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【エピソード】ニセUber。

今日は日曜日ということもあり、配達が切れることはない。
ただ、最近はCMやSNSプロモーションのせいもあって、始めたてほやほやのお客さんが多いのだ。

こういうお客さんは配達員としてもUberとしても大変ありがたいのだが、多くの場合「記載漏れ」「住所不備」「テキトーな名前」である。

今回の案件はだいぶ配達員が断っているであろう「熟成」案件ということもあってか、配達を受けて間も無くお客様からメッセージが飛んできた。

玄関先に置いておいてください。

15時30分を回っている、。
おそらくこれは配達員がつかなすぎて、「ご用があるのにいつ来るかわからないから」というパターンかアプリがバグっていて置き配を選択できなかったというパターンだ。

承知しました。

とにかく早めに配達をしなければ・・・・・・・・

配達先に着くとそこは立派な農家のおうち。
その家に行くにはこの道しかなく、この先行き止まりの看板がいっぱいあった。

到着するや否やおじさんが庭にいて、声をかけられた



おじ「Uberさん??うちじゃないと思うよ〜」

僕「え、ホントですか??」

おじ「ウチは○○っていう名前なんだ」

僕「そうですかぁ。(マジかよ、時間やばいな)」

おじ「多分間違いだなあ。名前ってわかったりする??」

僕「‪✕‬‪✕‬さんですね。」

おじ「‪✕‬‪✕‬?」

僕「ええ。✕‬‪✕ ‬ ‪✕‬‪✕‬さんです。」

おじ「ウチは○○だし、隣は△△だよお。」

僕「え?????」

おじ「住所の打ち間違えじゃないかな?」

おじ「電話かけてみたらいいよ」

僕「ああ、、わっかりましたー。(えー、めんどくさー。だるー。)」

ウロウロ、モジモジ。(いや、絶対ここなんだけどなあ)

僕「(しょうがねえ、メッセージでも書くか)」

〜〜〜お隣の家のおばさんが出てきた。〜〜〜

僕「(お、この人か?)」

おば「誰か探してるの??」

僕「そうなんですよ(違うんかい。)」

おば「住所はどこかねぇ」

僕「Z市X地区Y O-OーOです」

おば「あー、住所はこの辺りだねぇ」

おば「最近はこの辺り若い人も多くて、向こうのあたりは新築が立っているでしょ〜?だからもしかしたら、あっちの方なんじゃないかな〜?」

僕「そうかもしれませんねっ!」

僕「ありがとうございます(にこーっ)」

僕「(はぁやば、早く住所聞かねば。とりあえずバイク戻ろう)」

遠くの方で

おじ「Uber頼んだ?〇〇さんだってー。」

誰か「anきhq43eaxhづいmp\m「pnあbci」

僕「(いや、さっき頼んでないって言ってたし、この辺でもないんやろ?)」

僕「(メッセージ、メッセージ、)ふんっふんっ。」

おじ「(てくてく)ねー!うちの娘みたい!!」

僕「?!?!?!?!」

僕「(え?今なんて言った?娘?ん?娘の友達?ん?ん?)」

父(おじ)「ごめんねー!うちだったー!」

僕「え、っでも。(名前違うんじゃ???)」

僕「(そんなバグ聞いたことないぞ??)」

父(おじ)「うちのバカが名前変えてたみたいで!」

僕「あっそうだったんですね!!」

父(おじ)「今出てくるから!」

僕「いやいや、置き配なんでっ。」

父(おじ)「いや、待ってて。」

父(おじ)「ところで、名前違くても配達できるもんなのー?」

僕「ええ、まあ。マップ見て。最後は勘になっちゃいますけど。」

父(おじ)「そうなんだー!最近ここのところに紙はっ付けて、置いといてくださいってやってるんだよ。」

僕「そうなんですね!」

父(おじ)「(ピンポンっ!ピンポンっ!)」

僕「!?!?!?!?!?」

娘「はーい。」

父(おじ)「おい、早く出てこい!」

娘「なんで?」

父(おじ)「いいから、ちょっと来い!」

娘「やーだ!」

僕「(ええ、何?こわ。)」

父(おじ)「おい!早く出てこい!お前!」

僕「(タジタジ、にやにや)」

父(おじ)「ごめんねー!本当にー!ここ置いておいていいよー!あとで言っとくから!!」

僕「あっ、わかりました!ごめんなさい!ありがとうございましたー!にこーっ!」

〜〜〜〜ガチャッ!〜〜〜〜

母「あ、ごめんなさいねー!、、、お父さんっ!!」

僕「いえいえー!」

父(おじ)「いや、さすがにわからないだろ!」

母「最近物騒だからーって。名前変えてたんだってー!」

父(おじ)「迷惑だったでしょ?」

僕「いや、、、(にこーっ)」

父「謝らせないと。。。」

僕「いやいやー、、」

母「いいのよー!ごめんねー!」

僕「(にこーっ)」

父(おじ)「いいわけないだろ!」

僕「(にやにや)」

父(おじ)「すいません。。」

母「ごめんなさいねー!」

僕「いえいえー!ありがとうございましたー!失礼します!」

僕「(あ、やっば、、次あるんだったー!)」


Uberをしていると、いろんな人生があるんだと感じることが多い。

今回インターフォン越しに聞こえてきた娘さんの声を聞くに10代とかなんだと思う。声の限りでは高校生ぐらいなのかな?とも思ったが、クレカ作れないもんな。と思ったり。

年頃の女の子は何を食べているとか知られたくないんだろうなとも思うし、一番はせっかくの日曜日に昼間から父親と顔を合わせるのが嫌なんだろうなとか思ったりもする。

僕もあったなー。日曜日、部屋にこもってると、母親がカーテン開けにきて掃除機をかけるの。

本当に「今じゃなきゃいけないのかよ」ってタイミングで入ってくる。

親ってみんなウザいもんなのかもな。


実はこの話にはエピソード0があって。
配達前に細かく、周辺のことを教えてもらっていたのだ。
だから、おじさんの言っていることも「違和感」だったし、間違いなくここだよなと思って、スムーズに到着することができていた。

日曜日には珍しい「気が効く人」なんだなー。と思ったりもしつつ、名前が男の人の名前だったから、まさかこんな展開にはなるとも思わなかったけど。

いい思い出になった。

Uber残り何週間しかやらないけど、話せることがあったらいいな。なんてね。

ではまた。

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