです。


同じものを見ても、その人の置かれている環境や、経験してきたことなどによって、感じ取るものは違うはず。


それなのに、”ここがポイントですよ”と提示されてしまったら、もうそこ以外見られなくなります。


つまり、答えが用意されていることで、生徒の思考を狭くしてしまう可能性があるということです。


今回のバンクシー展の鑑賞でも、これと全く同じことが私に起こったというわけです。


丁寧すぎる解説が、逆に私自身の思考を制限して、作者と同じ経験をしていない私には到底理解が及ばない作品としてしか見られなくなった。


感性を磨く上では、答えよりも自分の感覚を大事にしないといけないということに、あらためて気づかされた瞬間でした。

まとめ

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今日は、月イチ芸術3月号として、名古屋で開催されているバンクシー展を鑑賞しに行った際に感じた私の絵心の無さと、用意されたサービスによって私がどうなったのかということについて書いてきました。


月イチ芸術活動を開始してから早2年。いい加減、感性が磨かれてきているだろうと思い込んでいましたが、そんなに甘くはありませんでした。


落語や、サーカス、映画、劇団、ライブなど、いわゆるエンタメに関しては、馬鹿みたいにはしゃいだり、ワクワクできるようになってきましたが、絵画はレベルが高い。


恥ずかしながら、今の私では逆立ちしたって良さが分からないというのが本音です。
#ラッセンは昔から好き
#とにかく海が好きだから


この活動を継続していけばいつかは分かる時が来るのかもしれませんが、来ないのかもしれません。


あと10年くらいは、継続してみようと思っていますが、それでもわからなかったら、諦めてエンタメに時間を投資していこうと決めました。
#10年は頑張る
#懲りずに付き合ってね


今回もかなり個人的な感想が中心の内容となってしまいましたが、月イチ芸術の日は笑って許して下さい。


毎月のことですが、”これはおススメ!”という芸術があれば、こっそり教えてくれたら、すぐに見に行って感想を書き込みますので、遠慮なく教えて下さいね。

じゃ、またね!

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